石井忍の「練習場でうまくなる」第3回~スイングの力量調整を覚えよ!フルスイングなんて本番で使うの?
フルショットの練習ばかりでは上達が遅くなる
ゴルフ練習場でアマチュアの方の練習風景を見ていると、ほとんどの人がフルショットの練習に多くの時間を費やしています。しかし、実際のラウンドでは、フルショットが必要な場面というのは実はほとんどありません。
また、アマチュアの方がフルショットをすると、スイングのバランスが崩れやすいので、そういった観点からもオススメできません。練習場ではフルショットの練習をするよりも、むしろスイングの力感をコントロールする練習を行ったほうが上達に結びつきます。
フルショットの練習よりもスイングの力感を調節する練習が効果的
「スイングの力感をコントロールする」とはどういうことかと言いますと、フルショットが100%だとしたら、20%の力、50%の力、80%の力でボールを打つのです。これはスイングの振り幅を20%や50%や80%にするということではなく、スイングの大きさは100%のまま、力加減だけを調節します。
実際にやってみると分かるのですが、これがけっこう難しいのです。ゆっくり振ろうとしてもバンと強く打ってしまう人がほとんどです。そういう人は、腕が主体のスイングをしているため、インパクト前後の力感がコントロールできないのです。
力感が調節できるようになるとボディ主体のスイングが身につく
スイングの力感をコントロールするコツは、インパクトを強くしないことです。
スイング軌道をゆっくりとなぞるだけなので、最初は7番アイアンで10ヤードしか飛ばないくらいのスピードで構いません。そうすると、スイングの軌道がはっきりと分かります。
力感をコントロールするからといって、スイング自体が小さくなってはいけません。体を使って大きく振ることは強く意識しながら、スピードだけを極端に落とします。
これができるようになると、スイング軌道が安定するようになり、ボディ主体の再現性の高いスイングを身につけることができます。また、コントロールショットの精度も格段に向上します。
コースでラウンドする際はさまざまなプレッシャーの中でショットを打たなければならないので、フルショットはスイングの乱れにつながり、大きなリスクを抱えることになります。それよりもスイングの力感をコントロールして、しっかりと制御されたショットを打つことに神経を集中するほうが、スコアアップにつながることは間違いありません。
教えてくれた人 石井忍(いしい・しのぶ)プロ
1974年8月27日生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年にプロ入り。翌年からツアー参戦。2014年に千葉県千葉市にあるゴルフ練習場「ジャパンゴルフスクール」内に「エースゴルフクラブ千葉」を設立。2016年には「エースゴルフクラブ神保町」もオープンし、アマチュア向けのレッスン活動も展開している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/小板直樹 撮影協力/エースゴルフクラブ千葉
石井忍の「練習場でうまくなる」記事一覧
(1) 練習場で意識する二本柱編 - (2) 打つよりスイング確認編 - (3) スイングの力量調整編 - (4) 片手打ち練習の効能編 - (5) アイアンショット練習編 - (6) アプローチに自信をつける編 - (7) スライス解消ショット練習編 - (8) 1打ごとに丁寧セットアップ編 - (9) ターゲットを避ける練習編 - (10) 振るよりハザード回避編 - (11) ラウンド前日の想定練習編 - (12) ラウンド後の練習編 - (13) クロスハンドグリップで調整編 - (14) リリース早すぎの罠編 - (15) 右足に体重のウソ編 - (16) スライス解消ポジション編 - (17) フックの悩み解消編 - (18) ラウンド間隔が空いたとき編 - (19) マン振り飛距離を把握編 - (20) FWやUTをアプローチに編