石井忍の「練習場でうまくなる」第20回~FWやUTをアプローチに…プロも使う強力な武器を手に入れる!
アプローチ練習は普段使わないクラブを試す
アプローチと言えばウェッジというイメージを持っている人は多いと思います。それは間違いではありませんが、プロゴルファーは意外と、フェアウェイウッドやユーティリティをアプローチに使うことがあります。
その理由は「やさしいから」です。フェアウェイウッドやユーティリティはヘッドの慣性モーメントが大きいので、オフセンターヒット(フェースの芯以外に当たった場合)でもミスになりにくいのです。
ただ、これらのクラブをアプローチで使い慣れていないと、コースでいきなりチャレンジするのは勇気がいります。それであれば、ぜひ練習場で試してみてください。
パターのように打ち、あとは距離感を養うだけ
打ち方はまったく難しくありません。シャフトを握るくらいまで短く持ち、パターのように打つだけです。肩と両腕が作る三角形の形を崩さないように、手首を使わずストロークすればOKです。
実際にやってみると分かりますが、ヘッドが滑ってくれるのでダフリやトップのミスになりにくいし、ミスヒットしてもそれなりに転がってくれます。
ただ、しっかり打てた時はパターよりもはるかに転がりますので、最初のうちは振り幅の感覚が分からないと思います。練習場で球数を打って、「これくらいの振り幅だとこれくらい転がる」という感覚を養ってください。
練習場でアプローチ練習に球数を費やすのはもったいないと感じる人もいるようですが、まったくそんなことありません。むしろ、コースでいいスコアを出すことにつながらない練習をしていることのほうがもったいないです。そして、コースでいいスコアを出すためには、ショートゲームを磨くことが非常に効果的なのです。
練習場で自信をつければコースで強い武器になる
ベテランゴルファーの方だと転がしのアプローチは8番アイアンと決めている人もいるのですが、8番アイアンだと慣性モーメントが小さいので、フェースの先に当たったりするとやっぱりミスになってしまいます。
そういう人は試しに練習場で、8番アイアンのアプローチとフェアウェイウッドやユーティリティのアプローチを打ち比べてもらいたいです。
「フェアウェイウッドやユーティリティのほうがやさしい」ことが体感できると思いますので、練習場で距離感を磨いて自信をつければ、コースでも強い武器になります。
教えてくれた人 石井忍(いしい・しのぶ)プロ
1974年8月27日生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年にプロ入り。翌年からツアー参戦。2014年に千葉県千葉市にあるゴルフ練習場「ジャパンゴルフスクール」内に「エースゴルフクラブ千葉」を設立。2016年には「エースゴルフクラブ神保町」もオープンし、アマチュア向けのレッスン活動も展開している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/小板直樹 撮影協力/エースゴルフクラブ千葉
石井忍の「練習場でうまくなる」記事一覧
(1) 練習場で意識する二本柱編 - (2) 打つよりスイング確認編 - (3) スイングの力量調整編 - (4) 片手打ち練習の効能編 - (5) アイアンショット練習編 - (6) アプローチに自信をつける編 - (7) スライス解消ショット練習編 - (8) 1打ごとに丁寧セットアップ編 - (9) ターゲットを避ける練習編 - (10) 振るよりハザード回避編 - (11) ラウンド前日の想定練習編 - (12) ラウンド後の練習編 - (13) クロスハンドグリップで調整編 - (14) リリース早すぎの罠編 - (15) 右足に体重のウソ編 - (16) スライス解消ポジション編 - (17) フックの悩み解消編 - (18) ラウンド間隔が空いたとき編 - (19) マン振り飛距離を把握編 - (20) FWやUTをアプローチに編