石井忍の「練習場でうまくなる」第13回~乱れ打ちよりドリル練習!クロスハンドグリップでポジション調整を!
打ち放題の練習場ではドリルに時間を費やすべき
練習場の料金体系は1球○円というのが一般的だと思いますが、中には打ち放題の時間帯がある練習場もあります。
打ち放題の練習で好ましくないのは、より多くの球数を打つことばかりに気を取られ、次から次へと乱れ打ちするような練習です。ここぞとばかりにドライバーを100球も200球も打ち込んでいる人がいますが、球数を競っても上達につながるとは言えません。
ボールの値段を気にせず打てるのであれば、普段あまり取り組むことができないドリル練習がオススメです。左手と右手の上下を逆にしたクロスハンドグリップで行うショット練習などは、最初はうまく打てないのでダフリやチョロが頻繁に発生しますが、打ち放題であれば思う存分取り組むことができます。
クロスハンドグリップでショットする練習がオススメ
クロスハンドグリップでショット練習を行うと、スイング軸が傾くとうまく打てません。左腕を低く保って長く動かさないとボールをとらえることができないので、左腕の理想的なポジションを体感することができます。
アマチュアの方の多くは、左腕を長く使うスイングというものを体得できていません。左ヒジが引けてしまい、そのぶん右肩を下げて調整しているようなケースが多いので、クロスハンドグリップでボールが打てるようになればスイングが劇的に改善します。
クラブの握り方は、左手と右手の上下を逆にして、右手の親指を左手の中に差し込むような感じで握ります。クラブの番手は8番アイアンくらいがちょうどいいと思います。クラブの振り幅は肩の高さから肩の高さまでのハーフショットでOKです。
軸を倒さないで手元を低く保つスイングが体感できる
実際にやってみると分かりますが、この打ち方だとスイング軸が少し傾いただけでダフってしまいます。クロスハンドグリップで打てるようになると、通常のグリップで打つ際のショットの精度が格段にアップします。
また、ドリル練習以外ではアプローチ練習にも適しています。1球○円の場合は値段が気になり10~20ヤードのアプローチ練習をするのがもったいないと感じてしまいがちですが、実際にスコアメークにつながるのはショートゲームです。
ドリル練習やショートゲーム練習は、爽快感が得られるものではありませんが、地道にやれば着実に技術が身につきます。ボールの値段を気にせず打てるのであれば、上達につながる練習に取り組んでください。そうすれば、コースに出た時にショットの爽快感を味わえるようになります。
教えてくれた人 石井忍(いしい・しのぶ)プロ
1974年8月27日生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年にプロ入り。翌年からツアー参戦。2014年に千葉県千葉市にあるゴルフ練習場「ジャパンゴルフスクール」内に「エースゴルフクラブ千葉」を設立。2016年には「エースゴルフクラブ神保町」もオープンし、アマチュア向けのレッスン活動も展開している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/小板直樹 撮影協力/エースゴルフクラブ千葉
石井忍の「練習場でうまくなる」記事一覧
(1) 練習場で意識する二本柱編 - (2) 打つよりスイング確認編 - (3) スイングの力量調整編 - (4) 片手打ち練習の効能編 - (5) アイアンショット練習編 - (6) アプローチに自信をつける編 - (7) スライス解消ショット練習編 - (8) 1打ごとに丁寧セットアップ編 - (9) ターゲットを避ける練習編 - (10) 振るよりハザード回避編 - (11) ラウンド前日の想定練習編 - (12) ラウンド後の練習編 - (13) クロスハンドグリップで調整編 - (14) リリース早すぎの罠編 - (15) 右足に体重のウソ編 - (16) スライス解消ポジション編 - (17) フックの悩み解消編 - (18) ラウンド間隔が空いたとき編 - (19) マン振り飛距離を把握編 - (20) FWやUTをアプローチに編