楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2023年2月放送分楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2023年2月放送分

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2月4日(土)
練習用クラブも1本のクラブとしてカウントする解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

これは試合で実際に起きた出来事です。
あるプレーヤーが練習用のクラブを2ラウンド目のスタート時に
乗用カートの傘入れのところに入れてラウンドをスタート
しました。

このクラブは、しなるシャフトの練習用アイアンで、プレーヤーは当然、試合で使うつもりはなく、
あくまで練習器具を乗用カートに載せているという認識でした。

ところが、規則では練習用クラブといえど、
1本のシャフトにクラブヘッドが付いていれば、1本のクラブとしてカウントされます。
(規則4.1a)
そして14本を超えるクラブを持ってラウンドをスタートすることはできません。(規則4.1b(1))

プレーヤーは、この1本の練習用クラブを含めると、
計15本のクラブを乗用カートに載せてラウンドを始めたことになり、違反となってしまいました。


そしてこれは同伴プレーヤーの指摘により、4番ホールで気づいたため、
違反が起きた最初の2ホールにそれぞれ2罰打を足すことになります。
つまり1番ホールに2罰打と2番ホールに2罰打の計4罰打です。(規則4.1bの違反は最大4罰打)

また違反に気づいた時点で、この練習用クラブを、プレーから除外する手続きを取らなければなりません。(規則4.1c(1))
以前は、これを「不使用宣言」と言ってましたが、この手続きを怠ると失格となってしまいます。

たとえどんな形状をした練習用クラブや不適合クラブでも、1本のクラブとしてカウントされるので、
競技に出るときはカートに載せないようにしましょう。

2月11日(土)
「教えて!Nory」損傷によるボール交換について解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

【質問】

ルールでは、ひとつのホールでティーショットを打ったら、ボールによほどの損傷がない限り、
そのボールでホールアウトしなければなりませんが、ではどの程度のキズが交換に値するのでしょうか。
アスファルトに着弾しケバ立ったら?

同じメーカーのディスタンス系からスピン系に変えるのはいいんですよね?
更に疑問はボールの提供を受けているプロは無理ですが、ホール毎にボールのメーカーを変えてもいいのでしょうか?


【解説】

ご質問ありがとうございます!

球の損傷での取り替えが認められているのは、
そのホールのプレー中に球が切れるか、ひびが入った場合のみです。

それなので、球がカート道などに当たり毛羽立ったとか、ペイントが剥がれただけでは取り替えはできません。(規則4.2c)

以前と違い、今の球は、ひびが入ったり切れたりすることが稀なので、
試合でも球の損傷で取り替えを認めるケースは少ないです。

では、ホールのプレー中に球にひびが入っているかもしれないと思ったときはどうしたらよいでしょうか。

そのときは、球にマークをして拾い上げて確認することができます。
ひびが入っていれば、別の球を元の箇所にリプレースし、
ひびが入っていなければ、その拾い上げた球を拭かずにリプレースします。

尚、JLPGAの試合では、ワンボールルールが採用されていないため、
ホール毎に球を他のメーカーに変えることができます。
ただし、実際に複数のメーカーの球を使ってプレーしている選手はほとんどいないと思います。

2月18日(土)
バンカー内の蜂の巣の近くに球が止まった場合解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

これは試合で実際にあったルーリングです。
プレーヤーが、グリーンサイドのバンカーにある自分の球に近寄ろうとしたところ、
数匹の蜂がブンブンと飛び回り、怖くて打てないという状況でした。


よく見ると、バンカーの顎に穴が空いていて、中に蜂の巣があり、蜂がそこから出入りしているのが分かりました。
このような場合、蜂に刺される覚悟で急いでプレーしなければならないかと言ったら、そうではありません。

規則16.2では、「球をあるがままにプレーすると、球の近くの危険な動物によって、
プレーヤーが重症を負う可能性がある場合は、罰なしの救済ができる」
とあります。(規則 16.2a)

これは例えば、毒蛇、ワニ、ヒアリ、熊などの動物で、コース上のどこでも救済を受けることができます。
ただし罰なしの救済は、その球が止まっているコースエリアと同じでなければいけません。

今回のケースでは、プレーヤーはその球に近寄るのも危険だったため、
元の球は拾わずに、別の球で救済処置をしました。

その方法は、同じバンカー内の危険がないとされる場所を基点に、
ホールに近づかない1クラブレングス以内にドロップです。

この規則ですが、
あくまで危険な動物を対象としており、サボテンや毒のある危険な植物ではありません。
球がそれらの近くに行ったときは、そのままプレーするかアンプレヤブルの処置をします。

2月25日(土)
ボールマークがパッティンググリーンとカラーの両方にまたがっている場合解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

パッティンググリーンにボールマークがあれば、それを修復できるのはご存知のとおりです。
では、それが偶然にもパッティンググリーンとカラーの両方にまたがっている場合はどうすればいいでしょうか。

規則では、「パッティンググリーン上にある損傷部分だけを、修理することを認めるのは合理的ではない」ということから、
カラーにある損傷も含めてボールマーク全体を修理できることになりました。(解釈 8.1b/7)

これはボールマークに限らず、動物の蹄や人の靴跡など、
1つの損傷が両方にまたがっている場合も、その蹄や靴跡全体を修復することができます。
稀にこのような状況になった場合は、コースの保護のためにも、しっかりと修復しましょう。

もう1つ、パッティンググリーン上での修復で遠慮がちになるのは、
ホールの縁をボールマークで崩してしまったり、旗竿を抜くときに傷付けてしまった場合です。
多くの人は、ホールの縁には触れてはいけないと思っていますが、罰はありません。

むしろ、ホールは他のプレーヤーのプレーにも影響するので、
縁が変形した場合はできる限り平らに直しましょう。

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