- 8月1日(土)
- 「教えて!Nory」解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん
【質問】
ティーショットがスライスして、右斜面のOBギリギリセーフのつま先下がりのラフに。
雨上がりで水が浮いていたので、ニアレストポイントにドロップしました。
ボールの位置を確認したら、フルスイングができないため、クラブを替えに戻ってくると、
ボールが元の位置から動いてOBラインを超えていました。
このような場合、正しい処置はどうすれば良いのでしょうか?
【解説】
ご質問者様、ご質問有難うございます。
ご回答から申し上げますと、罰なしで球の止まっていた箇所にその球をリプレースです。
これは規則9.3の「自然の力が動かした球」の例外2が適用されます。
この項目には
「プレーヤーが元の球か別の球をドロップ、プレース、またはリプレースすることによってインプレーにした後で、
自然の力がその止まっている球を動かす原因となり、その球がコースの他のエリア、
またはアウトオブバウンズに止まった場合、その球は元の箇所にリプレースしなければならない」
と書いてあります。
自然の力とは、風、水などの自然の影響、または重力の影響により明らかな理由なく何かが起きる場合
のことを指します。
今回はつま先下がりの傾斜に止まっていた球が、重力によって動いたと推測できるので、これに該当します。
この例外2は、2025年1月に新たに追加された項目で、それより前は、ドロップして止まっていた球が自然の力で動いた場合、
止まった箇所からあるがままにプレーしなければなりませんでした。
今回のケースに当てはめますと、傾斜によって球が動いてOBラインを超えたのでアウトオブバウンズとなり、
ストロークと距離の罰のもと、直前のストロークを行った場所、つまりティーイングエリアに戻って、
3打目からプレーをしなければなりませんでした。
それ故、以前はドロップやプレース等の処置をした球が急傾斜にあると、ストロークを行うまで息を止めるほど慎重になったものです。
今はルール改訂により、安心して処置することができるようになりました。
- 8月8日(土)
- RPAに入ったと勘違いしてストロークと距離の処置をする解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん
5月に開催されたリゾートトラストレディスは19年ぶりに福島県のグランディ那須白河GCが会場となりました。
その3ラウンド目、3番ホールで珍しいルーリングがありました。
このパー4は375ヤードの真っすぐなホールで、グリーン左手前に池があります。
そこであるプレーヤーは、110ヤードからの2打目をわずかにショートしてしまい、池を囲う岩に当たって左の林へ飛んで行きました。
プレーヤーはその林が池と一帯となった一つのレッドペナルティーエリア(RPA)だと勘違いし、
ストロークと距離の罰のもと、2打目をプレーした同じ箇所に球をドロップして4打目をグリーンに乗せました。
ところがグリーンに行ってみるとレッドペナルティーエリアの杭は池の周りを定めていて、
林そのものはジェネラルエリアだと気づきます。
そしてその林の中に自分の球を見つけ、いよいよどうしたらよいか分からなくなってルーリングを要請しました。
現場に駆けつけたレフェリーは、事情を聞いた上で、ストロークと距離の罰のもと、
ドロップしてプレーした球でプレーを続けることを伝えます。
つまりパッティンググリーンに乗っている球で、次が5打目をプレーすることになります。
何故ならストロークと距離の罰に基づく救済は、いつでも認められている処置で、
プレーヤーが別の球をドロップしてインプレーにした時点で球は取り替えられ、
林の中にある元の球はもはやインプレーの球ではなくなるからです。(規則18.1、定義:取り替え)
そして「インプレー」の定義にもあるとおり、
プレーヤーはどんな時でも複数のインプレーの球を持つことはありません。
ストロークと距離の救済はいつでも認められるとは、
つまりプレーヤーの球がどのコースエリアに止まっていたとしても、またその球が捜索で見つかろうが見つかるまいが、
1罰打を足せば、直前のストロークが行われた場所からプレーすることができるということです。
今回のケースでは、プレーヤーは球がペナルティーエリアに入ったと勘違いしてストロークと距離の救済をしましたが、
結果として球がジェネラルエリアに止まっていたとしても、適用できる規則で処置をしたことになります。
しかし、もしプレーヤーがレッドペナルティーエリアに入ったと勘違いして、ラテラル救済や後方線上の救済をした場合は、
誤所からのプレーで更に2罰打を課される状況でした。
これを教訓に、
ストロークした球がどこに止まったか、コースエリアをしっかり確認しながらプレーを進めていきましょう。
- 8月15日(土)
- 「教えて!Nory」解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん
【質問】
毎週土曜日、楽しみにラジコで課金拝聴しております。
6月開催のLPGAダウ選手権を見ていたら9ホールのフェアウェイ近くのラフに、
8ホールのティーショットのショートカット防止のために8ホールのOB杭がありました。
そこでふと疑問です。
9ホールでこのOB杭の近くにボールがあり、スイングの邪魔になる場合は、
隣のホールでもOB杭を抜くことは出来ないと思うので罰なし救済が受けられるか否かが気になりました。
実況のアナウンサー、解説者は「なんか気持ち悪いですね」のみでその事には触れなかったのでモヤモヤしてます。
