桐林宏光の「メンタル強化術」第10回~後半9ホールで大きく崩れないためのメンタル術

桐林宏光の「メンタル強化術」第10回~後半9ホールで大きく崩れないためのメンタル術

写真/Getty Images

前半9ホールでスコアが43! この調子でいけば、今日はベストスコア更新!……のはずが、後半は53と崩れてガックリ。なんて経験をしたゴルファーは多いのではないだろうか? 後半9ホールに崩れる人ほど、上達の道は長く険しいロング&ワインディングロードなんだとか!?

スポーツメンタルトレーニング指導士の桐林宏光プロもよれば「傾向として、実力がある人は、後半のほうがスコアはよくなっていくんです。アベレージゴルファーの方は、前半がいいと後半9ホールで意気込みすぎて崩れてしまうんですね。いくら『入れ~!』と叫んでも、カップインの確率が上がるわけではありません。意気込みを空回りさせないためには、後半9ホールで何に気をつけるべきか、冷静に対処する必要があります」という。

そこで、前半にいいスコアが出たら、後半はどんなゴルフをすればいいのか。
鼻息を抑えて冷静にプレーするためのメンタル術を教えてもらった。

「want」・「must」の感情が出たら注意する

前半9ホールでいいスコアが出たときのことを思い出してほしい。そのとき、「ベストスコアを出すぞ!」という意気込みは、希薄だったのではないだろうか。何となくこんな感じかなとプレーしていたら、意外にスコアがよかったとか、二日酔いのムカつきと戦いながらプレーしていたら、気づくとベストスコアペースだった、なんて話も聞く。

「無欲のプレーで絶好調だった人でも、後半9ホールは欲望や願望が強くなってしまうんですね。すると、『もっとこうすれば飛ぶんじゃないか』など、無意識のうちにスイングにアレンジが入ってしまう。願望や欲望に支配されると、スイングリズムが崩れたり、インパクトがガツンと強く入ったりしてしまうんです。それが後半9ホールで崩れる第一歩です」

願望や欲望に支配されかけたとき、そんな自分を察知できるキーワードがあるという。

「そのキーワードとは、英語の『I want』と『I must』です。『絶対に乗せたい』とか『このホールはボギーで上がらなきゃダメだ』など、『I want』と『I must』の感情が湧いていると気づいたら、欲や願望に支配されかけていると自覚してください」

今やるべきことは何か、自問自答しよう

欲や願望を自覚したところで、「乗せたい」「入れたい」の気持ちが薄まるものではない。どうすればいいのだろう?

「目の前のやるべきことを冷静に見つめることです。自分に欲や願望があることは認めてあげたうえで『でも、今やるべきことは何だっけ?』、『7番アイアンでハーフスイングだ』と自問自答。何に集中すればいいのか、答えを導き出してあげましょう」

喜怒哀楽は5秒でリセットする習慣をつける

欲や願望に支配されて、後半9ホールで崩れるのを防ぐために、日ごろからできるメンタルトレーニングがあるという。

「ゴルフのプレーで感じる喜怒哀楽の感情を、5秒でリセットすることです。右に大スライスしてOB! とか、絶好のポジションからダフってチョロ、なんていうミスが出れば、『しまった!』とショックを受けるでしょう。その悔しさを、地団駄を踏んだり、舌打ちしたりして表現するのは、一向に構いません。ただし、どんな感情も5秒で切り替えましょう。5秒後には『はい、次』と次のショットのことを考えるクセをつける。これが習慣化すると、欲がむき出しになるのを抑えることができるようになります」

備えあれば憂いなし!
いざベストスコア更新のチャンスが到来したら冷静に臨めるよう、日ごろから感情をコントロールするトレーニングを積んでおこう。

教えてくれた人: 桐林宏光(きりばやし・ひろみ)プロ

1964年生まれ東京都出身。大学卒業後にゴルフを始める。社会人入学で、筑波大学大学院体育研究科体育方法学に入学しスポーツ心理学やメンタルトレーニングを学ぶ。日本女子プロゴルフ協会ティーチングプロフェッショナル会員A級。日本スポーツ心理学会認定スポーツメンタルトレーニング指導士。
文/及川愛子(ゴルフライター)

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