QP関雅史のギア分析!第29回・ディープフェースで上がりやすい3番ウッドを使いたい
2021.12.03
Q.3番ウッドが苦手で、球がしっかり上がらず距離も出ません。シャローなモデルを使うように勧められましたが、自分としては昔からシャローフェースに苦手意識があって、きちんと当たる気がしないので使いたくありません。ディープフェースでも球が上がりやすい3番ウッドはありますか。
A.ディープフェースでも球の上がりやすい3番ウッドはいくらでもあります。ポイントはインパクト時のロフト角を大きくすることです。
ロフトのあるクラブを使うのが一番の方法
いくら球が上がりやすくても、きちんとヒットできなければ意味がない。苦手なシャローフェースを無理に使わなくても球を上げられる3番ウッドの選び方をカリスマクラブフィッターの関雅史プロに伝授してもらった。
「球を上げるポイントはインパクトロフトを大きくすることですが、一番効果が現れやすいのは、最初からロフトが寝ているクラブを使うことです。最近はボール自体が低スピン化してきたり、飛距離重視で重心を浅くしたヘッドが増えたりして、ボールが上がらないという悩みを抱える人が増えています。それを解消するために作られているのが、番手の数字の後に<HL>などと刻印されたハイロフトモデルです。3番ウッドの標準的なロフト角は15度ですが、ハイロフトモデルは16度や17度くらいあるので、それだけで打ち出し角が上がります。また、使いたいモデルにハイロフトが用意されていない場合は、3番ウッドではなく4番ウッドを選ぶという手もあります」
深重心、先調子は球が上がりやすい
ヘッドの重心設計やシャフトの特性でも球の上がりやすさはずいぶん変わる。上がりやすいのはどんなヘッドやシャフトだろうか。
「打ち出し角を上げる方法はほかにもあります。ひとつは、流行りの浅重心ではなく重心位置がなるべく深いヘッドを選ぶことです。重心が深いヘッドほど重さがヘッドの後ろにあるため、振ったときにインパクトでヘッドのお尻が下がりやすくなります。つまり、フェース面は上を向きやすくなるわけです。また、シャフトの選び方でも打ち出し角は変えられます。球を上げやすいのはいわゆる先調子で先が動くシャフトです。先調子のシャフトは、トゥダウンといって、インパクトでヘッドのトゥ側が下がって、フェースが開いてロフトが増える動きが大きくなります。インパクトでは下からあおり打つ形になるので球が上がりやすくなります」
いくら性能がいいクラブでも、かまえたときの見え方に違和感があるなら信頼して使うことはできない。ディープフェースだから必ずしも球が上がりにくいかといえばそうとも限らない。先入観を捨てて、自分にぴったりのクラブを見つけて欲しい。
教えてくれた人:関雅史(せき・まさし)プロ
1974年9月28日生まれ、PGA公認A級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ1万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。
構成/吉田宏昭(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀人 撮影協力/ゴルフフィールズ
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