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桐林宏光の「メンタル強化術」第8回~ラウンド前日に調子を上げてしまう3つのNG練習法

桐林宏光の「メンタル強化術」第8回~ラウンド前日に調子を上げてしまう3つのNG練習法

ラウンド前日に、練習場で300球の打ち込み! 翌日はさぞかし好スコアが期待できると思いきや、普段以上にボロボロ……。「あんなに練習したのに」とガックリ肩を落とした経験、あなたもあるのでは?

「それは、前日練習の方法が悪いからです」というのは、スポーツメンタルトレーニング指導士でもあるティーチングプロの桐林宏光さんだ。そこで、ついやってしまいがちなラウンド前日の悪い練習を3つ教えてもらった。

NG練習1 球数を打ちすぎる

日ごろの練習では50~100球しか打たない人も、プレー前日は気合が入る。200球、300球打ちたくなるし、打てば打つほどうまくなれる気がする。だが、これがよくないと桐林さんはいう。

「練習しすぎた肉体は、筋疲労を起こします。翌日は筋肉が張ってくるでしょう。すると、頭でイメージしたことを筋肉に伝える神経の伝達スピードが鈍ってしまうんです。練習することで精神的には安心感を得られるかもしれませんし、『こう打てばいいんだ』というイメージは湧くでしょう。でも、そのイメージを表現できない体になってしまい、結果的にスイングリズムが狂ってしまいます」

普段から球数をこなしている人なら、筋繊維などがハードな練習に耐えられる強度になっているので、問題ないという。

「前日だからと急に張り切る一夜漬けは逆効果。普段と同じぐらいの球数に抑えるか、いっそ前日は練習しないほうが、スコアはまとまるかもしれません」

NG練習2 連続打ちする

練習場の値段設定が1球ごとではなく規定時間内打ち放題であったり、あるいは自動ティアップの練習場だったりすると、連続打ちしてしまいがちだ。

「連続打ちは、正しいスイングを体に覚え込ませる反復練習としては効果があります。ただし、前日の練習でやるには不向き。連続打ちのリズムに体が慣れてしまうと、コースで目の前の1球を打とうとしたとき、間がつかめなくなってしまうんです」

ミスすると、「ア~、これじゃダメ!!」と、フィニッシュを取ることなく、すぐさま次のボールをセット……なんて練習は、百害あって一利なし。1球セットしたら、その都度アドレスするよう心がけよう。

NG練習3 クラブヘッドでボールを引き寄せる

マットにボールを置くとき、スタンスを固定したままクラブヘッドでボールを引きよせてセット。この何気ない行動が、翌日のミスショットに直結するという。

「実際のプレーでは、止まっているボールに対して自分が近づきながら、体とボールの距離を調整します。ところが、クラブでボールを引き寄せると、ボールに対してどこに立てばいいのか、距離を測る練習効果はゼロ。ボールとの距離感が合わなくなるので、ボールに近すぎたり遠く立ちすぎたりして、正しいスイングができなくなるのです」

① いつもの球数を、② 連続打ちせず1球ごと丁寧に、③ ボールに対して毎回アドレスし直す。前日練習ではこの3点を厳守。翌日の好スコアを狙おう!

教えてくれた人: 桐林宏光(きりばやし・ひろみ)プロ

1964年生まれ東京都出身。大学卒業後にゴルフを始める。社会人入学で、筑波大学大学院体育研究科体育方法学に入学しスポーツ心理学やメンタルトレーニングを学ぶ。日本女子プロゴルフ協会ティーチングプロフェッショナル会員A級。日本スポーツ心理学会認定スポーツメンタルトレーニング指導士。
文/及川愛子(ゴルフライター)

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