楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2025年8月放送分楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2025年8月放送分

Backnumber2025年8月 放送分

8月2日(土)
「教えて!Nory」解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

【質問】

おはようございます。

先日のラウンドでのことです。

グリーン横のガードバンカーにボールが転がり込み、ヘリにボールがへばり付いてしまいました。

グリーン方向にテークバックが取れず、同伴者の助言に従いアンプレヤブルを宣言したのですが、
正しい処置だったのでしょうか。

またこの場合、その後の処置はどうするべきだったでしょう。

同伴者がバンカー内の打てる場所にリプレースして1罰打と言ったので従ったのですが、
正しかったでしょうか。

【解説】

ご質問者様、ご質問ありがとうございます。

バンカー内でストロークができない場合、アンプレヤブルとみなして救済することはできます。(規則19.2)

ただし、その方法は球をプレースではなく、ドロップしなければなりません。

もしバンカー内でプレーを続けたい場合は、1罰打で2つの選択肢があります。

1つ目はラテラル救済で、
バンカー内で球の箇所からホールに近づかない2クラブレングス以内の救済エリアにドロップです。

2つ目は後方線上の救済で、
バンカー内でホールから球を結んだ後方線上にドロップです。

もし球が止まっている位置からして、この2つのドロップ箇所が好ましくない場合は、
2罰打でバンカーの外でドロップすることができます。

その方法は、バンカーの外でホールから球を結んだ後方線上にドロップすることです。

またプレーヤーはいつでもストロークと距離の罰で、
直前のストロークが行われた場所からプレーをすることができます。(規則14.6)

これがティーショットであれは、ティーイングエリアからプレーすることになり、
フェアウェイやラフなどのジェネラルエリア、或いはバンカーからプレーした場合は、
その地点からホールに近づかない1クラブレングス以内に球をドロップしてプレーを続けます。

また稀ではありますが、高速グリーンからプレーした球がバンカーのヘリに止まった場合は、
パットした箇所に球をプレースしてプレーを続けることができます。

つまりストロークした球の止まった所からプレーしたくないと思えば、
いつでも1罰打で直前のストロークが行われた箇所から再プレーすることができます(規則18.1)。

この質問で気になったのは、同伴プレーヤーの「助言」という言葉です。

もし同伴プレーヤーが、バンカーにある球のライを見て、
打てそうにないと思い、「アンプレヤブルしたらいいんじゃない」とか
「自分だったらアンプレヤブルする」とプレーヤーに言ったとすると、
それはプレーする方法の決定に影響を与えた可能性があるのでアドバイスを与えたことになり、
その同伴プレーヤーは2罰打を受けます。
(定義:アドバイス)

プレーヤー本人は、そのアドバイスに従ったとしても、
そもそもアドバイスを求めていなければ罰はありません。
また同伴プレーヤーはアンプレヤブルの処置の方法を伝えていますが、
その方法が正しいか誤りかに関わらず、規則を知らせることはアドバイスには含みません。

覚えて頂けると幸いです。

8月9日(土)
パッティンググリーン周辺の縁取り用の溝解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

5月に台湾で開催されたCTBCレディスオープンは
台北にある東方高爾夫球場(Orient Golf & Country Club)で開催されました。

2ラウンド目の14番グリーンでルーリング要請があったので行ってみると、
プレーヤーの球がグリーン周りの縁取り用の溝の上に止まっていました。

この大会では追加ローカルルールで
ローカルルールひな型F-19の「パッティンググリーン周辺の縁取り用の溝」を採用しており、
溝に球が触れていたり、溝が意図するスイングの障害となる場合、罰なしの救済が認められました。


プレーヤーの球はパッティンググリーンにあったので、
規則16.1dに基づいてパッティンググリーンでの異常なコース状態から障害がある状態と同様に救済が受けられます。

そして完全な救済のニヤレストポイントは、
溝に球が触れず、また意図するスイングの障害が避けられる、
ホールに近づかないパッティンググリーンかジェネラルエリアに球をプレースしなければなりません。

このようなルーリングでは、多くの場合、
救済箇所は球の止まっていた地点のすぐ後ろのカラーとなります。


何故なら、通常、ニヤレストポイントを決めるとき、
まず球から等距離にその基点があるか探っていきますが、
ちょうどそこには円型に溝が切られていて、等距離上のニヤレストポイントは球から遠ざかっていきます。

また、プレーヤーはパッティンググリーン上にある球の救済をそのグリーン上にしようとしますが、
実はカラーの方がより近い救済箇所になることが多く、その事実を見逃してしまうことがあります。

