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QP関雅史のギア分析!第12回・上級者だけが知っている距離感の合うパターの選び方

QP関雅史のギア分析!第12回・上級者だけが知っている距離感の合うパターの選び方

パットがうまいか下手かというと、どうしても入ったかどうかだけに注意がいきがちだ。18ホール必ずグリーンがあり、チップインを除けば必ずパットをすることから、仮に入らなくてもカップの近くに寄せられることが平均パット数を減らすことにつながる。

その際に重視されるのは、実は方向性よりも距離感。その距離感もパター選びによって劇的に変化することがある。クラブフィッターの関雅史プロにコツを訊いた。

重いパターほどオートマチック

いまどきのパターは総じて重くなっている。以前と比べてグリーンが速くなったことがその理由。つまり、速いグリーンには重いパター、遅いグリーンには軽いパターが合うということである。

「重いグリーンや高麗グリーンに軽めのパターが合うのは、自分でたたかないとボールが転がらないからです。また、インパクトの強弱を自分で作れるので、感覚で距離を調整したい人に向いています。一方、速いグリーンに重いパターが適しているのは、ゆっくり振れるので打ちすぎて転がってしまうことが少ないから。こちらはストローク中にヘッドスピードが変化しにくいので、振り幅でオートマチックに打ちたい人に向いています。ただ、一度ストロークを始めると、あとはヘッドが勝手に動いてしまうので距離感の調整が難しいともいえます。これから自分のストロークを固めていきたいと考えている人は、あまり重すぎず、ある程度自分で強弱をコントロールできるものを選んだほうが距離感を養えると思います」

グリップや素材は距離感に影響するのか

装着されているグリップの種類によっても距離感は変わる。

「最近はやりの太グリップも打ちすぎ防止に効果があります。手首がロックされるのでインパクトでパンチが入らないからです。太グリップと重めの大型マレットと組み合わせて相乗効果を狙っているパターも多くあります。また、パターはシャフトを選べないので、ロンググリップをパターの重量を上げるために使っているプロもいます。逆に自分で距離を調整したい人に向いているのは、手首が自由に使える細身のグリップです」

最後に、ヘッドの素材やフェースインサートは距離感に影響を及ぼすのだろうか。

「軟鉄やステンレスなどソリッドな素材は、当たりの強さを自分で判断しやすく、距離が調整しやすいという人もいます。フェースインサートには、打感というよりフェースを軽くして重量をトゥとヒールに分散させるメリットのほうが大きいと思います。したがって、方向性を重視したい人に向いているといえます。ただ同じパターを使っても感じ方は人それぞれなので、いろいろと打ち比べて自分にとって距離感が合うものを選ぶことが大事です」

ショートが多かったり、オーバーが多かったり、タッチが合いづらい人はヘッドの形状だけでなく、重さ、グリップ、素材といった細かい部分を見直してみよう。ツアープロだけでなく、シングルプレーヤーはグリップを交換したりパターにはかなり工夫をこらしている。案外そこを研究してみるだけで3パットは減るかもしれない。

教えてくれた人: 関雅史(せき・まさし)プロ

1974年9月28日生まれ、PGA公認A級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ1万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。

構成/吉田宏昭(ゴルフライター) 撮影/鈴木祥
撮影協力/ゴルフフィールズ

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