【解説】
ご質問者様、ご質問有難うございます。
ダウ選手権の8番ホールは418ヤード、左ドッグレッグのパー4です。
8番ホールの左側に345ヤードの短い9番ホールのパー4があり、その間は高い木々でセパレートされています。
そしてこの9番ホールの左側のFWから3ヤードほど離れたラフに白杭が20ヤード間隔で設置されていました。
この大会の追加ローカルルールを確認しましたところ、項目1(e)に
「コース内のアウトオブバウンズ」について明記されており、「8番ホールのプレー中、8番ホールの左側にある白杭は、
ティーイングエリアから行わなければならないストロークについてはアウトオブバウンズである。
また他のホールをプレーしているとき、このOB杭は動かせる障害物とする」とあります。
つまり8番ホール以外のホールをプレーしている時に、球が白杭の近くに止まった場合、
罰なしでその白杭を取り除くことができます。(規則15.2a(1))
これは、今年の1月にゴルフ規則に新しく追加されたローカルルールひな型A-4.2を採用しています。
その理由として、8番ホールのティーショットをショートカットする目的で、
9番ホールへ打つことを阻止するためかと思われます。
それは安全上の理由であったり、プレーのペースを考えてのことだと思いますが、特筆すべきは、
ティーイングエリアから行われたストロークにのみ適用されていることです。
つまり8番ホールのフェアウェイからストロークした球が、
この白杭を超えて9番ホールのフェアウェイに止まったとしてもインバウンズとなります。
おそらくそのようなケースはまず無いと判断して、このローカルルールを採用したと思います。
- 8月22日(土)
- 岩の間に球が挟まる解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん
5月に開催されたリゾートトラストレディスの3ラウンド目。
15番ホール(パー4)のグリーン左手前は細い花道となっており、右手前は大きな岩がゴロゴロとした岩場でした。
その日のホールロケーションは右サイドにあった為、この岩を越えて打って行かなければなりませんでした。
そこであるプレーヤーは、セカンドショットを少しショートしてしまい、
球が岩と岩の間に突き刺さって止まってしまいました。
このままプレーできる状態ではないため、レフェリーを要請してアンプレヤブルの処置を確認しました。
プレーヤーはまず、
球の止まっている位置からホールに近づかない2クラブレングス以内にドロップするラテラル救済を試みました。
そして救済エリアの大きさを決めるためにクラブレングスで測る場合、
自然にうねった地面に対してクラブを這わせなければなりません。
この場合、ゴツゴツとした岩は地面なので、岩が垂直に立っていれば、
その垂直の距離も救済エリアの範囲に含みます。
そのようにして2クラブレングスの範囲を測ってみると、その先端は左側のラフに届きました。
しかし、レフェリーはドロップする前に「もしドロップして球が再び岩の間に止まったとしても、
それは救済エリアの範囲内なのでインプレーとなります」と忠告しました。
それはラフが岩場に傾斜していて、ドロップした球が岩へ転がる可能性が僅かにあったからです。
そこでプレーヤーは、アンプレヤブルの他の選択肢であるホールと球を結んだ後方線上にドロップすることを考えました。
ホールは右サイドにあった為、球の位置から6ヤードほど下がれば、
平らな芝にドロップすることが可能となり、岩に転がる心配もありません。
そしてプレーヤーは1罰打のもと、アンプレヤブルの後方線上の救済を選択して、
芝地からプレーしてホールを終えました。
レフェリーが正しく救済エリアを定め、ドロップする前の適切なアドバイスにより、
最適な処置をすることができました。
- 8月29日(土)
- 「教えて!Nory」解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん
【質問】
毎度お騒がせしております。
さて先日、月例杯でのラウンド中に珍事が発生しました。
一つ目は、パットを外してしまった後に、ボールを拾い上げてしまった事件。
ここでは2罰打で元にあった位置からパットして2罰打を加えました。
二つ目は、バンカーに同伴競技者のボールがくっついて2つ並んでしまった事件です。
少しだけピンに近かった私のボールを拾い、同伴競技者がプレーして、バンカーを均した後、
元にあった位置と思しき場所にドロップしてプレーしました。
これらの処置は正しかったのでしょうか?
またこのような事態はプロの試合でもよくあるのでしょうか?
解説のほど宜しくお願い申し上げます。
【解説】
ご質問者様、ご質問有難うございます。
大変残念なお知らせですが、二つとも処置が間違っています。
一つ目ですが、グリーン上で誤ってインプレーの球をマークせずに拾い上げてしまった場合、
規則9.4に基づき1罰打で元の位置にリプレースしなければなりません。
このケースでは2罰打ではなく、1罰打で済みます。
二つ目は、バンカー内のホールに近い方の球をマークして拾い上げ、
同伴プレーヤーがプレーしてバンカーを均したまでは良かったです。
その後、球はドロップではなく元の位置にリプレースしなければなりません。(規則14.2d(1))
誤ってドロップした球でプレーした場合は、規則14.2bの違反となります。
プレーヤーが球のあった箇所にドロップしてその位置に止まった場合は1罰打ですが、
ドロップした球が球の止まっていた箇所ではない場所に止まり、
その球をプレーしたら誤所からのプレーで2罰打を加えなければなりません。
覚えて頂ければ幸いです。