楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2026年4月放送分楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2026年4月放送分

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4月4日(土)
「教えて!Nory」解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

【質問】

AT&Tペブルビーチプロアマの最終日、Jacob Bridgemanが18番ホールのセカンドショットを左に曲げ、
海岸から3打目を打ちましたが、岩に跳ね返って海に入りました。

同じ箇所から打つのかなと思ったら、2打目付近のフェアウェイから打ち直して、ボギーオンの1パットボギーとのこと。

そこで、この5打目の処置はどうなったのでしょうか?

砂浜から打った3打目よりホールに近づかないように後ろに下がったら海ですし、
アンプレヤブルでもあんなに後ろのフェアウェイまで戻れませんよね?


【解説】

ご質問者様、ご質問有難うございます。

ペブルビーチの18番ホールの左側は海辺でレッドペナルティーエリアとなっています。

ブリッジマンの2打目は、そのレッドペナルティーエリアの縁を横切って海岸の砂利に止まりました。

そこから3打目をプレーしましたが、7メートルの高い岩壁に跳ね返って海に入りました。

海からその球をプレーできないと判断し、
プレーヤーはセカンドショットでレッドペナルティーエリアの縁を最後に横切った地点と
ホールを結ぶ後方線上の処置をすることにしました。

これは規則17.2aの「ペナルティーエリアからプレーした球が同じペナルティーエリアに止まった場合」に該当し、
1罰打を課して行える救済処置の1つです。

球をドロップできる後方線上は、同じペナルティーエリア以外であれば、どのコースエリアでもよく、
後方ならばいくらでも後ろに下がることができます。


ブリッジマンは、バンカー越えの打ちやすいフェアウェイに球をドロップして5打目をプレーしました。

レッドペナルティーエリアに球がある場合、アンプレヤブルの救済はできません。(規則17.3)

あくまでペナルティーエリアの処置しか出来ませんので覚えて頂ければ幸いです。

4月11日(土)
マッチプレーのプレーの順番解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

昨年10月に韓国で開催されたHanwha Lifeplus International Crownは、
ロレックスランキングの上位7カ国と世界選抜の1チームと合わせて8チームの32選手が、
4日間に渡ってマッチプレーを開催しました。

最初の3日間はフォアボールマッチプレーの予選で、各チームが2人でペアを組み、
それぞれが自分の球をプレーして良い方のスコアをチームスコアとし、相手チームと対戦する競技です。


2日目、私は第14マッチのアメリカ対タイランドを担当し、このマッチに随行しながらルーリング対応に務めました。

アメリカは序盤から主導権を握り、ハーフを終えた時点で4アップとなりました。

そして11番ホール(パー4)で珍しいことが起こりました。

アメリカのコフリン選手以外の3人はパーオンならず、グリーン周りのアプローチ合戦となりました。

初めにタイの選手がグリーン左手前から見事なアプローチでホール近くに寄せ、コンシードされて「4」となりました。

次のプレーの順番は、もう1人のタイの選手のスワナプラ選手だったのですが、
パートナーがコンシードされて何を思ったのか、グリーン右奥にある自分の球を拾い上げてしまいます。

あたかもチームがパーセーブできて安心してしまったかのようでした。

しかしこのプレーヤーは次のショットをチップインすればチームスコアは「3」となり、
アメリカにプレッシャーを掛けられるチャンスでした。


このスワナプラの行動を見て驚いたのはアメリカチームでした。

まるで「えっ!?打たないんだ。まだチャンスあるのにプレーしないんだ」と言わんばかりです。

そしてアメリカのリリア・ヴ選手が3打目をプレーした時点で、スワナプラはそのホールを終える権利を放棄したことになり、
たとえ後から自らの過ちに気づいたとしても、元の位置からプレーすることができません。

これは詳説23.6/1の「サイドが最善と決めた順番でプレーする権利を放棄する」に記載されており、
「フォアボールマッチで、ホールから最も遠いサイドのプレーヤーがそのホールを終えないことにすると
そのサイドが述べたり、暗示した場合、そのプレーヤーはそのホールを終える権利を放棄したことになり、
そのサイドは相手がプレーした後にその決定を変えることはできない」
とあります。

スワナプラがラフに止まっている球を拾い上げる行為は、ホールアウトしないことを示唆しており、これに該当します。


また、たとえリリア・ヴがチッピングする前にスワナプラが自らの過ちに気づいて球をリプレースしてプレーしたとしても、
インプレーの球を拾い上げた1罰打を足さなければならず、そうすると次が4打目となりプレーする意味がありません。


結局、アメリカチームもこのホールを「4」で終えてそのホールをタイとし、16番ホールで3&2で勝利しました。

タイチームはマッチの前半4ホールで4ダウンとされ、終始劣勢に立たされて焦ったのか、
ホールを勝つことよりも、何とか引き分けにという守りの気持ちが強くなって、球を拾い上げる行動に至ったのかもしれません。


