- 3月7日(土)
- 球が動いたかもしれないことに気づいていなかった場合、プレーヤーは誤所からプレーしたことにはならない解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん
今年の1月1日、R&AとUSGAが4半期ごとに更新する規則の詳説で、新たにローカルルールひな型E-14
「球が動いたかもしれないことに気づいていなかった場合、プレーヤーは誤所からプレーしたことにはならない」
が追加されました。
こちらは、私の知る限り、全てのプロ団体が採用しており、JLPGAも適用するに至りました。
このローカルルールができた背景に、昨年の全英オープンでの出来事があります。
2ラウンド目の12番ホール、2打目でシェイン・ローリー選手が球の近くで練習スイングをしていたところ、
クラブが芝に触れたすぐ後に、本人の気づかないところでラフにある球が5ミリぐらいコロっと動きました。
止まっている自身の球をプレーヤーが動かす原因となったので、
本来ならば、1罰打でその球を元の箇所にリプレースしなければならないのですが、
プレーヤーは球が動いたことに気づいていなかったため、その球を止まったところからプレーし、
ホールアウト後のスコアリングエリアで誤所からのプレーで2罰打が課されました。(規則9.4、規則14.7a、規則1.3c(4)例外)
ここで、プレーヤーが自分の球が動いたことに気づいていなかったとしても罰が課されることを疑問に思うかもしれません。
このケースのように罰が課されるには、3つの条件を満たしているかで判断されます。
1つ目は、そもそも球が動いたかどうかです。
ビデオで確認したところ、球にあるロゴマークが明らかに練習スイングを取ったすぐ後に5ミリほど傾いて動いたことがわかりました。
2つ目は、その球の動きは肉眼で見える程度だったかです。(規則21.2c)
ビデオ証拠の使用は「肉眼」基準によって制限されるため、テレビカメラでしか見えないような球のごく僅かな動きは採用されません。
しかし、このケースの5ミリは肉眼基準を満たしていると裁定されました。
3つ目は、プレーヤーの行動が球を動かす原因となったかです。
球の動いたタイミングが、練習スイングでクラブが芝に触れた直後だったことから、
プレーヤーが動かしたとみなされました。(定義:分かっている、または事実上確実/1)
ゴルフ規則は、プレーヤーが「違反していたことを知らなかった」と主張しても、
球が動いたこと、またプレーヤーが球の動いた原因となったことを知っていたものとみなします。
それはプレーヤーが規則を知らないからといって、罰を免除する理由にはならないのと同じです。(詳説9.2a/2)
この出来事は新たなローカルルールの制定に繋がりました。
そしてプレーヤーが球を動かした原因になっていたことに気づいておらず、その理由で球を元の箇所にリプレースしていなかった場合、
誤所からのプレーの2罰打ではなく、自分の球を動かす原因となったことに対する1罰打のみが課されることになりました。
しかしストロークを行う前に、球が動いた、あるいは動いたかもしれないとプレーヤーが認識しており、
その後、球が実際に動いていたことが判明した状況における結果を変えるものではありません。
そのため、このローカルルールはビデオ裁定することがあるプロ団体にとって必要な規則と言えるかもしれません。





