石井忍の「練習場でうまくなる」第5回~本物のナイスショットと偽物を見分ける効果的なアイアンショット練習
練習場ではダフッてもヘッドが滑ってボールに当たる
練習場でショット練習をしていると、ボールの行方がどうしても気になります。狙った方向にボールが飛んでいるか、番手通りの飛距離が出ているかということばかり気にしているゴルファーがほとんどではないでしょうか。
しかし、狙った方向にボールが飛んでおり、番手通りの飛距離が出ているからといって、それが必ずしもナイスショットとは限らないのが練習場の注意点です。練習場の人工マットはヘッドが手前から入っても滑ってナイスショットのような弾道になりますし、ボールもコースで使用するものとは異なりますから、飛距離も参考程度にとどめておいたほうがいいのです。
ボールの後ろにガムテープを貼るとダフリが分かる
では、どうしたら「偽物のナイスショット」と「本物のナイスショット」を見極めることができるのでしょうか。
私がオススメするのは、ボールの後ろにガムテープを貼って行うアイアンショット練習です。
ガムテープをボールの7~8センチくらい後ろに貼って、ショートアイアンでボールを打ちます。最初はハーフショットで構いません。クリーンヒットできればガムテープはそのまま残りますが、ヘッドが手前から入るとガムテープに当たり、ヘッドにくっついてしまいます。これによって、ダフリかどうかを見極めることができます。7~8センチで問題ないなら、次は3~5センチでやってみましょう。
ヘッドの入射角度が安定するとショット力が向上する
また、ガムテープにヘッドが当たらないようにショット練習を行うことで、クラブヘッドの正しい入射角度を学ぶことができます。
アイアンの場合、スイングの最下点よりも手前でヘッドがボールに当たり、ボールの先の芝生が削れるのが正しい軌道です。これがダウンブローと呼ばれるものですが、ダウンブローでボールをとらえる感覚が身につけば、ショットの精度が格段に向上します。
ただし、ガムテープにヘッドを当てないことばかり気にしすぎると、入射角度が鋭角になりやすいので注意してください。ゆるやかで大きなスイングアークを描きながらヘッドがガムテープに当たらないのが理想です。練習後は、ガムテープのゴミはきちんと片づけてくださいね。
教えてくれた人 石井忍(いしい・しのぶ)プロ
1974年8月27日生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年にプロ入り。翌年からツアー参戦。2014年に千葉県千葉市にあるゴルフ練習場「ジャパンゴルフスクール」内に「エースゴルフクラブ千葉」を設立。2016年には「エースゴルフクラブ神保町」もオープンし、アマチュア向けのレッスン活動も展開している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/小板直樹 撮影協力/エースゴルフクラブ千葉
石井忍の「練習場でうまくなる」記事一覧
(1) 練習場で意識する二本柱編 - (2) 打つよりスイング確認編 - (3) スイングの力量調整編 - (4) 片手打ち練習の効能編 - (5) アイアンショット練習編 - (6) アプローチに自信をつける編 - (7) スライス解消ショット練習編 - (8) 1打ごとに丁寧セットアップ編 - (9) ターゲットを避ける練習編 - (10) 振るよりハザード回避編 - (11) ラウンド前日の想定練習編 - (12) ラウンド後の練習編 - (13) クロスハンドグリップで調整編 - (14) リリース早すぎの罠編 - (15) 右足に体重のウソ編 - (16) スライス解消ポジション編 - (17) フックの悩み解消編 - (18) ラウンド間隔が空いたとき編 - (19) マン振り飛距離を把握編 - (20) FWやUTをアプローチに編