楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2023年12月放送分楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2023年12月放送分

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12月2日(土)
ジェネラルエリアの橋の上に止まった球解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

これは10月の三菱電機レディスで実際に起こったルーリングです。
プレーヤーはパー4の13番ホールで2打目をバンカーから打ったところ、
トップしてしまいグリーンを大きく越えて奥の橋の上に球が止まりました。

その橋は次の14番ホールへ通じているのですが、
橋の下はハイキングトレイルが通っていてOBを定める鉄柵や木々が密集していました。
球は橋の先端から4ヤード入ったゴムマットの上に止まっていて、
下の鉄柵の内側にあったため、OBではなくインバンズの球と判定できました。

このジェネラルエリアにある橋は、障害物なので罰なしの救済が受けられますが、
「橋の上に球がある場合」の救済が特殊なのです。

通常の救済であれば、ホールに近づかない、
その障害物からの障害がなくなる所が基点となりますが、
橋の上に球がある場合は、垂直距離を無視して球の真下の地面が基点となります。


これは橋などの高架の部分に球が止まった場合に、
橋の周りに生えている木の枝の上が救済のニヤレストポイントになることを避けるためです。(詳説16.1/4)

今回は橋の真下が急な傾斜で、そこにたどり着くのも危険な状況のため、
プレーヤーは救済をうけずに橋の上からそのままプレーすることを選択しました。

本来、ゴルフ場にある橋と言えば、池や川が絡んでいる為、
その橋自体もペナルティーエリア内にあることが一般です。
そしてペナルティーエリアにある橋は、
球もペナルティーエリアにあれば障害物からの救済が受けられません。

今回は珍しくジェネラルエリアにある橋の上に球が止まったため、
垂直距離を無視した救済が可能
となる非常に珍しいケースでした。

12月9日(土)
「教えて!Nory」目土の規則解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

【質問】

ラウンド中の目土は、
自分のボールより前方を目土した場合はライの改善になり、
ペナルティになるのでしょうか?

プライベートでは、そんなに気にする必要はないと思いますが、
公式戦では、ペナルティになるのか?
なるのであれば何罰打になるのでしょうか?



【解説】

ご質問ありがとうございます!

これが規則8.1aの違反となるかは、状況次第となります。
例えば、球の3ヤード前方のプレーの線上に目土をしたとしても、
ホールまで150ヤードのショットが残っていれば、
まずプレーに影響しないのでライの改善とはみなされません。

ところが、同じく球の3ヤード前方のプレーの線上に目土をした場合でも、
球からグリーンまで5ヤード、そしてホールまで10ヤードの状況で、
チップショットやパットをするのであれば、違反の可能性が高くなります。

他方で、球の前方に目土をしたことが、ライの改善とみなされるかを判断しなければなりません。

目土はディボットなど芝が削られた箇所を平らにするので、
見た目では状態が良くなるかもしれませんが、
目土は芝の地面と比べると球の転がりやバウンドしたときの跳ね方が変わるので、
逆にプレーが難しくなるとも考えられます。

そのため、プロがライの改善を目的として、
プレーの線上に目土をしたというのは聞いたことがありません。

ライの改善とは、ストロークに影響する状況を変えただけでなく、
その行為によって元の状態より潜在的な利益がなければ、違反とはなりません。
それなので、これがディボット跡に目土ではなく、ディボットを戻して平らにしたならば、
ライの改善で2罰打を受けるでしょう。

このようにストロークをする前に、球の近くやプレーの線上に目土をすることは、
周りから見ても紛らわしい行為であり、違反となる可能性もあるので避けるべきです。

目土そのものはコースを保護する上で大切な行為ですので、
ストローク後に行って頂ければ嬉しいです。

12月16日(土)
SWを持っていかれた事件解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

これは以前、クオリファイイングトーナメント(QT)であったルーリングです。

スタート前に練習グリーンでパッティングをしていたプレーヤーAは、
スタート時間が近づいたので、グリーン脇に置いたはずのサンドウェッジを持って
10番ティーへ向かおうとしたのですが、そのSWがどこにも見当たりませんでした。

グリーン脇には数本のサンドウェッジが置かれてあるのですが、
どれも他のプレーヤーのクラブで、どうしたらよいかと委員会に訊ねてきました。

そこで委員会は、もしかしたら他のプレーヤーが誤って持っていったのではないかと、
既にスタートしている組を調べたところ、前の組のプレーヤーBが
自分のSWと勘違いしてキャディーバッグに入れたことが分かりました。

