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続・QP関雅史のギア分析!第3回・アイアンセットの中で1本だけ真っすぐ飛ばないのはどうして?

続・QP関雅史のギア分析!第3回・アイアンセットの中で1本だけ真っすぐ飛ばないのはどうして?

Q.アイアンセットを買い替えてから、他の番手は真っ直ぐ飛ぶのに8番アイアンだけ左に引っかかるようになりました。打ち方が悪いのでしょうか。それとも他に原因は考えられますか。ショップで試打した時は5番と7番アイアンを試してどちらも上手く打てました。

A.実際に数値を測ってみないと何ともいえませんが、クラブに原因があるとすれば、8番アイアンだけライ角が合っていない可能性が考えられます。

アップライトなクラブはフェースが左を向きやすい

クラブフィッターとして様々な症例を解決してきた関雅史プロは、8番アイアンの引っかけの原因を、ライ角がアップライト過ぎることではないかと推察する。

ライ角とは、クラブのソールを地面と平行にして置いたときの、シャフトの中心線と地面で作られる角度のことをいう。この角度が大きい場合には「ライ角がアップライト」、小さい場合は「ライ角がフラット」と表現されるが、なぜアップライトなクラブは引っかけやすいのか。関プロに教えてもらった。

「自分のかまえに対してアップライト過ぎるクラブは、かまえたときにトゥが浮いた状態になって、リーディングエッジをターゲットに対してスクエアに合わせても、フェース面は左を向きます。したがって、球が目標よりも左に出やすくなります。これに対して、フラット過ぎるクラブはヒールが浮いた状態になって、フェース面が右を向くので球が右に出やすくなります。質問者の方は8番アイアンだけ左に引っかけるということですから、何らかの理由で8番だけが他の番手よりもアップライトになっている可能性があります。最近のアイアンは、名の通ったメーカーの製品であれば、セットの中でライ角が統一されるよう出荷時に調整されていますが、別のセットに入るはずだった8番が混入した可能性もあります。また、物理的な力が加わることでライ角が変わってしまうこともあります。購入したショップなどできちんとライ角をチェックしてもらいましょう」

特定の長さが振りにくい場合もある

仮にライ角が適正だとしても、ある番手だけうまく打てないことはあり得る。

「クラブの振りやすさは長さと重さによって変わるので、他の長さはうまく振れるのに、特定の長さのクラブだけコントロールできなくなる人もいます。もし、ライ角に問題がないとすれば、その番手だけ、手の振り出しが強くなって引っかけているのかもしれません。その場合、解決法は慣れることです。クラブを替えたばかりの頃は引っかけていても、使っているうちにクラブの動きを体が覚えて調整できるようになるので、だんだんばらつきが減ってきます」

ウッドよりもロフト角が大きいアイアンは、ライ角によってフェースの向き=打ち出し角が変わりやすい。自分のかまえ方に合ったライ角を選び、必要があれば適正に調整してもらおう。

教えてくれた人:関雅史(せき・まさし)プロ

1974年9月28日生まれ、PGA公認A級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ1万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。
構成/吉田宏昭(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀人 撮影協力/ゴルフフィールズ

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