フォアボールマッチプレーは、通常の個人ストロークプレーと違い、
様々な駆け引きやプレーの順番1つ取っても特殊なルールがあります。

アメリカはジュニアやアマチュアの大会で多くのマッチプレーが開催され、欧州とのソルハイムカップも隔年あります。

これらを多く経験している選手とそうでない選手とでは、心理戦や駆け引きの面で明らかに差が出てくると思いました。

4月18日(土)
ローカルルールひな型F-2.3のくい込んだ球の救済の拡大解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

今年の1月1日にR&AとUSGAより新たなローカルルールが発表され、
そのうちの1つがくい込んだ球の救済の拡大についてです。

これは発表されたと同時にほとんどの主要ゴルフ団体が新たにハードカードに加え、JLPGAも同じく取り入れました。


このローカルルールは、ジェネラルルールの規則16.3aに基づいてくい込んだ球の救済が認められる場合に加えて、
「フェアウェイの芝の高さかそれ以下に刈り込まれたジェネラルエリアにある、
何らかの方法で修復されておらず、誰かしらのピッチマークの中に、
プレーヤーの球の一部が地面の高さよりも下にあることが分かっている、
または事実上確実であるとレフェリーが判断した場合、そのプレーヤーは罰なしの救済を受けることができる」

というものです。


そもそもこのローカルルールができた経緯に、2023年でのゴルフ規則会議があります。

会議でこのくい込んだ球に関する改訂案が挙げられ、3年を経て承認されたことになります。

提案したのは、ヨーロピアンツアーで40年以上レフェリーを務めたアンディー・マクフィーさんで、
ある大会で優勝争いしていた同組の2人の選手がティーショットしたところ、
1人は自身のピッチマークにくい込んだので、罰なし救済を認めたものの、
もう1人は同じフェアウェイの他のプレーヤーのピッチマークに入ったという理由で救済を認めなかったエピソードを話しました。

球はあるがままにプレーするというゴルフの原則は理解しつつも、同じ状況下で片方だけが球を拾い上げて拭き、
ドロップできるのはアンフェアだと思ったと当時を振り返りながらお話されてました。

この改訂案は最終選考まで残り、会議に出席していた約50名のレフェリーの過半数が賛成票を入れました。

その後は主にR&AとUSGAで、改訂に対するインパクトや他の規則との兼ね合いなど多くの議論を重ねたと想像します。


そして決まった内容が、他のプレーヤーのピッチマークに入った場合は、
フェアウェイの芝の高さかそれ以下に刈り込まれていることを条件
としました。

更には、他人のピッチマークに入った場合、そのピッチマークが修復されていたら救済はありません。

これは例えば、メンテナンス作業でフェアウェイ刈りが通過した後は修復されたとみなされます。

また完全に平らに直されていなくても、誰かによって足やクラブで押し戻されたり、
ティーなどの器具を使って修復を試みた形跡があれば救済は認められません。


このような条件付きのローカルルールですが、実際にこのルーリングに立ち会うことになるのか見守りたいと思います。

4月25日(土)
ローリー・マキロイのティーショットが女性ギャラリーの膝の上に止まる解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

2023年のワールドツアーチャンピオンシップ in ドバイの1ラウンド目。

211ヤードある13番ホール(パー3)で、マキロイのティーショットが右に逸れてしまい、
ツーバウンドでギャラリーロープの外の芝に座って観戦していた女性の膝の上に止まりました。



現場に到着したマキロイは冗談で、膝に乗っている球をそのままプレーするそぶりをしてギャラリーを和ませていましたが、
実際にその球をプレーした場合は違反となります。

規則11.1bには、「球をプレーしなければならない場所」について明記されており、
パッティンググリーン以外の場所からプレーされて動いている球が、
偶然に人に当たった場合は、その球をあるがままにプレーしなければいけませんが、
その球が人の上に止まった場合は、あるがままにプレーしてはならず、
必ず救済を受けなければならない
とあります。

万が一、そのまま膝の上からプレーした場合は、2罰打が課され、その球でプレーを続けることになります。


この救済方法は、球がパッティンググリーン以外の場所にいる人の上に球が止まっている場合、
その球の真下が基点
となり、その基点からホールに近づかないワンクラブレングス以内に球をドロップとなります。

今回、このギャラリーはラフに座っており、ジェネラルエリアにいるので、この処置を取りました。

因みにパッティンググリーンで人の上に止まった場合は、その球の真下にプレースとなります。

両方とも稀にしか起こらないケースですが、ギャラリーや関係者が多くいる大会では、年に1度あるかないかで呼ばれます。

私が立ち会ったケースでは、プレーヤーのティーショットの球がTVクルーの背中とナップサックの間に挟まった状態で止まったり、
木の下であぐらをかいて座っていた女の子の膝の上に止まったことがあります。

いずれのケースも処置する際に正しい基点を取るため、
球が止まった時からプレーヤーが到着するまで動かずに待っていなければならないので、少しの辛抱が必要です。

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