Ｑ．100切りも達成したので、そろそろセットクラブから卒業しようと考えています。とはいえ、一度に買い替えるのは予算的に厳しく、失敗もしたくありません。そこで、最初にドライバーかアイアンのどちらかを替えようと思いますが、どちらを先に替えた方がいいのか教えてください。それとも他にいい方法がありますか。

Ａ．最初にドライバーを買い替えることをおすすめします。その理由はセットものと単品ものを比較したときに、もっとも性能に差があるのはドライバーだからです。

替えた効果が一番わかりやすいのはドライバー

せっかくセットクラブを卒業するのなら、できるだけ効果が実感できるクラブから替えていきたいもの。曲がる、一定のミスが出る、上がらないなど上手に打てない番手があれば、そこから手をつけるべきだが、どの番手もとくに大きな不満がない場合はどうしたらいいのか。大勢のアマチュアゴルファーのフィッティングを手がけてきた関雅史プロに教えてもらった。

「セットものと単品でドライバーの性能差が大きいのは、単品のドライバーにメーカーがもっとも開発予算を割いているからです。なぜ、ドライバーに注力するかといえば、クラブ市場でもっとも売れるのがドライバーだから。他のクラブより販売価格が高く、ドライバーがヒットすればフェアウェイウッドやアイアンなど他のクラブも売れるという相乗効果も見込めます。逆にいえば、セットものでコストを一番削れるのはドライバーということになります。だからといって、セットものの品質が悪いというわけではありませんが、100前後で回れる人なら性能の違いははっきりわかるでしょう」

ドライバーの次に替えるのはフェアウェイウッド

では、ドライバーの次にアイアンを替えればいいのか。関プロは、クラブフィッターの視点から、アイアンは後回しでいいと話す。

「自分に合うドライバーに出会えたら、次はドライバーと同じフィーリングで振れるフェアウェイウッド、さらにその次にユーティリティという順番で、ウッド系のクラブから先に揃えていくのがおすすめです。そうすれば、自然と統一感のあるセッティングになります。そして、もし予算が許すなら、ドライバー、フェアウェイウッド、ユーティリティまであまり間を置かずに替えてしまうことをおすすめします。最近のクラブはモデルチェンジのサイクルが早く、同じシリーズでもモデルチェンジでかなり性格が変わってしまうこともよくあります。そうすると、同じフィーリングのクラブを新品で手に入れることが難しくなってしまいます」

最後に変えればいいのが、性能の違いがわかりにくいアイアンだ。

「アイアンはセットで揃えるとそれなりの金額になりますが、セットものと単品を比べてもウッドほど違いはわかりにくいと思います。また、モデルチェンジをしても見た目や性能が大きく変わるものではありません。自分が打ちづらく感じるとしたら別ですが、今お使いのアイアンでとくに問題がなければ、後回しにしていいと思います」

フルセットを買い替える場合は、長くて難しいクラブから順番に替えていく。その原則を守れば、クラブ選びで失敗することなく、最終的にバランスのとれたセットを組むことができる。

教えてくれた人：関雅史（せき・まさし）プロ

1974年9月28日生まれ、ＰＧＡ公認Ａ級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ１万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。
構成／吉田宏昭（ゴルフライター）　撮影／斉藤秀人　撮影協力／ゴルフフィールズ

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