このローカルルールの注意点は、
切り溝が意図するスタンスやプレーの線上にあったとしても救済が認められないことです。

つまり 救済のニヤレストポイントを決めるときも、
溝がスタンスやプレーの線上にあっても問題ありません。


8月16日(土)
「教えて!Nory」解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

【質問】

ガードバンカーから出したボールがカラーで止まってしまいました。

そこでパターでアプローチをしようとしたらライン上にバンカーの砂が散らばっていました。

小さな砂粒なら問題はないのですが、砂が固まって6~7㎜ぐらいの大きさがあるものが幾つかあります。

これはルースインペディメントとして取り除いても良いのでしょうか。

よろしくご教示お願いします。

【解説】

ご質問者様、ご質問有難うございます。

答えは状況によりYesとNoです。

それはプレーヤーの球がカラーに止まる前にあった砂か、
球が止まった後に砂が飛んできたかによります。


もしプレーヤーの球がカラーに止まった後に砂が飛んできたとします。

例えば、同伴プレーヤーがバンカーから打った際に、
カラーに砂を飛ばしてプレーヤーのプレーの線上に砂の塊が止まりました。

この場合、規則8.1dの「球が止まった後に悪化した状態の復元」が適用となり、
同伴プレーヤーがバンカーからプレーして飛ばした砂をすべて取り除き、元の状態に復元することができます。


何故なら、プレーヤーは球が止まったときに得ていたストロークに影響を及ぼす状態について権利があるからです。

一方、プレーヤーの球がカラーに止まる前から砂があった、またはプレーヤー本人が状態を悪化させたのであれば、
カラーにある砂はそのサイズや塊になっているかに関わらず取り除くことはできません。

それは規則8の「コースはあるがままにプレー」の目的に書かれている通り、
「プレーヤーの球が止まった場合、プレーヤーはストロークに
影響を及ぼす状態を通常は受け入れなければならず、
その球をプレーする前にその状態を改善してはならない」からです。


もしご質問者様のケースがこれに該当する場合、パターでその砂の塊の影響を考慮しながらストロークするか、
ウェッジなどのクラブに変えてプレーすることになります。

或いは、あまり現実的ではありませんが、1罰打でアンプレヤブルという選択肢もあります。

また砂はルースインペディメントではありません。

規則では、球がどこに止まっているかに関わらずパッティンググリーンにある砂は取り除くことができますが、
それ以外のコースエリアでは、ストロークに影響を及ぼす状態にある砂を取り除くと、
規則8.1aの違反で2罰打を受ける
ので気を付けましょう。

8月23日(土)
リッキー・ファウラーが2人のレフェリーと救済を巡って議論となる解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

5月に開催されたPGAツアーのチャールズ・シュワブ・チャレンジの第1ラウンド。

14番ホール(パー4)のティーショットを右に曲げ、球はOBを定める鉄柵から2.5cmの繁みに止まりました。

鉄柵そのものは境界物なので、たとえスイングの障害となっても罰なしの救済はありません。

しかしその球をプレーしようとするとスタンスがカート道にかかるので、
ファウラーは障害物から罰なしの救済が受けられるかを確認するためにレフェリーを要請しました。

現場に到着したレフェリーは、「もしカート道がなければこの球をどのように打つか」と訊ねました。

するとファウラーは「56度か60度のウェッジを被せてストロークして左の木々の上を狙う」と言いました。

しかしレフェリーは、そのようなストロークが合理的なのか疑問に思います。

そこでセカンドオピニオンを要請しました。

2人目のレフェリーは、繁みにある球のライを覗き込み、
「球が鉄柵に近接している為、カート道がここになければ、そのようなショットを実際に打つとは思えないし、リスクが高すぎる。
このままプレーするか、アンプレヤブルの選択肢しかない」
と選手に伝え、カート道から罰なしの救済を認めませんでした。

規則16.1a(3)には、「明らかに不合理な場合、救済はない」という項目があります。

これはカート道のような異常なコース状態から罰なしの救済を受ける場合、
球のライ、スタンスやスイングの障害があるという理由だけで無条件に救済が受けられる訳ではありません。


例えば、もし球が垣根の中にあって明らかにストロークすることができない場合、
その垣根のそばにカート道があり、球に対してスタンスを取った時にカート道に足がかかっても、
そもそも打てない状態ならば救済は認められません。

このケースでは、レフェリーは2人ともこの規則に基づいてファウラーの言い分は合理的ではないと判断して、
カート道からの救済を認めませんでした。

しかしその直後、ファウラーがあるがままの状態でストロークをすると、宣言どおりに見事なリカバリーショットを打ったのです。

つまりファウラーの言い分は合理的であり、
レフェリーはファウラーに対してカート道からの救済を認めるべきだったことを証明しました。

罰なしの救済には、必ず例外として、その救済が合理的か否かの判断をしなければなりません。

これは時として、非常に難しい判断を迫られることがあります。

稀ではありますが、プレーヤーは罰なしの救済を受けたいがために非現実的なストロークの方法を言うこともあります。

しかしツアープロのレベルを考慮すると、私達の想像を超えるショットを打ちます。

ファウラーはこのとき「もしかしたらそういうショットを打てるかもしれない」と曖昧な表現にとどまらず、
「アンプレヤブルの選択肢より、実際に球の止まっているところから打つのが最善だから、そのままプレーする」と断言しました。

レフェリーにとってそれが合理的と思えなくとも、明らかに不合理でなければ罰なしの救済を認めてよいと思いました。

Recommend Contentsオススメのコンテンツ

キャンペーン・特集一覧