勝又優美の「もう130女子なんて言わせない!」第12回~ラウンド前の朝チェック!おまじない「イチ・ニー・イチ・ニー」…
パッティングの強さが定まりません! ボールが明後日に向かって行ってしまいます!
パッティングレッスン2回目は、距離感の問題。このお悩み、女性にとても多いです。
この連載で何度かお話していますが、女性は丁寧に打とうとして悪い結果を招いてしまうことが多く、グリーン上でもその傾向が見られます。
その悩みと迷いを吹き飛ばすために、ここはひとつ決め事をつくりましょう。
自分基準のパッティングのリズムを
コースに出る前のパター練習グリーン。このラウンド前の朝のチェックで、私は、自分の振り幅の基準とグリーンの転がりの感覚を合わせます。「1、2。1、2。(イチ、ニー。イチ、ニー。)」といつものリズムを繰り返して、きちんとボールをヒットすることを心がけてください。
基準となる振り幅、例えば「右足の外側から左足の外側」で、「今日のグリーンはどれくらい転がるかな?」という調整をちょっとしてみてください。
細かく理論的に考えるタイプの男性の中には、この調整の上で、コースに出たらグリーン上でも歩測したりしてパッティングする方も居ますね。でも、私たち女性はそこまでやると情報過多でアタマがこんがらがると思います。「自分が気持ちよく振ることができるリズムとテンポ」で一定に保つ意識が、女性のパッティングをきっと楽にしてくれるでしょう。
リズムとテンポが定まれば緩まない
この意識を持つと、距離感が安定します。自分の打ちたい距離に対して、大きくショートしたりオーバーするようなことが少なくなります。というのも、女性が丁寧に慎重に打とうとする時に多いミスが、「緩む」ということだからなんです。
大きくバックスイングを取ったのに、手で調整して弱めにボールを打ってしまったりすることを繰り返していると、何が正解なのかわからなくなってしまいます。自分のリズムをキープして、できればパッティングでもフィニッシュ(ボールを打った後、パターのヘッドを止める)を意識して欲しいですね。グリップをしっかり握って、お腹に力を入れて、テンポをキープしてください。
自分の振り幅の基準はリズムからつくろう
そもそも振り幅の基準ってなんでしょう?
これは本当に人それぞれで、私は「足外から足外」ですが、誰にでも共通するのは、フィニッシュをとることの出来るテンポであることです。この幅をこのテンポで振る、という自分の振り幅を持つとパターの距離感が身についたも同然です。「1、2。1、2。」と心でリズムを刻んで、ボールの転がる先、転がる速さをイメージしましょう。
どんなにグリーンが大きなコースでも、ベント芝でも高麗芝でも
パッティングに入る前の素振りでも、この振り幅が基準になります。リズムを意識すると心も落ち着いて、状況にとらわれずにいつものルーティンでパッティングに入れるというメリットもあります。あとは、ラウンド中にその日の芝の特徴や、上り下りの感覚をすりあわせていきます。プロはその日その日のグリーンの状態に柔軟に対応しています。
私たち女性は「1、2。」の呪文で自分らしさを失わず、「丁寧」に「しっかり」パットを決めて、笑顔でラウンドしましょうね!
(注) 今回は、右打ちの場合を想定したレッスンです。
教えてくれた人 勝又優美(かつまた・ゆみ)さん
KEN HORIO GOLF ACADEMY所属 ティーチングプロフェッショナルA級
1978年6月29日生まれ、神奈川県出身。2010年にLPGA認定ティーチングプロとなり、静岡県内のゴルフアカデミーで多くの生徒を指導。2013年LPGA入会。ビームス&ウィンズステーション校(有楽町)でレッスンを受け持つ。非常にやさしく穏やかな性格の持ち主で、女性らしいきめ細やかなレッスンに定評がある。将来の夢は日本一の女子ティーチングプロになること。
取材・構成/キープペダリング 撮影/斎藤秀明 撮影協力/ビームス&ウィンズ ステーション ゴルフ&ランニング