これはA選手にしたら災難です。
どうにかして、そのSWを本人に戻してあげたいという思いがありましたが、
規則により出来ませんでした。

それは規則4.1b(4)に、
「そのコースでプレー中の他のプレーヤーによって持ち運ばれているクラブを追加してはならない」
とあるからです。

これは、B選手が誤ってA選手のSWをキャディーバッグに入れたとしても、
B選手が自ら選んだクラブとして扱われます。
更にB選手は、
そのSWを含めてクラブが計14本のため、超過クラブの違反もしておらず、
プレーから除外する手続きができません。

つまりラウンドの途中で、自分のクラブでないと気づき、持ち主に返したいと言っても、
規則違反をしていなければ手放すことができないのです。
結局、A選手はこの規則を理解した上で、SWなしの13本で淡々とプレーをしました。
そして見事にQTを突破して、次のステージに進みました。

この教訓として、
練習グリーン脇にクラブを置く場合は、他人のクラブと混同しないように、
自分のクラブにタオルを巻くなどして識別できるようにしたらよいかと思います。

12月23日(土)
咳止め薬でドーピング違反解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

アメリカPGAツアーは、
8月に韓国のアン・ビョンフン選手をアンチ・ドーピング規定に違反したとして
3ヵ月間の試合出場停止処分を言い渡しました。

これはアン選手が風邪を引いた際に、韓国で市販されている風邪薬を服用し、
この中に違反となる禁止物質が含まれていたことが原因でした。
アン選手は、風邪薬の成分表をちゃんと確認せずに服用してしまったと過ちを認め、
9月から11月末までの期間の停止処分を受け入れました。

アンチ・ドーピング規定は、JLPGAでも2009年に導入されました。
当時は、私もまだ選手だったので覚えているのですが、
その1年前からドーピングに関するハンドブックや使用可能薬リストなどが配布され、
選手説明会があったのを覚えています。

そして驚いたのが、
市販されているごく一般的な風邪薬や総合感冒薬の多くに、
禁止物質が含まれていることでした。


たとえば、風邪薬にはエフェドリンという興奮薬、
また多くのサプリメントには蛋白同化ステロイドが含まれています。

これらは成分表に記されていない場合もあり、
服用してドーピング検査で陽性となった場合は、自己責任となります。


ほとんどのプレーヤーは、競技向上のために自ら故意に禁止薬物を服用するとは思えません。
ですが、安全だと思って薬を服用した結果、ドーピングで陽性になる可能性はあるので、
常に注意を払わなければいけません。

8月に開催された全英女子オープンでも、1番ティーの横のプレハブで
ドーピング検査を実施していました。通常、検査は最終日のみかと思っていましたが、
大会2日目には既に実施されていて、その時点で20ほどの検体を収集していました。

ドーピング検査は、競技委員と言えども、
いつどこでだれが検査対象となるかについて一切知ることはありません。

12月30日(土)
球をリプレースしなければならない人解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

これは富士通レディースで実際にあったルーリングです。

パー5の10番ホールで、プレーヤーは2打目を右に曲げてしまい、
球はギャラリーロープの外に止まりました。そこを歩いていたギャラリーは、
球があるとは知らずに誤って蹴ってしまい、30cmほど動かしてしまったのです。

その状況を間近で見ていたギャラリー整理係のボランティアさんは、
親切心で球を元の位置に戻して選手の到着を待っていました。
そしてたどり着いた選手は、そこでボランティアさんから事情を聞き、
そのままプレーしていいのか分からずにルーリングを要請しました。

この裁定ですが、
まずインプレーの球がギャラリー、つまり外的影響によって動かされた場合、
罰はなく元の位置にリプレースしなければなりません。(規則9.6)


間近で見ていたボランティアさんも、おそらくそれを承知の上、
選手が到着するまでに元の位置に同じライの状態で戻してくれました。

ところが、ここで1つ問題があります。
規則14.2bには「球をリプレースしなければならない人」が規定されています。
そこには球を動かした人かプレーヤーのみがリプレースを認められるとあります。


つまりそれは球を蹴ったギャラリーかプレーヤーが対象となり、
ボランティアさんではありません。
それなので、正しく処置を完了させるために、
プレーヤーにその球を拾い上げさせて、同じ位置にリプレースしてもらいました。

因みに、プレーヤーが球をリプレースせずにそのままプレーすると1罰打となります。

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