内藤雄士のお悩み解決!第6回・ゴルフを始めたばかりでスライスしか出ない
Q・ゴルフを始めたばかりでスライスしか出ません。どうしたら直りますか?
A・左手をグリップエンドに近い位置で握り、右手をシャフトに近い位置で握ったアドレス時の位置関係をインパクト時も再現することを意識してください。
振り遅れかスイング軌道か?まずは原因を知ろう!
ゴルフを始めたばかりだと、ボールを真っすぐに飛ばそうとしても右にしか飛ばず、悩むケースは多い。何とか真っすぐに打ちたいが、どうすればいいのだろうか。
このような悩みに対して、内藤さんは次のようなアドバイスを送る。
「まず前提として、ゴルフを始めたばかりの人は、ボールがつかまらないケースが多いです。それには理由があって、ゴルフクラブはヘッドの真ん中にシャフトがついているわけじゃないから、ボールがフェースに当たった瞬間、フェースが開きやすくなる“オープン特性”というものがあるからです。しかも今のクラブはシャフトが長いですから、どうしても振り遅れて、フェースがさらに開いた状態になりやすいのです。この状態でクラブがボールに当たると、ボールは右に出て、さらに右に行く球になります。これはスライスというよりも、振り遅れのフェースが開いている状態で当たっているというだけの話です。スイングがアウトサイドインのカット軌道になっていることが原因のスライスであれば、左に飛んでから右に曲がりますから、これとはだいぶ違う現象です」
――なるほど。
「そのことを踏まえて話をさせてもらうと、振り遅れのフェースが開いている状態を解消するためには、左手をグリップエンドに近い位置で握り、右手をシャフトに近い位置で握ったアドレス時の位置関係をインパクト時も再現することを意識してください。振り遅れのフェースが開いている状態のとき、左手と右手の位置関係がちぐはぐになっています。その位置関係を元に戻すことで、フェースが真っすぐになります。そうすればボールが真っすぐに飛ぶ確率が高まります」
加えて内藤さんは、すべてのスライスが悪いわけでもないと語る。
「スイングがアウトサイドインのカット軌道でも、ボールがつかまえられているスライスであれば、そんなに悪いことではないと思います。バンカーショットやアプローチショット、パッティングはむしろカット軌道のほうがいいですから、ショートゲームにつながってくるという意味では、カット軌道のほうがいいとも言えます。カット軌道と振り遅れ&フェース開きがダブルで発生すると問題ですが、カット軌道だけであればそれほど気にしなくて大丈夫です」
回答してくれた人: 内藤雄士(ないとう・ゆうじ)さん
1969年9月18日生まれ、東京都出身。日本大学ゴルフ部在籍中に米国にゴルフ留学し、最新ゴルフ理論を学ぶ。1998年にツアープロコーチとしての活動を始め、丸山茂樹プロの米ツアー3勝をサポートした。東京都杉並区にあるゴルフ練習場『ハイランドセンター』の代表取締役も務めている。
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