内藤雄士のお悩み解決!第25回・ゴルフが上手だった昔の状態に戻すにはどうしたらいいか?
Q・若い頃はハンディキャップ0まで行ったのですが、しばらくゴルフから離れて、最近になって再開したところ、100を切れない状態になっていました。どうすれば昔のように打てるようになりますか。
A・今のスイングを1回リセットすることをオススメします。両足をそろえて、腰と肩のラインをまっすぐに合わせた状態で打つ練習から再開すれば、結果的に回復スピードははるかに早いと思います。
イメージと現実のギャップに苦しんでいる状態
内藤さんにこの質問をぶつけたところ、「ぼくも同じような経験をしたことがありますよ」と笑顔で答えてくれた。
「米国でのゴルフ留学から帰ってきた後、(練習場経営の)仕事の勉強などで1年間ぐらいクラブをほとんど持たなかったんですよ。その状態で久々にゴルフへ行ったら、今まで当たったことがないようなところにボールが当たったりするんです(笑)。頭の中にはいいときのイメージが残っているけど、体の動きは全然イメージどおりではない。そのギャップに苦しむんです」
今の動きを直すよりも、ゼロからスイングを作り直したほうがいい
そして、このような状態から脱却するコツは、スイングを1回リセットすることだという。
「昔のスイングに戻すという意識は捨てたほうがいいです。今のスイングは自分の体が自分の思いどおりに動いていない状態です。その状態で動きの一つ一つを直そうとしても、悪い動きが直ったら別の悪い動きが出て、モグラたたきみたいでキリがないんですよ。それよりも、昔うまかったんだったら、覚えていることが多いはずだから、絶対に元に戻れるはず。そのためには、今のスイングを1回リセットしたほうが、結果的に回復スピードが早いはずです」
両足をそろえて打つ練習から始めるのがオススメ
では、「1回リセットする」にはどうしたらいいのか。
「両足をそろえて、腰と肩のラインを真っすぐに合わせた状態で打つんです。ゴルフの悪い動きというのは、足がバタバタと動いたり、上体が早く開いたり、そういう無駄な動きがスイングの邪魔をするケースがほとんどです。ですから、そういう動きを一切排除します。両足をそろえて、体の正面でグリップして、右にも左にも動かないようにベタ足のまま体の回転だけでボールを打ちます。このとき、顔を一緒に動かすと体の開きになってしまうので、顔も真っすぐ下を向いたままです。このスイングで徹底的に練習します。そして完璧にできるようになったと思ったら、少しずつスタンスを広げていきます。そうやってスイングを再構築したほうが、結果的に回復スピードははるかに早いと思います」
自分の思いどおりのスイングができていないということは、“型が崩れている”ということ。型が崩れているのであれば、もう1度“型にはめる”作業が必要ということだ。
回答してくれた人: 内藤雄士(ないとう・ゆうじ)さん
1969年9月18日生まれ、東京都出身。日本大学ゴルフ部在籍中に米国にゴルフ留学し、最新ゴルフ理論を学ぶ。1998年にツアープロコーチとしての活動を始め、丸山茂樹プロの米ツアー3勝をサポートした。東京都杉並区にあるゴルフ練習場『ハイランドセンター』の代表取締役も務めている。
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