続・QP関雅史のギア分析!第10回・ウェッジのセッティングは何を基準に決めたらいい?
2021.12.04
Q.セットのPW(45度)、48度、52度、58度と4本のウェッジを入れていますが、結局よく使うものとほとんど使わないものに分かれてしまいます。58度はバンカーのみで使って、通常のアプローチは52度が中心。48度はほとんどフルショットのみです。ウェッジのセッティングはどう考えるのが正しいですか?
A.ウェッジのセッティングは、ロフトピッチを均等になるように組むのが理想とされています。ただし、必ずしもフルショットの距離を均等にすることだけがいいとはかぎりません。実用性を考えた場合、「何度」ではなく自分が「フルショットで何ヤード打ちたいか」を基準にして選ぶほうが得策になることもあります。
アイアンセットを基準に考えるウェッジセッティング
ウェッジのセッティングには2とおりのアプローチがある。1つはアイアンからのつながりでロフト角を決めていく方法だ。基準になるのはアイアンセットのPWのロフト角だ。フルショットを15~20ヤード刻みで打ち分けられるようにするには、ロフト角は4~6度に収めるのが基本といわれている。
「この方法なら、自分の本当の飛距離がはっきりつかめていないビギナーでも大きな間違いを犯すことはない」と、自ら主宰するゴルフスタジオで、アマチュアゴルファーのフィッティングを長年行ってきた関雅史プロはいう。
「質問者の方の場合は、PWの45度と48度の差が小さいところが気になりますが、AW(52度)は4度ピッチ、SWはやや離れて6度ピッチと、ほぼ理想的なセッティングといえます。よく使うものと使わないものに分かれているといっても、52度をグリーンまわり、58度をバンカー専用にしているプロや上級者もけっこういます。特にアマチュアの場合は、使う番手を絞ることでアプローチショットのスキルが向上するので使う番手が偏るのはむしろいいことだと思います。また、フルショットの穴もないのでいいです。アイアンセットのウェッジを卒業して、これからウェッジ専用モデルをそろえるというレベルの人の場合も、飛距離=ロフト角と考えてピッチを均等にする方法はおすすめです」
自分が打ちたい距離に合わせてロフト角を選ぶ
もうひとつのアプローチ方法は、4度ピッチや6度ピッチにこだわらず、自分が打ちたい距離に応じてロフト角を選ぶ方法だ。
「残り100ヤードを基準にゴルフを組み立てる人なら、アイアンセットのPWのロフト角や距離に関係なく100ヤードをフルショットで打てるロフト角を選びます。質問者の方を例にすると、45度のフルショットが120ヤードとして、次に100ヤードを打ちたいとすればおそらく50度くらいを持ってきた方がいいでしょう。その次を52度にするか54度にするかは、やはり打ちたい距離次第です。また、SWだけは別物と考えてピッチどおりでなくてもかまいませんが、アマチュアの場合はロフトが大きすぎるとかえって難しくなるし、バンカーからショートしやすいので、迷っているなら58度よりも56度をおすすめします」
ウェッジ選びで大切なのは、「何ヤード飛ぶか」ではなく、「何ヤードを打ちたいか」。それさえ抑えておけば、グリーンからゴルフを組み立てる上級者のコースマネジメントも自然と身についてくる。
教えてくれた人:関雅史(せき・まさし)プロ
1974年9月28日生まれ、PGA公認A級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ1万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。
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