石井忍の「練習場でうまくなる」第8回~1打ごとにクラブを持ち替え丁寧なセットアップを意識する!
同じクラブを続けて打つ場面はコースではほとんどない
練習場では、まずアプローチウェッジやピッチングウェッジなどの短いクラブからショット練習をスタートし、徐々に長いクラブへと持ち替えていくというのは、正しい練習の流れと言えます。
ただし、ミスショットが出たらもう1球打つ、ナイスショットが出たら次のクラブに持ち替える、という練習ばかりしているとしたら、考え方を少し変えたほうがいいかもしれません。
なぜならば、実際のコースではミスショットが出たからといって、同じクラブでもう一度打つ場面は、よほどのダフリかチョロ以外はないからです。そして、そのようなミスが出るということは、そもそも選んだクラブが長過ぎるなど、無理があるから大きなミスが出ていると考えられるので、短いクラブに持ち替えたほうが無難です。
1打ごとにクラブを持ち替えていく練習が効果的
実際にコースに出た時、あなたはどのような順番でショットをしていくでしょうか。
たとえば、今度ラウンドするコースの1番ホールが350ヤードのパー4だとしたら、まずはドライバーでティーショットを打つでしょう。これがナイスショットだったとしたら、残りは約100ヤード。ロフト角52度のウェッジで届くのであれば、グリーンを狙ってショットを打ちます。グリーンに乗ったら、あとはパターを打ち、カップインしたら2番ホールのティーグラウンドに向かいます。これを18番ホールまでシミュレーションしていくと、同じクラブを2回続けて使う場面はほとんどないことに気づくでしょう。
それであれば、練習の時点から1打ごとにクラブを持ち替えてみてはどうでしょうか。長いクラブと短いクラブを交互に使っていくと、使用クラブによってスイングの力感などを微調整しないとうまく打てないことに気づきます。これこそが実際のラウンドで必要な感覚なのです。
1打ごとに丁寧にセットアップする習慣も身につく
また、1打ごとにクラブを持ち替える練習が効果的なもう一つの理由は、1打ごとにターゲットを決めてセットアップする習慣がつくことです。
同じクラブで何発も続けて打つ練習だと、アドレスの位置もターゲットも変わらずに、ただ漫然とボールを打ち続けることになってしまいます。
でも、実際にコースに出たら1打ごとにターゲットを決めてセットアップを行うわけですから、練習の時点からそのようにしたほうがいいのは言うまでもありません。
クラブをアレンジして、ターゲットもアレンジして練習を行うので、私はこの練習法を「クラブ・アレンジ・ターゲット・アレンジ」と呼んでいます。練習の終盤にショットの状態が仕上がってきたら、この練習法をぜひ試してみてください。
教えてくれた人 石井忍(いしい・しのぶ)プロ
1974年8月27日生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年にプロ入り。翌年からツアー参戦。2014年に千葉県千葉市にあるゴルフ練習場「ジャパンゴルフスクール」内に「エースゴルフクラブ千葉」を設立。2016年には「エースゴルフクラブ神保町」もオープンし、アマチュア向けのレッスン活動も展開している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/小板直樹 撮影協力/エースゴルフクラブ千葉
石井忍の「練習場でうまくなる」記事一覧
(1) 練習場で意識する二本柱編 - (2) 打つよりスイング確認編 - (3) スイングの力量調整編 - (4) 片手打ち練習の効能編 - (5) アイアンショット練習編 - (6) アプローチに自信をつける編 - (7) スライス解消ショット練習編 - (8) 1打ごとに丁寧セットアップ編 - (9) ターゲットを避ける練習編 - (10) 振るよりハザード回避編 - (11) ラウンド前日の想定練習編 - (12) ラウンド後の練習編 - (13) クロスハンドグリップで調整編 - (14) リリース早すぎの罠編 - (15) 右足に体重のウソ編 - (16) スライス解消ポジション編 - (17) フックの悩み解消編 - (18) ラウンド間隔が空いたとき編 - (19) マン振り飛距離を把握編 - (20) FWやUTをアプローチに編