続・QP関雅史のギア分析!第9回・スイングウエイトは揃えるべきか
2021.12.04
Q.スイングウエイトはきっちり揃えたほうがいいのでしょうか。購入しようと考えている3番ウッドがD2ですが、いま持っているドライバーも5番ウッドもD1です。セットの中で1本だけスイングウエイトが重い場合の弊害を教えてください。
A.自分のフィーリングがよければスイングウエイトは揃っていなくても問題ありません。同一シャフトでなければ、スイングウエイトを比べる意味はほとんどありません。
スイングウエイトが表しているのはヘッドの効き
店頭に並んでいるクラブには必ずといっていいほどスイングウエイトが表記されている。選ぶときの目安にしている人も多いが、実際のところどれくらい重要なのか。カリスマクラブフィッターの関雅史プロに聞いてみた。
「そもそもスイングウエイトは、長さの違うクラブでもゴルファーのフィーリングを揃えるために考えられたものです。別名、スイングバランスともいわれるように、グリップエンドから14インチのところを支点にしてヘッド側とグリップ側のバランスを計測し、アルファベットと数字の組合せ(A1~E9)で表記したものです。スイングバランスが表しているのはヘッドの効きで、C9よりもD0、D0よりもD1の方がヘッドの重みを感じます」
スイングウエイトよりもクラブ総重量が大事
しかし、スイングウエイトを揃えれば、どの番手も同じように振れるかといえば、そうとは限らない。
「ドライバーからウェッジまで数値をきっちりと揃えている人はプロでもアマチュアでもけっこういます。スイングウエイトを揃えること自体は悪いことではありませんが、わざわざ合わせる必要はありません。振ってみて自分のフィーリングさえよければ、新しく購入する3番ウッドがD2であろうがD3であろうがまったく問題ありません。ただ、ヘッドが効きすぎたり効かなさすぎたり、自分が振りにくさを感じる場合には、スイングウエイトを調整するといいでしょう。また、中には数値が揃っていないと気持ちが悪いという人もいます。その場合は、軽いものを重いものに合わせるのが基本です。鉛などでヘッドを重くすることはできても、軽くすることはできないからです」
クラブを買い足す場合には、スイングウエイトよりもクラブの総重量に気をつけるべきと関プロは話す。
「スイングウエイトは、あくまでもバランスを表しているだけなので、例えば、総重量285グラムの3番ウッドと325グラムの3番ウッドが同じD3ということはあり得ます。スイングウエイトが同じでも重さが30グラム違えば、振り心地は相当変わります。また、振り心地を統一するには、長いクラブほど軽く、短いクラブほど重くなるように重量の階段を作らなくてはなりません。3番ウッドはドライバーよりも重く、かつ5番ウッドよりも軽くなるようにしてください」
きれいに並んだ数字にこだわるのは日本人ゴルファーの特性。
海外の一流プロの中には自分のクラブのスイングウエイトを把握していない選手も多い。
もっとも大事なのは数値ではなく自分の感覚だ。
教えてくれた人:関雅史(せき・まさし)プロ
1974年9月28日生まれ、PGA公認A級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ1万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。
構成/吉田宏昭(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀人 撮影協力/ゴルフフィールズ
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