- 11月25日(土)
- スタート地点とは解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん
10月に開催された日本オープンの初日、松村道央選手は午前8:05スタートだったのですが、
午後スタートだと間違え、本来のスタート時間に間に合わず失格になってしまいました。
彼は、規則5.3aの違反の罰により失格になりましたが、
この規則5.3aには「プレーヤーは委員会が設定したスタート時間に
スタート地点でプレーをすぐに始めることができる状態でなければならない」と書いてあります。
記載されている「スタート地点」とは、
プレーヤーが自分のラウンドを始めるホールのティーイングエリアのことを指します(詳説5.3a/2)。
「スタート地点」という言葉を使うことによって、委員会はスタートに遅れそうになっているプレーヤーが
到着していることになる基準を定めることができます。
例えば、JLPGAではローカルルールでプレーヤーが自分のラウンドを始めるために使用する
ティーイングエリアを囲むローピングや杭、またはペイントされた区域にいるとき、
スタート地点に到着しているものとみなすと規定しています。
つまり、スタート時間に遅刻しそうになっているプレーヤーは、
クラブ1本と球1個を持ち、片足でもそのスタート地点に入っていれば
規則5.3aの違反による罰はないということです。
海外の試合では、スタートホールにアーチのような物が設置されていることがあり、
そのアーチを潜ったプレーヤーはスタートホールに到着しているものとみなすと規定することがあります。
スタート地点を明確に設ける理由は、
実際に遅刻しそうなプレーヤーが時間に間に合ったかどうかをはっきりさせる為です。
これは裁定をするレフェリーや対象となるプレーヤー、
そして見ている人達にとっても重要な判断基準となります。
実は、今年の日本女子オープンでも、スタートに遅刻しそうになった選手がいました。
レシーバーで彼女の行動は逐一報告され、幸いにも、
スタートの40秒前にティーイングエリアに到着することができました。
これがもっとスタート時間に迫っていた場合、例えば10秒以内になったら、
既に到着している他の選手にもわかるようにレフェリーが口頭でカウントダウンを始めることがあります。
ティーの近くには公式時間に合わせた時計を置き、
全てのレフェリーはその公式時間に合わせて業務にあたります(6Aスタート時)。
スタート時間は厳格に守られていますので、
時間には余裕を持ってスタート地点にいることをお勧めします。