楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2024年2月放送分楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2024年2月放送分

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2月3日(土)
「教えて!Nory」解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

【質問】

パッティンググリーン上での球の拾い上げについての質問です。

4人でキャディー付きのラウンドでした。プレーヤーA、B、C、Dとします。BとCは夫婦。

あるホールで、Bの球のみグリーン脇にあり、3人の球はグリーン上にありました。
Bがアプローチするときに、Aの球がカップとの間にあったので、Aがマークして拾い上げようと動きだそうとしたときに、
球の近くにいたCさんがAの球をマークして拾い上げてしまいました。
AはCに球の拾い上げについて依頼していません。

この場合、罰はつくのでしょうか。また誰にいくつの罰になりますか。
規則14によれば、球を拾い上げることができるのはプレーヤーか、
そのプレーヤーの承認を受けた者とあります。

パッティンググリーン上では、キャディーはプレーヤーの承認が無くても、
球を拾い上げることができるとあります。



【解説】

ご質問ありがとうございます!

このケースでは誰にも罰はつきません。
何故なら、ストロークプレーにおいて同伴プレーヤー同士は外的影響となるからです。
外的影響とは、外部からもたらされた影響という意味です。
例えばカラスなどの動物も外的影響です。

規則9.6には、
「外的影響がプレーヤーの止まっている球を拾い上げたり、
動かした場合、罰はない」
とあります。

それなのでCさんがBさんの球を動かしても誰にも罰はなく、
その球をリプレースすればよいだけです。
これはCさんがマークをせずにBの球を拾い上げたとしても、
或いはフェアウェイで誤ってCさんがBさんの球を蹴って動かしてしまっても無罰となります。

ストロークプレーでは同伴プレーヤーは外的影響とお伝えしましたが、
これがマッチプレーでは外的影響ではなくなります。

マッチプレーでは、規則9.5が適用され、
「相手がプレーヤーの止まっている球を拾い上げたり、動かしてしまった場合、
動かしたプレーヤー(相手)に1罰打がつき、その球をリプレースしなければなりません」。
しかしこれには幾つか例外があり、球の捜索中か、プレーヤーの承認を受けたか、
グリーン上で相手の球をマークして拾い上げたのであれば無罰となります。
(規則9.5例外)

昔は質問者さんが最後に指摘しました
「規則14によれば、球の拾い上げはプレーヤーかプレーヤーの承認を受けた者」というご指摘ですが、
これはストロークプレーでは主にプレーヤーのキャディーに該当します。

それは同伴プレーヤーが承認なしでプレーヤーの球を拾い上げても罰はないからです。
しかしマッチプレーでは、相手のプレーヤーもこの規則に関わり、違反をすると1罰打となります。

幾つか例外はあるものの、基本的には相手の球を拾い上げるときは、
常に承認を得るようにしましょう。
(規則9.5)

2月10日(土)
14本のクラブの制限解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

昨年の富士通レディースの2日目。
10番ホールのセカンド地点でルーリング要請がありました。

プレーヤーの球はフェアウェイにあり、球はくい込んでもいなかったので、
何が問題なのか予測できずに近づいたら、
「キャディーバッグにクラブが17本入っている」と少し恥ずかそうに言うのです。

プレーヤーは、この日、10番ホールからのスタートで、
練習場で色々なクラブを試していたのでしょう。
試打したクラブをそのままキャディーバッグに入れてスタートしてしまったのです。

プレーヤーはこれが超過クラブの違反であると知ってはいたものの、
それが1本だけでなく3本ものクラブを余計に入れてスタートしてしまったことに疑問を感じ、
「これは1本多いごとに2罰打を足していくのか」と聞かれました。
つまり10番ホールに3本×2罰打の計6罰打が課されるのかを確認したかったのです。

