楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2026年5月放送分楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2026年5月放送分

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5月2日(土)
「教えて!Nory」解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

【質問】

レッドペナルティーエリアのボールの処置について質問です。

ティーショットが、レッドペナルティーエリアの池に入りました。

最後に横切った地点は池に向かって岬のように突き出したところで、
近づくと、ペナルティーエリアの線は少し内側の地面に引かれており、
ボールが横切ったのは線と池の間のペナルティーエリアの地面であることがわかりました。

この場合、ボールはペナルティーエリア内の地面にドロップすることはできるのでしょうか。

それとも、手前に戻ってジェネラルエリアにドロップする必要があるのでしょうか?


【解説】

ご質問者様、ご質問ありがとうございます。

回答から申しますと、レッドペナルティーエリアにある球の救済処置を同じペナルティーエリア内にすることはできないので、
1罰打を加えてレッドペナルティーエリアを定める赤線を横切った地点を基点にラテラル救済か後方線上の救済、
またはストロークと距離の救済で直前のストロークを行った場所に戻ることができます。(規則17.1d)

また、ラテラル救済で球をドロップできる救済エリアや後方線上の救済の球をドロップできる線上は
そのペナルティーエリア以外のコースエリアならどこでも良いので、ジェネラルエリアにドロップすることができます。

ペナルティーエリアの縁は一般的に線や杭などで定められ、別途ローカルルールで定められていない限り、水際にはなりません。

ちなみに、何もマーキングがされていないコース上の池はレッドペナルティーエリアとして扱われ、
その縁は自然な限界によって定められます。

つまり、水を溜める窪みの傾斜が始まるところが縁になります。(定義:ペナルティーエリア)

ご参考にして頂けますと幸いです。

5月9日(土)
ローカルルールひな型E-3、プリファードライが採用された場合の救済エリアはスコアカードレングスに変更解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

ローカルルールひな型E-3プリファードライはその名のごとく、ライを選んで球をプレーすることができる規則です。

コースはあるがままにプレーすること球はあるがままにプレーすることは、
ゴルフゲームの原則ですが、その原則を以てしても委員会はプリファードライを採用することで
フェアプレーを可能にしたいと思う状況があります。


例えば、コースが大雪や長雨、猛暑などの悪条件の結果、異常なコース状態が広範囲に及び、
芝刈りの重機の使用を妨げコースを整備することが難しいとき
などです。

このようなコースの状態ではフェアウェイに止まった球もライが悪い場合があり、
それではアンフェアなので、プリファードライを採用します。


米PGAツアーは2026年からプリファードライを採用するときの救済エリアのサイズを
1クラブレングスからスコアカードレングスの約27.9cmに変更
しました。

その理由は、球からより近い救済にすることで、元の箇所と変わらないプレーの線が保証され、
1クラブレングスの救済エリアの場合よりもフェアなプレーが可能となるからです。

それに伴い、他の女子プロゴルフ団体はどうするのか聞き取りをしたところ、
LET(レディースヨーロピアンツアー)は既に数年前からスコアカードレングスを採用していました。

USLPGAは、各大会によってスコアカードの大きさが違うため、今年中に大きさを揃えて来季から採用を検討するとのことでした。

またJLPGAが共催試合を行う台湾のLPGAツアーも今年から採用ということで、
JLPGAもプリファードライを採用するときは、原則、救済エリアのサイズを大会のスコアカードレングスに変更することにしました。

ちなみに、JLPGAの大会スコアカードは25.7cmです。

プリファードライはプレーヤーの球の一部がジェネラルエリアのフェアウェイの長さかそれ以下に刈られた部分に触れている場合、
元の球か別の球を特定された救済エリアにプレースしてプレーすることができます。

その救済エリアは基点よりホールに近づかず、ジェネラルエリアでなければなりません。


今季の2戦目、台湾ホンハイレディースゴルフトーナメントの1ラウンドで
早速新しいサイズの救済エリアを用いてプリファードライが適用されました。

選手が処置を間違えないか心配でしたが、
スタートホールのフェアウェイで大会スコアカードを取り出して救済エリアを確認している姿を見て、
情報が浸透していると安心
しました。

