内藤雄士のお悩み解決!第28回・ラウンド中に次々とアドバイスをしてくる教え魔をかわす方法
Q・年上の上手な人が何かとアドバイスをしてきて、自分のプレーに集中できません。教え魔をかわす対策は何かありませんか?
A・アドバイスの中でピンとくるものがあったら、1つだけ試してみて、「今のアドバイス最高でした」とお礼をいえば、その話ばかりになると思います。
上手な人がアドバイスをしたくなるのは「親切心」
人に教えるのが大好きな教え魔のかわし方について内藤さんに聞いたところ、「これは難しいですね」といいながらも、次のようなアドバイスをしてくれた。
「ラウンドの雰囲気を悪くしたくないということでしょうから、まずはその方がアドバイスをしてくれたことに対して、やるかやらないかは別として、話はきちんと聞くことが大事でしょうね。アドバイスをしてくるというのは親切心ですから、『あなたの話は聞いていないんですけど』という雰囲気を出してしまうと、大変なことになると思います」
「親切心」を満たしてあげることが解決の糸口
ただ、教え魔の話はきちんと聞きながらも、すべてのことに従う必要はないという。
「いわれたことをすべてやっていたら、たぶんスイングがぐちゃぐちゃになると思うので、自分のスイングのチェックポイントを把握しているのであれば、そちらを優先すべきです。その結果、『さっきアドバイスしたことができていなかった』ということになった場合、『やっていたつもりなんですけどね』といって、切り抜けるしかありません。そうすると、『こいつオレが何をいっても、まだわかっていないな』ということになり、次の一手が続くことになります。この流れを止めるためには、アドバイスの中でピンとくるものが1つでもあれば、それをやってみて『今のアドバイス最高でした!』と、こちらからいうことです。そうすれば、その話ばかりになると思います」
要するに、親切心が伝わったということを表明することによって、相手の欲求を満たしてあげるわけだ。
「私自身は、こういう仕事をやっていますが、ラウンド中にアドバイスはあまりしたくないです。せっかく楽しそうに回っている人に、『今、こうなっていましたよ』といっても、余計なお世話ってこともあるじゃないですか。でも、アドバイスをしたがる人って実際にいますよね。そういう方と一緒になった場合、いくつかのアドバイスを聞いた中で、ピンとくるものをどれか1つ選んで、『今のアドバイスよかったです。すごくタメになりました』とこっちからいうことで、その先のラウンドが楽になると思います」
教えてくれた人: 内藤雄士(ないとう・ゆうじ)さん
1969年9月18日生まれ、東京都出身。日本大学ゴルフ部在籍中に米国にゴルフ留学し、最新ゴルフ理論を学ぶ。1998年にツアープロコーチとしての活動を始め、丸山茂樹プロの米ツアー3勝をサポートした。東京都杉並区にあるゴルフ練習場『ハイランドセンター』の代表取締役も務めている。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀人 撮影協力/ハイランドセンター
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