石井忍の「練習場でうまくなる」第18回~ラウンドの間隔が空いたときに効率的な練習法・注意点とは?
ラウンドの間隔が空いた時はボールに当てに行かない
ラウンドの間隔が空いてしまった時、普段はあまり練習場へ行かない人でも、ショットの確認をするため練習場に足を運ぶ人は多いと思います。それ自体は素晴らしいことだと思いますが、久々にクラブを振るとボールに当てに行くスイングになってしまうことが多いので注意が必要です。
ボールに当てに行くスイングだと、その場ではナイスショットが出るようになるかもしれませんが、そのショットはコースでのいいショットにつながりません。OBや池などのプレッシャーに直面すると、あっという間に乱れてしまいます。
コースでもナイスショットが打てるようにするには、練習場では大きな筋肉がしっかり動いているかどうかを確認することのほうが大事です。
下半身と上半身の捻転差を確認する
ゴルフの難しいところは、当てに行くスイングでもナイスショットが出る可能性があることです。でも、それは偶然の産物であって、プレッシャーの中でも安定したショットを打つためには、大きな筋肉をしっかり動かすスイングを取り戻す必要があります。
ラウンドの間隔が空いた時の練習は、ボールに当たるかどうかはいったん置いておいて、下半身と上半身の捻転差をしっかり作ることを重視してください。そのためには、クラブを振るだけではなく、クラブを胸の前に当てて、下半身と上半身の捻転差を確保するようなドリルに取り組むのが効果的です。
体がしっかり回るようになると、クラブが通る手元のスペースが確保できますので、クラブの通り道が一定になり、ショットの精度も格段に向上します。
ショートゲームの距離感を再確認
ラウンドの間隔が空いた時、体の捻転とともに忘れがちなのが、ショートゲームの距離感です。「どのくらいの振り幅だと、どのくらい飛ぶ」という感覚が失われてしまうのです。
ショートゲームの距離感を取り戻すためには、30ヤード前後の目標物を狙って何回も打ってみることです。自分がイメージしていたよりも強かったり弱かったりすると思うので、それを微調整していきます。
「どのくらいの振り幅だと、どのくらい飛ぶ」というのは個人差がありますので、フィーリングレベルでの調整で構いません。自分のイメージと実際の距離が一致するまで繰り返してみてください。
ラウンドの間隔が空いた時の練習は「大きなショットの捻転差の確認」と「小さなショットの振り幅の確認」。この2点に注力すると、ひさしぶりのラウンドにもスムーズに対応できるようになります。
教えてくれた人 石井忍(いしい・しのぶ)プロ
1974年8月27日生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年にプロ入り。翌年からツアー参戦。2014年に千葉県千葉市にあるゴルフ練習場「ジャパンゴルフスクール」内に「エースゴルフクラブ千葉」を設立。2016年には「エースゴルフクラブ神保町」もオープンし、アマチュア向けのレッスン活動も展開している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/小板直樹 撮影協力/エースゴルフクラブ千葉
石井忍の「練習場でうまくなる」記事一覧
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