楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2026年7月放送分楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2026年7月放送分

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7月4日(土)
マナーの厳格化解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

今年のマスターズトーナメントの最終日、
歴代優勝者のセルヒオ・ガルシア選手が2番ホールのティーショットのミスショットに激怒し、クラブをティー面に強く叩きつけ、
芝生に深い損傷を与えたうえに、ベンチの脚でシャフトを叩き折る行為が行動規範の違反とみなされ、
マスターズトーナメント競技委員長のジェフ・ヤング氏より警告されました。


この事態が発端となり、プレーヤーのマナーの厳格化がニュースになりました。

今年から新たにマスターズ委員会や全米プロ選手権を主導するPGAofAmericaは
メジャー大会に出場する選手達に対してプロフェッショナルとして求められる行動規範を設け、
違反に対する罰を段階的に定めました。

全米プロ選手権では、プロフェッショナルとして相応しくない言動や振る舞いなど禁止事項の例が14掲げられ、
1度目の違反は「警告」、大会中に2度目の違反は2罰打、さらに3度目は「失格」です。


このように委員会は、規則1.2aにある「すべてのプレーヤーに期待される行動」の違反に対して、
別途、規則1.2bで扱われる行動規範を独自に定めることができます。

委員会が独自に定めていなかった場合、規則1.2aの違反に課せる唯一の罰は失格です。(セクション5I)

ちなみに、規則1.2aには「重大な非行」とみなされる可能性のある行為が記載されており、
その中にはパッティンググリーンへ深刻な損傷を故意に与えることや不快な言葉遣いを繰り返すなどがあります。(詳説1.2a/1)


JLPGAも今シーズンより選手の行動規範を定めました。

コースの保護をしなかったり他のプレーヤーやレフェリー、大会関係者やギャラリーに失礼な態度をとったりすると違反と定め、
1回目の違反は警告、2回目は1罰打、3回目は2罰打、
4回目の違反や重大な非行と見做される行為は1回目でも失格
としました。


今季よりハードカードに行動規範を加えた理由に、
ここ最近、競技中に帯同キャディーのレフェリーや大会関係者に対する言動がきつく、暴言とも取れる事例があったからです。

言われた側はとても傷つき、精神科医を受診したケースや、訴訟の寸前まで行ったものもあります。

キャディーの暴言は、雇ったプレーヤーに責任があります。

この行動規範を定めることで罰が段階的に課され、違反があったときに対応しやすくなりました。

クラブ競技や一般的なプレーにもローカルルールで行動規範の違反を罰するために
委員会が選択できる罰の段階のひな型の例がオフィシャルガイドのセクション5I(4)に載っていますので、
ご参考にして頂けますと幸いです。

7月11日(土)
「教えて!Nory」解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

【質問】

先日行われたワールドレディスチャンピオンシップサロンパスカップ2日目、
15番、98ヤードのショートホールでアマチュアのオ・スミンさんは、
グリーン奥に外したのですが、アプローチを打つ前に、ボールの落とし所をクラブヘッドでトントンした後、
そこからボールのある位置までクラブでラインをなぞっていました。

これはライの改善にあたりませんでしょうか?

ちなみに3日目に現地観戦したのですが、15番グリーン奥のライは短く刈り揃えられており、
軽くトントンしたくらいでは跡はつかないようでしたが。

よろしくお願いします。


【解説】

ご質問者様、ご質問ありがとうございます。

問題となったオ・スミン選手の行動を委員会は映像で確認し、
3日目の朝のスタート前に現場検証を行い、本人に事情聴取をしました。

委員会は15番グリーン横のフェアウェイの長さに刈り揃えられた芝の上でオ・スミン選手が無意識に行った行為を再現しました。

彼女は10ヤードほどのアプローチショットを行うのに、
球の落とし所となるパッティンググリーン近くのカラーにポンとクラブヘッドを落とし
ヘッドのエッジで芝を掻くように引きずってプレーの線をなぞっていました。


その行為に委員会は2つの違反の可能性を考えました。

1つ目は規則10.2b(3)の目標を定めるときに援助となる行為の違反です。

この規則は「物を置く」ことによって
目標を定める、スタンスをとる、スイングすることを援助してはならないと定めているのですが、
それと同様の目的のために砂や露に印をつけることも違反になります。

そのため、プレーの線上にクラブヘッドを引きずることによって芝が逆立ち、
線のような跡が残ったのであればこの規則の違反になります。

ところが、ご質問者様が仰った通り、
現場は芝が短く刈り揃えられていたため、引きずる程度の力では跡が残りませんでした。


2つ目は規則8.1aの
認められていないのにストロークに影響を及ぼす状態を改善するプレーヤーの行動の違反です。

このケースでは、規則8.1aの違反の中でも(1)のプレーの線上の芝を動かし、
曲げた違反と(3)のプレーの線上の地面を変えた違反の可能性がありました。

映像を確認したところ、地面を変えようと「トントン」しているというよりも、ここに落とそうとポンとヘッドを落としたように見え、
本人に確認しても地面を変える意図は全く無かったとのことでした。

また、クラブヘッドを引きずったことによって芝を曲げた違反については、芝が短く刈られていたため、
改善したとみなされるほどではないと委員会は判断しました。

全てを考慮した上で委員会は罰なしと裁定しましたが、
選手本人には今後の行動に気を付けるように注意しました。

皆さんも規則を理解した上で、疑わしい行為には気を付けましょう。

7月18日(土)
「教えて!Nory」解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

【質問】

いつも楽しい番組ありがとうございます。

グリーンジャケットの良心とも言える「教えてノーリー」のコーナー大好きです。

ショットしたボールがカート道横の側溝に入ってしまいました。

この場合の処置としてニヤレストポイントをカート道に取り、そこから1クラブレングス以内(カート道の幅以内)にドロップ、
カート道で跳ねるので2回ドロップし、2回目とも跳ねるので落下した箇所(カート道の上)にプレース。

そこから改めてカート道の救済を受けラフ側にドロップという処置でよろしいでしょうか?

