石井忍の「練習場でうまくなる」第16回~これでスライス解消!バックスイングの初動ポジションを見直す!
スライスが止まらない時はクラブの動きを見直す
アマチュアのショットの悩みで最も多いのがスライスです。ゴルフを始めた当初からスライスばかり出て、そのままスライスを持ち球にプレーを続けている人もいるのではないでしょうか。
スライスの一番の原因は、ダウンスイングでクラブがアウトサイドから下りてくることです。そして、なぜクラブがアウトサイドから下りてくるかと言えば、バックスイングでクラブをインサイドに引き過ぎているからです。
バックスイングでクラブをインサイドに引いた反動で、トップスイングでループを描き、ダウンスイングではクラブがアウトサイドから下りてきてしまうのです。このようなクラブの動きを改善しなければスライスは止まりません。
バックスイングの初動のポジションをしっかりと決める
したがって、改善すべきポイントはダウンスイングではなくバックスイングです。まずバックスイングでクラブをインサイドに引き過ぎることを止めなければなりません。
そのためにチェックしたいのは、バックスイングの初動のポジションです。バックスイングを始めていくと、左腕が地面と平行になるポジションがあります。この時に、腕の向きがターゲットラインの後方延長線上と平行になるようにしてください。
腕の向きがターゲットラインの後方延長線上と平行になった時、「こんなに遠い位置にクラブを上げるのか」と感じた人は、普段からクラブをインサイドに引き過ぎていることになります。最初は違和感があると思いますが、こちらのポジションに慣れていってください。
ダウンスイングでは両腕で作った三角形を元に戻す
バックスイングでクラブをインサイドに引き過ぎることなく、正しいポジションに上げることができれば、ダウンスイングでクラブが自然とインサイドから下りてきて、ボールがしっかりとつかまる可能性が高まります。
ただ、ダウンスイングの際にも注意点があります。クラブをインサイドから下ろそうとする意識が強過ぎて、右肩が下がった極端なインサイド軌道になってしまうことがあるのです。そうなるとフェースが開いたままボールに当たるので、スライスを解消することができません。
これを防ぐために有効な手立ては、アドレス時に左腕と右腕で作った三角形(左ヒジと右ヒジを直線で結んで三角形に見立てている)をダウンスイングの途中で元の形に戻すイメージを持つことです。
三角形が元の形に戻れば、腕のローテーションが発生してヘッドが加速するので、理想的なインパクトを迎えることができます。
教えてくれた人 石井忍(いしい・しのぶ)プロ
1974年8月27日生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年にプロ入り。翌年からツアー参戦。2014年に千葉県千葉市にあるゴルフ練習場「ジャパンゴルフスクール」内に「エースゴルフクラブ千葉」を設立。2016年には「エースゴルフクラブ神保町」もオープンし、アマチュア向けのレッスン活動も展開している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/小板直樹 撮影協力/エースゴルフクラブ千葉
石井忍の「練習場でうまくなる」記事一覧
(1) 練習場で意識する二本柱編 - (2) 打つよりスイング確認編 - (3) スイングの力量調整編 - (4) 片手打ち練習の効能編 - (5) アイアンショット練習編 - (6) アプローチに自信をつける編 - (7) スライス解消ショット練習編 - (8) 1打ごとに丁寧セットアップ編 - (9) ターゲットを避ける練習編 - (10) 振るよりハザード回避編 - (11) ラウンド前日の想定練習編 - (12) ラウンド後の練習編 - (13) クロスハンドグリップで調整編 - (14) リリース早すぎの罠編 - (15) 右足に体重のウソ編 - (16) スライス解消ポジション編 - (17) フックの悩み解消編 - (18) ラウンド間隔が空いたとき編 - (19) マン振り飛距離を把握編 - (20) FWやUTをアプローチに編