Ｑ・レッスンに通い始めて４年になります。練習ではいいボールが出るのですが、スコアは105前後で足踏みしています。レッスンプロとの相性が悪いのでしょうか？

Ａ・「練習場ではうまく打てるけど、コースだとなかなかスコアが縮まらない」とレッスンプロに伝えて、「何をしたらいいのでしょうか？」と聞いてみてはどうでしょうか？

いいスイングといいスコアは、必ずしも直結しない

練習ではいいボールが出るようになったけど、それがスコアアップにつながらないという悩みに対して、内藤さんは前提として次のような話をしてくれた。

「スイングがよくなったからといって、スコアがよくなるかといったら、極端にいえば全然関係ありません。いいスイングになり、いいボールが打てるようになっても、コースマネジメントに問題があれば、なかなかスコアが縮まらないことはあるでしょう。それを前提としたうえで、レッスンプロとの相性が悪いかどうかと聞かれたら、それは人間同士の話なので、相性が合わないこともあると思います。例えばマッサージで、超一流の評価を得ている人でも、ある人にとっては全然合わないというケースもあると聞きます。ゴルフのレッスンプロの場合、超一流になってくると、生徒さんのスイングの悩みを瞬時に把握して、その人に合わせたアプローチをしますから、相性が合わないケースは少なくなっていくと思いますが、そのレッスンプロに教え方のこだわりみたいなものがあって、どの生徒さんに対しても同じような教え方をされる方だとしたら、合う人と合わない人が出てくると思います」

悩みを打ち明けて、納得できる答えが返ってくるか聞いてみては？

そして内藤さんは、次のようにアドバイスを続ける。

「このケースの場合、まずは単刀直入に『練習場ではうまく打てるんですけど、コースではなかなかスコアが縮まらないんです。何をしたらいいでしょうか？』とレッスンプロに聞いてみてはどうでしょうか？　その質問に対する答えが納得できるものであれば、習い続ければいいですし、納得できないのであれば、他の人に習ってみるという選択肢もあると思います」

それに加えて、内藤さんは次の点も指摘する。

「レッスンに通い始めて４年とありますが、そのレッスンがグループレッスンなのか、パーソナルレッスンなのかによっても、上達の度合いが異なる可能性があります。グループレッスンの場合、なかなか踏み込んだ話はできませんから、あとは自分の努力みたいなところもあります。グループレッスンで習ったヒントを元に、自分で練習することが大切になります。１回のレッスンにつき１回の練習をするというペースであれば、効果が上がると思います」

ラウンドレッスンを受けてみるのもオススメ

また、いいスイングになり、いいボールが打てるようになっても、スコアが縮まらない場合、コースマネジメントに問題があることが多いという。

「例えば、アマチュアの方はティーショットがゴワゴワのラフに入っても、２打目はウッドだと思い込んでいるから、５番ウッドで打とうとします。それを見て『いやいや、それ、タイガー・ウッズでも出ませんよ』と思うことがあります（笑）。また、各番手のキャリーの距離とランを含めた距離を把握していない人が多いですから、クラブ選択に問題があるケースもあります。だから、この方がラウンドレッスンを受けたことがあるかどうかも聞いてみたいですね。受けたことがないのであれば、ラウンドレッスンによってスコアがすぐに10打ぐらい縮まるケースもあると思います」

せっかく４年も習っているのだから、内藤さんのアドバイスをきっかけにスコアアップにつなげてほしいところだ。

回答してくれた人：　内藤雄士（ないとう・ゆうじ）さん

1969年9月18日生まれ、東京都出身。日本大学ゴルフ部在籍中に米国にゴルフ留学し、最新ゴルフ理論を学ぶ。1998年にツアープロコーチとしての活動を始め、丸山茂樹プロの米ツアー３勝をサポートした。東京都杉並区にあるゴルフ練習場「ハイランドセンター」の代表取締役も務めている。
構成／保井友秀（ゴルフライター）　撮影／斉藤秀人　撮影協力／ハイランドセンター

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