続・QP関雅史のギア分析!第17回・センターシャフトパターは普通のアマチュアでも使いこなせる?
2021.12.04
Q.プロがよく使っているセンターシャフトのパターに興味があります。センターシャフトは芯を外すと難しいという話も聞きますが、アマチュアが使っても大丈夫でしょうか。平均パット数は42~43くらいで、ミスをする時は引っかけが多いです。
A.センターシャフトのパターは芯を外したときに当たり負けしやすいのは確かです。しかし、センターシャフトには他に大きなメリットがあります。もちろん、アマチュアが使っても大丈夫です。とくに引っかける癖のある人にはおすすめできます。
センターシャフトのデメリットとメリット
センターシャフトパターとは、その名の通り、ヘッドのセンターにシャフトが装着されているパターのこと。センターシャフトの長所と短所について、クラブの機能に詳しい関雅史プロに教えてもらった。
「ヒール寄りにシャフトが装着されている通常のパターは、シャフトの中心軸から離れたところに重さがあるので、軸回りの慣性モーメントが大きく、比較的ヘッドが回転しにくいという特徴があります。これに対して、センターシャフトは、シャフトの中心軸の近くに重さがあって慣性モーメントが小さいため、ヘッドが回転しやすくなっています。そのせいで芯から外れたところにボールが当たったときにはヘッドがぶれて、ねらった方向に真っすぐ打つのが難しくなります」
それにも関わらず大勢のプロがセンターシャフトを選ぶのは、デメリットを上回るメリットがあるからだ。
「芯を外したときには方向がぶれやすいのは確かですが、シャフトの延長線上に芯があるため、芯に当てやすいことがセンターシャフトのメリットです。また、ミスヒットしたときにわかりやすく、使っているうちに芯に当てて打つ技術が身につくので、球の転がりもよくなります。さらに、フェースの開閉が少ないので、真っすぐ引いて、真っすぐ出しやすいというメリットもあります」
引っかけを嫌がるプロはセンターシャフトを選ぶ
そして、センターシャフトの最大の長所は引っかけにくいことである。
「プロがセンターシャフトを使っているのは機能的に引っかけにくいからです。一般的なグースのあるパターは、ヘッドがシャフトよりも遅れてインパクトするので、フェースがかぶりやすく、そのことが引っかけの原因となっています。一方、フェース面とシャフトの左のラインが一直線に揃っているセンターシャフトは究極のストレートネック。フェースが早く当たるのでかぶりません。また、引っかける人はアッパーブローで打っていることが多いのですが、センターシャフトはアッパーの度合いが強いほど先にフェースが当たるので、真っすぐ転がってくれます。引っかけ癖のある人にとっては、これがセンターシャフトの最大のメリットになります」
どんなパターにも一長一短がある。芯に当てやすいパターをとるか、芯を外したときにミスの度合いが小さいパターをとるかは、自分の考え方次第だ。
教えてくれた人:関雅史(せき・まさし)プロ
1974年9月28日生まれ、PGA公認A級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ1万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。
構成/吉田宏昭(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀人 撮影協力/ゴルフフィールズ
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