私もこれまで超過クラブの裁定に何度か立ち会ってきましたが、
さすがに17本という本数は初めてで、その質問に一瞬ハッとしました。

しかし規則4.1b(1)には、
「14本を超えるクラブでスタートしてはならない」と書いてあり、
それが14本より何本多くてもそのホールに2罰打とあります。


それなのでプレーヤーは10番ホールに2罰打を足し、
17本の中から3本選び、それをプレーから除外する手続きを行い、
そのあとで2打目をプレーしていきました。(規則4.1c(1))

この教訓として、競技に参加するプレーヤーは、
スタート前に必ずクラブの本数を確認するようにしましょう。

スタート前に練習場で新しいクラブを試打したり、
スイングチェックするのはもちろんですが、
クラブの本数を確認するのも等しく大事です。


怠ってしまうと、スタートから出鼻を挫かれることがあるので、
是非とも習慣にしてください。

2月17日(土)
ドローンカメラなど解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

ここ数年、JLPGAツアーではテレビ放映の際に、
ドローンカメラを使って上空から試合を撮影することが増えました。

これは昨年の日本女子オープンや全英女子オープンでも使用され、
今後も他の試合で増えていくと思われます。

ドローンカメラは飛行しながら撮影することで、
上空からコースの景色やレイアウトを見映えよく、
そして躍動感ある画を撮ることができます。

他に珍しい撮影方法と言えばバンカーカメラです。
バンカーカメラとは、主にグリーン手前に人の背たけほどの高い壁のバンカーがある場合、
その壁に穴を空け、カメラを挿入して撮影することです。
これにより視聴者はバンカーからのプレーを間近で見ることができるようになりました。

あまり多くの試合で採用されてはいませんが、
過去に東京オリンピックや全米女子オープンで使われました。

このようなバンカーカメラやドローンカメラは、人工物である為、
プレーに影響する場合は、どのように扱うかをローカルルールで定めます。


例えば、バンカーカメラは動かせない障害物とし、
万が一、球がバンカーカメラの穴に入ったりした場合は、
規則16に基づいて異常なコース状態からの救済をします。

またドローンカメラは、ローカルルールで
「インバウンズに飛んでいるドローンに打った球が当たった場合は、
ストロークを取り消して再プレーをしなければならない」と定めます。

このローカルルールなしに球がドローンカメラに当たった場合は、
球が飛んでいる鳥に当たったと同様に、当たって止まったところからプレーをすることになるので、
ローカルルールに定めることはとても重要になります。

今後、ドローンカメラの使用が増えていくと見込んで、
これまで追加ローカルルールに記載していたのを、
今シーズンからJLPGAのハードカードに入れることになりました。


このように時代に合わせて、新たな規則やローカルルールは作られています。

2月24日(土)
「教えて!Nory」解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

【質問】

コンペでのショートホールにて。

我が組が皆グリーンオンし、マークしました。
前が詰まっていたので後続組にティーショットを打たせました。
その球がグリーンを外れて池に入りそうになったので足で止めました。

止めたのが同組の人なら止めた人は2罰打で、
ショットした人は入ったとされる池の処置をすると思います。
しかし、前の組のプレーヤーが止めた場合はどう処置するのでしょう。
よろしくお願い致します。



【解説】

ご質問ありがとうございます!

この場合、プレーヤーが同じ組であるか前の組であるかに関わらず、
足で球を止めたプレーヤーに2罰打がつきます。

それは偶然に足に球が止まったのではなく、
池に入るのを防ごうと故意に足で球を止めたという理由で、
規則11.2の違反となるからです。


ストロークプレーでは、
プレーヤーがその競技の全ての他のプレーヤーと競うプレー形式です。
つまり組に関係なく、その競技に参加している全てのプレーヤーに同じ規則が適用されます。

処置の方法は、ご指摘された通りで、
もし球が止められていなかったら、
その球が止まっていたと推定する箇所に基づいて救済をします。

今回の場合は
レッドペナルティーエリアに入ったと推定できるので、
その球が最後に縁を横切ったと推定する地点から1罰打で
ラテラル救済をすることができます。
(規則11.2c(1)例外)

もちろんそれ以外のペナルティーエリアの救済の選択肢として、
後方線上の救済やティーからストロークと距離の救済も可能です。

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