桐林宏光の「メンタル強化術」第4回~スタートで大たたきしても投げやりプレーを防止できるメンタル術
1ホール目で大たたきしたり、朝イチからダブルボギーやトリプルボギーが続いたりすると、「もう、今日はいいや」と投げやりな気分になってくる。その結果、プレーが雑になってしまうことはないだろうか。
スポーツメンタルトレーニング指導士の桐林宏光プロは、「追い込まれたところからどう立ち直っていくかが、ゴルフの本当のおもしろさ。そこを放棄してしまうのは、もったいないですよ」と語る。
大たたきした後に踏ん張れれば、スコアをまとめることはできるかもしれない。そして、ある対策をすることで、大たたきしても最後まで丁寧にゴルフを楽しむことができるという。投げやりプレーの防止策を教えてもらった。
3ホールごとに目標スコアを立てるのがオススメ
たとえ1ホールで大たたきしても、最後まで熱意をキープするには、目標を細切れにしておくことがオススメだという。
「1ラウンドやハーフの目標スコアを設定するのもいいですが、それだけだと最初の3ホールで8、9、9など大たたきするとモチベーションが下がってしまいます。そこでオススメなのが、3ホールごとに区切って目標を立てておくこと。1~3番ホールでは合計15、4~6番の合計は14というように、目標を細切れにしておけば、最初の3ホールがダメでも、次の3ホールはがんばろうと、集中してプレーできるのです」
プロゴルファーがよく口にする言葉が「目の前の1打に集中」。1打ごとへの集中ではダメなのだろうか。
「目の前の1打といっても、何を目標にすればいいのか曖昧で、1打ごとの集中をずっとキープするのは難しいでしょう。3ホールずつで区切れば、3ホールにかかるプレー時間はだいたい45分。授業1コマ分の時間です。最初の国語がダメでも次の算数はがんばるというように、3ホールで気持ちを切り替えることで、最後まで集中力を維持しやすくなるんです」
スコアカードのハンディキャップを参考にするといい
3ホールごとの目標設定は、どのように決めたらいいのだろうか。
「難しいホールは設定を緩めに、やさしいホールはきつめのスコアを設定するのがオススメです。スコアカードにはホールの難易度を示すハンディキャップの数字が書いてあります。数字が少ないほど難しいホールということですから、3ホールの中にハンディキャップ1のホールが含まれているなら「ここは3ホールで5オーバーにしよう」とか、ハンディキャップ18のホールがあるなら「ここは3ホールで2オーバーを目指そう」というように、目標設定の参考にするといいでしょう」
「スタートホールで大たたきしたけど、何とかまとめてベストスコア更新」なんて巻き返しも夢じゃない! 3ホール目標設定で、最後まで集中力をキープしよう。
教えてくれた人: 桐林宏光(きりばやし・ひろみ)プロ
1964年生まれ東京都出身。大学卒業後にゴルフを始める。社会人入学で、筑波大学大学院体育研究科体育方法学に入学しスポーツ心理学やメンタルトレーニングを学ぶ。日本女子プロゴルフ協会ティーチングプロフェッショナル会員A級。日本スポーツ心理学会認定スポーツメンタルトレーニング指導士。
文/及川愛子(ゴルフライター)
桐林宏光の「メンタル強化術」記事一覧
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