皆様のクラブ競技でもプリファードライを採用する際に新しい救済エリアのサイズに変えてみるのも良いかもしれません。

5月16日(土)
「教えて!Nory」解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

【質問】

前回の第6回リスナーズコンペのラウンド中に、ダブル・ノーリーにも相談させて頂いたある事件について、
再度詳しく教えて頂きたく、メールさせて頂きました。

その事件とは、小雨が降る月例会のショートホールでの出来事です。

同伴者とともに1オンに成功したのですが、雨が降っていたこともあり、早くカートに戻りたい一心で、さっさとパットしたところ、
ボールがカップ付近に近づいたところで、後ろからもボールがカップに近づいて来たのです!

同伴者から、「危ない、ぶつかるー」との声。

まさかと思いましたが、なんと、2つのボールが動きながら、本当にぶつかってしまったのです。

2つのボールは、カップ付近で止まり、2人ともタップインでパーをセーブ。
「ラッキー!」と心の中で思っていました。

その後、雨降りのカートの中で、あるがままに打つのだから、パーで良いよねと会話したものの、
念のため、アテストエリアで確認したところ、2打罰とのこと。 大ショック。

その後、意気消沈していた帰りのフロントにて、
先ほどのペナルティー判定に修正が入り、1打罰になりましたとの報告を受けました。

しかし、その判定はダブル・ノーリーさんとの回答とは違っていたのでした。

正しいルール判定と処置の方法についてご教授頂きたく、宜しくお願いします。


【解説】

ご質問者様、ご質問ありがとうございます。

回答から申しますと、パッティンググリーンからパットしたお2人は罰なしに再プレーしなければならなかったのに、
そうしなかった違反による2罰打が課されます。
(規則11.1b(2))


パッティンググリーンからプレーされて動いている球がそのパッティンググリーン上で動いている
別の球に偶然に当たったことが分かっている、または事実上確実な場合、罰はなく、
パッティンググリーンからストロークが行われた箇所から元の球か別の球をプレーすることによって
そのストロークを再プレーしなければなりません。
(詳説11.1b(2)/1)

プレーヤーがストロークを再プレーしなければならないのに、再プレーをせずに球が止まった箇所からプレーした場合、
そのプレーヤーは一般の罰を受け、
ストロークはカウントします。

このように再プレーを要する処置違反は2023年からのルール変更により、同じ2罰打でも誤所からのプレーにはなりません。

なぜなら、誤所からのプレーには重大な違反となる可能性があり失格になり得るのですが、
ルール改訂によりそのリスクが回避されました。


このルールの大事なポイントで、
パッティンググリーンからストロークされた場合とグリーン外からストロークされた場合の処置は違います。

パッティンググリーンからストロークされて動いている球が
そのパッティンググリーン上の別の動いている球に当たった場合
は、罰なしに再プレーですが、
グリーンの外からアプローチした球がそのパッティンググリーン上の動いている球に当たっても、
止まった箇所からのプレー
になります。

少しややこしいですが、ご参考にして頂けますと幸いです。

5月23日(土)
アドバイス解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

同伴プレーヤーが「暫定球をプレーした方が良いよ」と別のプレーヤーに言った場合、
規則の違反となるアドバイスになるかという質問を、AIの導き出した解答が「違反になる」という情報を耳にしました。

これは規則に基づく答えとは異なっていて面白いと思い、この題材を取り上げました。

ゴルフ規則では、「暫定球をプレーした方が良いよ」のコメントはアドバイスの違反にはなりません。(定義:アドバイス)

アドバイスとはプレーヤーがクラブを選択する、ストロークを行う、ホールやラウンド中のプレーの方法を決定するときに、
そのプレーヤーに影響を及ぼすことを意図した口頭によるコメントや行為のことです。

