- 11月8日(土)
- 木の上に球が止まってからプレーの中断となる解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん
ソニー日本女子プロゴルフ選手権は大洗ゴルフ倶楽部で開催されました。
ここは松の木が多く、ショットを曲げると球が木の枝に止まってしまうことがあります。
1ラウンド目の8番ホール(パー3)では、プレーヤーのティーショットがパッティンググリーン右の松の枝に止まり、
その直後に雷の為、即時中断のエアホンが鳴りました。
この時、球らしき物が枝に止まっていることは確認できたのですが、
プレーヤーはここで球の捜索をすべきか止めるべきかを悩んでいました。
何故なら、ここで球の捜索を続けて、その間に自分の球だと確認できた場合、
翌朝にプレーの再開をするとき、たとえ夜の間に風で球が地面に落ちていたとしても
木の枝に止まっていた場所にあったものとしてプレーを続けなければならないからです。(規則5.7d(2))
これが、球の確認を行っていなかった場合、翌朝の捜索時間内にプレーヤーの球が木の下のラフで発見されれば、
そこからプレーを続けることになります。(規則18.2a)
ちなみに、球の捜索はプレーの中断となっても行うことができ、捜索を打ち切らない限り3分間の時計は止まりません。
そのため、3分間の捜索時間が終了した時に球が見つからなければ、
プレーの中断中であっても、その球は紛失となります。(詳説18.2a(1)/1)
一見、すぐに球を確認しない選択肢の方がお得な感じがするかもしれませんが、リスクも伴います。
それは、翌朝のプレー再開前に球が木の枝の上にも木の下のラフにもない場合、
プレーヤーの球は紛失球となり、ストロークと距離の救済が唯一の選択肢になります。
そのため、アンプレヤブルの球の選択肢はなくなります。
結果的にこの選手は、プレーの中断のときに球の捜索を止め、翌朝まで待ちました。
すると、捜索を始めてからプレーヤーの球らしきものが木の枝の上にすぐに見つかり、
ペットボトルを投げてその球を落とそうとしましたが、結局、捜索時間内には確認することはできませんでした。
プレーヤーはストロークと距離の1罰打のもと、ティーイングエリアに戻ってプレーを再開することになりました。