Ｑ．ドライバーに比べて、アイアンの振り心地が軽いように思うのですが、ドライバーとアイアンの重量のマッチングはどのように考えればいいのでしょうか？　ちなみにドライバーは320グラムのものを、アイアンは５番アイアンで405グラムのものを使っています。

Ａ．ドライバーの重さとアイアンの重さがマッチしていません。ドライバーが上手く振れているなら、アイアンのシャフトを重くするべきです。

１Ｗと５Ｉの理想の重量差は100グラム

ドライバーだけ、もしくはアイアンだけ上手く打てても、決していいスコアには結びつかない。クラブフィッティングで大切なのは、クラブの長さにかかわらず、すべての番手を同じタイミングで振れるようにすること。

そのために、ドライバーは軽く、アイアンは重く作られているが、実際にはどちらかの振り心地が軽すぎたり、あるいは重すぎたりしてマッチしていないことがよくある。

ドライバーとアイアンの適正な重量差はどれくらいあればいいのか。アマチュアのクラブフィッティングの経験が豊かな関雅史プロに教えてもらった。

「ご質問の内容から、320グラムのドライバーがきちんと振り切れているという前提で答えさせていただきます。また、320グラムが振り切れるなら、ヘッドスピードも平均以上に出ているはずです。ヘッドスピードが42メートル／秒以上なら、ドライバーの長さが45インチ前後、５番アイアンが38～38.5インチとして、５番アイアンの総重量をドライバーよりも100グラム程度重くするのが理想です。質問者の場合は、ドライバーと５番アイアンの重量差が85グラムしかないので、アイアンが軽すぎます。５番アイアンの総重量が405グラムということなので、現在は90グラム台のシャフトが入っていると思われます。したがって、アイアンのヘッドはそのままで、シャフトを100グラム台のものにリシャフトすれば、振り心地の違和感は解消されるでしょう」

ヘッドスピードが遅い人はアイアンをさらに軽くする

ヘッドスピードが平均以上ならドライバーと５番アイアンの適正な重量差は100グラム。それでは、ヘッドスピードが遅い人の場合はどうなのだろう。これも関プロに確認してみた。

「ヘッドスピードが40メートル／秒よりも遅くなると、そもそも320グラムの重いクラブを振り切ることができません。ドライバーは45インチで290グラムくらいが適当でしょう。46インチを超える長尺ならもっと軽い270グラムくらいにする必要があります。アイアンもプラス100グラムの390グラムは厳しいので、60グラムから70グラム程度の重量差があれば大丈夫です。実際に売られているアベレージ向けアイアンも５番アイアンで360グラム前後のものが多くなっています」

「ドライバーが上手に打てるけれど、アイアンが当たらない。アイアンが得意だけれどドライバーは苦手」という人は、今一度クラブの重量をチェックしてみてほしい。

教えてくれた人　関雅史（せき・まさし）プロ

1974年9月28日生まれ、ＰＧＡ公認Ａ級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ１万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。
構成／吉田宏昭（ゴルフライター）　撮影／斉藤秀人　撮影協力／ゴルフフィールズ

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