楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2021年9月放送分楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2021年9月放送分

Backnumber2021年9月 放送分

9月11日(土)
松山選手の球がギャラリーの洋服の中に入る解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

ザ・ノーザントラストで起きた珍事件です。

松山選手の打ったティーショットがギャラリーの洋服の中に入り、止まりました。
そのギャラリーだった男性は幸いにも怪我はなく、球が止まった地点を
動かさないようにするために静止して待っていたそうです。
現場に到着した松山選手はその球にサインして男性にプレゼントしたそうです。

このような偶然は稀にトーナメントでは起こります。
私自身もプレーヤーの球が、観戦していたギャラリーの
レジャーシートの上に止まるルーリングに立ち会ったことがあります。

いずれにせよ、
球が、衣服の中や上に止まった場合、真下と推定する地点が基点となり、
ワンクラブレングス以内にドロップしなければなりません。


規則上、なぜリプレースではなくドロップかと言いますと、
球が直接地面に触れておらず、リプレースする箇所が存在しないからです。

また、ドロップとはプレーヤーがライを選ぶことはできないという原理原則です。

ドロップをすることにより、不確実性を生み、ラッキー、アンラッキーがあり、
プレーヤーはどのようなライも受け入れなければなりません。

正にゴルフの醍醐味と言えるでしょう。

9月18日(土)
完全な救済のニヤレストポイント解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

ルーリングナンバーワンと言っても良い程、よく呼ばれるルーリングです。

完全な救済のニヤレストポイントは
異常なコース状態、危険な動物の状態、目的外グリーン、プレー禁止区域、
または特定のローカルルールに基づいて救済を受けるときの基点となります。


よく皆さんが間違えるのは、
複数のニヤレストポイントをとって、良い方を選んでしまうことです。

ニヤレストとは英語で最も近いという意味があります。
よく、「ニヤピン」と省力して言いますが、
これはNearest to the Pinの意味でピンに最も近いということです。

ゴルフの原理原則でニヤレストポイントを選ぶと言うことはできません。

但し、稀にニヤレストポイントの確認をすると、
2つ、もしくは複数のニヤレストポイントが等距離の場合があります。
この場合は、プレーヤーは選ぶことができます。

正しいニヤレストポイントは正しい救済エリアを示すことができます。

現在のルールでは、
ティーや人工物を基点として示すことは推奨されますが、絶対ではありません。
誤所からのプレーをしないためにも、正しいニヤレストポイントを取りましょう。


意外とニヤレストポイントを決める際、間違いやすいことは、
等距離の横は見えていても、後ろが見えていないケースです。

ホールに近づかない、と言うと、大体皆さんは等距離の横は思いつくのですが、
意外と真後ろが一番近かったりします。

救済を受ける際は、今一度周りを見回して決めることをお勧めします。

9月25日(土)
救済エリア解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

正しいニヤレストポイントを取った後、
気をつけて考えていただきたいのは、救済エリアです。

救済エリアを決めるときに、
プレーヤーに説明をして驚かれるのは、
救済エリアは半円であると言うことです。


プロの中でも、1/4のパイの形しかイメージしていない方もいて、
これは大変もったいないです。

例えば、異常なコース状態からの救済の場合、
ニヤレストポイントから1クラブレングスの救済エリアが存在するわけですが、
これは、基点から1クラブレングスの半円が救済エリアです。
半径1クラブレングス、直径は2クラブレングスになるのです。

この言い方をしてしまいますと、わかりづらいかもしれませんが、
今度は2クラブレングスの救済エリアの説明をしますと、
半径2クラブレングス、直径4クラブレングスの半円であると言うことです。

異常なコース状態から救済に話を戻しますと、これだけ大きな救済エリアですので、
もしかしたら、異常なコース状態をまたいで救済エリアが存在するかもしれません。

また、その救済エリアには同じ障害が残っている部分が存在する場合、
そこにはドロップ、またはプレーすることはできませんのでお気をつけ下さい。

あるトーナメントで、プレーヤーにそのことを説明した所、
「なぜレフェリーにドロップできるところとできないところを
決められなければならないのか」とキレられたことがあります。

これは正に、救済を受けている障害物からの
同じ障害が残っている部分が存在しているケースです。

救済エリアは2019年のルール改定後の新しいコンセプトです。

以前はドロップして地面に触れた箇所からホールに近づかない
2クラブレングス以内であった場合はインプレーとなっていましたが、
今は、基点から1クラブ、規則によっては2クラブの範囲に
球を正しくドロップして止まらなくてはなりません。

今のルールの方がとてもシンプルですね。
正しくルールを理解することは、プレーヤーに有利になる可能性があります。
今後のプレーに活かしていただければ嬉しいです。

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