そして、ラウンド中にプレーヤーは競技に参加しているコースでプレーしている人にアドバイスを与えたり、
プレーヤーのキャディー以外の人にアドバイスを求めてはなりません。
(規則10.2a)

また、情報を得るために他のプレーヤーの用具に触れることは違反となります。

「暫定球をプレーした方が良いよ」とは一見プレーする方法を教えているように思えるかもしれません。

しかし、暫定球とは時間節約のために球がペナルティーエリア以外の場所で
紛失した可能性がある場合アウトオブバウンズとなったかもしれない場合にプレーすることができる
プレーヤーの選択肢
であり、規則です。

規則などの公開されている情報はアドバイスにはなりません。


JLPGAの大会でもブラインドホールやラフが長くて球が紛失する可能性がある場合など
ボランティアがフォアキャディーをしてくださいます。

その時に、プレーヤーの球が見えなかった場合やアウトオブバウンズとなった場合には
青旗を振って暫定球を促します。

そのことからも、プレーヤーに暫定球をプレーしてもらうことは、規則の定義にもあるアドバイスにはならないことがわかります。


それでは、AIの答えは間違っていたのかと言うと、そうとも言い切れません。

暫定球のプレーを促すことは助言であることには間違いないからです。

しかし規則上のアドバイスにあたるかを問うのであれば、質問者はもっと具体的にAIに問う必要があります。

例えば、「暫定球をプレーした方が良いよ」というコメントはゴルフ規則の10.2aの違反になりますか?
とAIに聞くと、「違反にはなりません」という答えが返ってきます。

AIの発達により、ゴルフ規則もAIに尋ねればなんでも正しい答えがもらえると考える方も多いと思います。

しかし、質問の仕方が不十分だと間違った裁定をしてしまうかもしれませんので、AIを使用する場合はお気をつけ下さい。

5月30日(土)
プレーヤーが適用しない規則に基づいて処置した場合の裁定解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

2月のグリーンジャケットの放送で、
QPさんがタイの試合でアウトオブバウンズを定めるフェンスから誤って救済したエピソード

を覚えている方も多いと思います。

QPさんの事例を参考にプレーヤーが適用しない規則に基づいて処置した場合、
どのように裁定するのか解説します。



QPさんの球は、アウトオブバウンズを定めるフェンスの近くのインバウンズ側に止まりました。

そのフェンスを動かせない障害物だと思ったQPさんは、スイングの障害となっていたため、
罰なしの救済を受けるために球を拾い上げ、完全な救済のニヤレストポイントから
ホールに近づかない1クラブレングス以内の救済エリアに球をドロップしてプレーしました。

しかしその後、QPさんはフェンスがアウトオブバウンズを定める境界物だったことを知ります。

境界物は障害物と違い、球がその近くに止まったり、スイングの障害となっても罰なし救済が受けられません。

つまり、QPさんは適用できない規則で処置してきたことになります。



罰なしの救済が認められないのであれば、アンプレヤブルの球の1罰打を課せば良いのではないかと思うかもしれません。

しかし、アンプレヤブルの球の救済はプレーヤーに救済を受ける前にその処置を決めておくことを求めていますので、
委員会はそのプレーヤーの行動にアンプレヤブルの球(規則19)を適用することはできません。

そうした状況でプレーヤーに自分の球を拾い上げることを認める規則はありませんので、
インプレーの球を拾い上げて動かした1罰打(規則9.4b)とリプレースしなければならないのに、
リプレースせずに誤所からプレーした2罰打が課されますが、
この場合、誤所からのプレーに基づく一般の罰(2罰打)だけが課されます。(規則1.3c(4))


委員会はプレーヤーの行動に基づいて裁定を行うために、適用する規則を決める責任があります。
(プレーヤーに規則の支援を与える6C(8))

そのため、プレーヤーの全ての行動には意味があり、裁定する時には細かくプレーヤーの行動や意図を知る必要があります。

それ故にプレーヤーは正直であることが求められます。

プレーヤーが適用しない規則に基づいて処置した場合の裁定は、複雑なだけにレフェリーとしてはとても興味深い事例です。

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