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QP関雅史のギア分析!第17回・初心者がはまりがちなユーティリティーのシャフト選びの落とし穴

QP関雅史のギア分析!第17回・初心者がはまりがちなユーティリティーのシャフト選びの落とし穴

打つのは易しくても意外と選び方が難しいユーティリティー。選択を誤れば、せっかくのお助けクラブも持て余してしまうことになる。ドライバーやアイアンセットと比べて値段が安く、1本ずつなら気軽に買えるので手を出しやすいが、それだけに安易に選んでしまいがち。シャフトや重量にも気を配って失敗のないようにしたいものだ。

選ぶべきシャフトはヘッドによって変わる

市販されているフェアウェイウッドのシャフトは、カスタムでスチールを選ばない限りは、すべてカーボンだが、ユーティリティーの場合はプロパー品でもカーボンかスチールを選択できることが多い。体力に自信のある人は重めのスチール、自信のない人は軽めのカーボンを選んだらいいのかといえば、それほど単純ではない。まず、ヘッドの形状がウッドタイプかアイアンタイプかで分けて考える必要があると説くのは関プロだ。

「ウッドタイプとアイアンタイプでは、基本的に想定されている打ち方が違います。したがって選ぶべきシャフトも変わってきます。ウッドタイプはヘッド自体が払い打つイメージで作られています。したがって、シャフトも払い打ちしやすいもの、しなりを感じながらスイングできるカーボンが適しています。一方、アイアンタイプは、最初からスチールシャフトが標準装着されているモデルが多いことからも分かるように、やさしいロングアイアンとして使われることを前提にして設計されています。したがって、アイアンと同じように振るためには、アイアンがスチールならスチール、カーボンならカーボンを選ぶことが基本です」

フェアウェイウッド、ユーティリティー、アイアンで重量の階段を作ろう

まずはヘッド形状に注目して、シャフトを選択するのが大前提となる。ただし、単純にそれだけではすまされないのが、ユーティリティーのシャフト選びの難しいところだ。

「アイアンがスチールでも、アイアンタイプのユーティリティーにカーボンを選べば、長いクラブでも振り抜きやすく、球も上がりやすくなります。ただし、アイアンがカーボンでユーティリティーがスチールという選択肢はまずあり得ません」

その理由は、クラブ重量にあると関プロ。

「全部のクラブの振り心地をそろえるためには、ドライバーからウェッジまで短い番手ほど重くなるように重さの階段を作る必要があります。ユーティリティーがアイアンよりも重くなったり、ユーティリティーがフェアウェイウッドよりも軽くなったりという逆転現象は絶対に避けなければなりません。アイアンがカーボンならユーティリティーもカーボン。アイアンがスチールなら、アイアンと同じシャフトにするか、若干軽いものを選ぶといいでしょう。たとえばアイアンが<ダイナミックゴールド>ならユーティリティーは90グラム台の軽量スチールといった具合です」

どれくらいの重量差を作ればいいのか具体的に教えてもらった。

「考え方としては、アイアンから流れを作るやり方、フェアウェイウッドから流れを作るやり方、アイアンとフェアウェイウッドの中間をとるやり方の3つがあります。アイアンが得意でアイアンタイプを選ぶ人はアイアンからの流れ、ウッドが得意でウッドタイプを選ぶ人はフェアウェイウッドからの流れを作るのが無難でしょう。具体的には番手間の重量差を7グラムから12グラムに収まるようにするのが理想です」

いろいろな状況で使い勝手のいい万能クラブだが、14本の中の1本であることに変わりはない。他の番手とのバランスを考えて選べば、もっともっと活躍してくれるはずだ。

構成/吉田宏昭(ゴルフライター) 撮影/鈴木祥
撮影協力/ゴルフフィールズ

教えてくれた人: 関雅史(せき・まさし)プロ

1974年9月28日生まれ、PGA公認A級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ1万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。

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