続・QP関雅史のギア分析!第23回・軟鉄鍛造アイアンは鉄の種類によって打感に違いはある?

続・QP関雅史のギア分析!第23回・軟鉄鍛造アイアンは鉄の種類によって打感に違いはある?

Q.軟鉄鍛造アイアンに憧れています。最近、同じ軟鉄の中でも素材の種類が色々あることを知りました。鉄の種類によって打感や性能に違いはありますか? また、あまり軟らかいと使っているうちにネックが曲がってきたり、フェースやソールが磨り減ったりしないか心配です。

A.たしかに素材によって打感や音の違いはあります。しかし、そのことはアイアンの性能を比較する上ではあまり重要ではないと思います。

同じ軟鉄鍛造アイアンでも素材の違いは感じられる

「鉄」として広く用いられている炭素鋼は、鉄と炭素の合金で、炭素の含有量によって性質が変化する。軟鉄鍛造アイアンには、炭素の含有量が少なく軟らかい低炭素鋼が使われているが、素材の性質の微妙な違いが打感や性能にどれくらい影響を与えるのか。
人一倍、感覚の鋭い関雅史プロに聞いてみた。

「軟鉄鍛造アイアンに使われている炭素鋼の中で、もっともよく知られているのは『S25C』ですが、25Cという記号は炭素含有量が0.25%であることを表していますが『S20C』なら炭素の割合は0.2%ということになります。炭素鋼は炭素の含有量が少ないほど軟らかくなる性質があり、『S25C』で作られたアイアンと『S20C』で作られたアイアンを打ち比べると確かに『S20C』の方が軟らかく感じられます。また、このほかに『SS400』もよく使われていますが、こちらも炭素含有量が0.16から0.2%なのでかなり打感が軟らかい素材です」

素材が軟らかいから高性能とはいえない

人によって感じ方に差はあるとしても、同じ軟鉄鍛造アイアンでも素材によって打感が違うのは確かなようだ。それなら、軟らかければ軟らかいほどアイアンとして優れているかといえば、そうでもないというのが関プロの考えだ。

「とくに日本人が素材を追求したクラブに憧れる気持ちはよくわかります。しかし、軟らかいからといって決して良いことばかりではありません。軟らかさだけでいえば、『S20C』よりもさらに軟らかい『S10C』や『S5C』という素材もありますが、これらはアイアンには採用されていません。質問者の方が心配されているように、長く使用しているうちにネックが曲がったりする可能性があるためです。逆に、大手メーカーも採用している『S20C』なら耐久性の問題もクリアされています」

それでも心配な人は、ショップなどで定期的にロフトやライ角をチェックしてもらえば問題はないだろう。
さて、肝心の性能面で素材による差はあるのだろうか。

「素材に凝っているから性能がいいかといえば、まったく別問題です。同じ形のヘッドをステンレスの鋳造で作ったとしても軟鉄鍛造で作ったとしても、基本的に性能は変わりません。現にPGAツアーではステンレスアイアンで活躍している選手が大勢います。私自身も、あまりに打感が軟らかいものより、多少高めの音がしてくれるアイアンの方がイメージが出やすく好みです。要は好みの問題です」

軟らかい素材が絶対に優れているとはいえないというのが関プロの結論。
世間一般の価値観にとらわれず、自分が思うように打てるアイアンを見つけることが大切だ。

教えてくれた人:関雅史(せき・まさし)プロ

1974年9月28日生まれ、PGA公認A級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ1万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。
構成/吉田宏昭(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀人 撮影協力/ゴルフフィールズ

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