ご教示いただけたら幸いです。よろしくお願い申し上げます。


【解説】

ご質問者様、ご質問ありがとうございます。

日本のゴルフ場の多くにカート道に隣接した側溝がありますね。

U字型などの側溝はカート道とは別の動かせない障害物になるため、
ゴルフ場のローカルルールにその2つの隣接した障害物が1つのものであることが定められていない限り、
ご質問者様がカート道と排水溝を別々に救済した処置は正しいです。


JLPGAのローカルルールには、人工の表面をもつ道路に接している排水溝、縁石、枕木、ゴムマットなどは、
その道路の一部とみなすと定めています。

そのため、2つ別々の障害物を1つの物と扱って一度に救済することができます。


昨年のTOTO Japan ClassicではUSLPGAツアーの追加ローカルルールには、
カート道に隣接する、あるいはワンクラブレングス以内の全ての排水溝、電磁誘導カート用のレール、
および/またはフェンスは、1つの障害物とみなしていました。

このように、救済処置が複雑になりやすい複数の障害物が近くにあるゴルフ場では
ローカルルールでそのような障害物を1つの物とみなすことがお勧め
です。

しかし、状況によっては別々にしておいた方がより好ましい救済箇所になる場合もありますので、
この推奨が全ての状況に当てはまるわけではありませんのでご留意ください。

7月25日(土)
スコア提出後の15分ルール解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

ほぼ全てのプロゴルフ団体が採用しているスコアカード誤記による失格や罰を無くすための15分猶予制度は、
楽天GORAの2024年11月23日にも取り上げた題材です。

この制度は、スコアカードに誤りがあるプレーヤーが委員会の定める時間、
例えばスコアカードが受理された時やアテストエリアを退出した時などから
15分以内にそのスコアカードの誤りを罰なしに訂正できるルール
です。

実際にこの制度で救われた選手が今年のCTBCレディスオープンでいましたのでご紹介します。


CTBCレディスオープンはTLPGA(台湾女子プロゴルフ協会)のローカルルールを適用しており、
TLPGAは昨年からこの15分ルールを採用していました。

1ラウンドは大雨からの霧で悪天候だったため、スタートが2時間遅れました。

そんな状況の中、あるプレーヤーはラウンドを終え、スコアカードが17:58に受理されました。

この時間はパソコンのボタンが押下おうかされた時間のため、選手達には特に知らせていません。

ちなみに、TLPGAのローカルルールには、
スコアカードが受理されてから15分後にそのスコアカードは提出されたものとすると記載されています。

つまり、17:58に受理されたスコアカードは、18時13分59秒まではスコアカードの誤りを罰なしに訂正することができます。


そのプレーヤーはクラブハウス外にあったアテストエリアを出て、スコア速報を見たところ、
17番ホールのスコアが間違っていることに気付きました。

ボギーの5でスコアカードを提出したはずなのに、スコア速報に4と記載されていました。

台湾での試合ですし、言葉の壁で速報の方の聞き間違いだろうと安易に思っていたそうです。

それでも不審に思った選手は、クラブハウス内のJLPGA競技委員ルームに入り状況を説明しました。

プレーヤーは「今ラウンドが終わったばかりです」と言い、私は安心して時計を見たら、その時点で18:10。

クラブハウス外のアテストエリアに戻った時点で18:14でした。


そしてアテストエリアの担当者にスコアカードを見せて欲しいとお願いし、改めて確認したところ、
17番ホールのスコアは「5」ではなく、誤って「4」と書かれていました。

プレーヤー本人はその事実に驚き、委員会も15分ルールが初めて適用されるとのことで、
事が起こった正確な時間を慎重に調べ始めました。

そしてスコアカードが受理された時間は17:58。

プレーヤーが競技委員に話しかけた時間は18:10だったため、スコアカードが受理されてから15分以内と判断できたのですが、
アテストエリアに到着した時間は18:14で、1分遅れたことになります。

そこで、TLPGAの競技委員長をアテストエリアに呼んでTLPGAの15分間のルールの適用方法を確認しました。

するとTLPGAの規定には、スコアカードは受理されてから15分後に提出されたものとするとしか書かれておらず、
どの時点で15分の時計が止まるのかは明記されていませんでした。

そのため、プレーヤーがスコアカードの誤りを競技委員に伝えた時点で15分の時計が止まり、
誤りを訂正できるということで過少申告による失格を免れることができました。

ちなみに、今年からJLPGAもこの制度を採用していますが、
スコアカードに誤りがあると気づいた選手はその15分間以内にアテストエリアに戻らなくてはならないと記載しています。

それ故、スコアカードに誤りがあると思った場合は直ちにアテストエリアに戻り競技委員を要請しましょう。

これはどのプロゴルフ団体の試合でも同じですので、出場するプレーヤーは覚えておくと良いです。

また、アマチュア競技でもこの制度を採用する場合はご参考にしていただけますと幸いです。

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