楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2023年10月放送分楽天GORA presents タケ小山のルール・ザ・ワールド 2023年10月放送分

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10月7日(土)
「教えて!Nory」ドロップゾーンの使い方解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

【質問】

時々、池ポチャするのですが、ドロップゾーンの設置がある場合は、
そこから打たなければならないのでしょうか?



【解説】

ご質問ありがとうございます!

ドロップゾーンから強制的に打たなければならないかは、
プレーしているコース、或いはプレーしている競技のローカルルールによります。

競技に参加していない場合、
そのコースのスコアカードの裏側にローカルルールが記載されているので確認してみて下さい。
また競技の場合は、その競技のローカルルールを掲示板などでご確認ください。

JLPGAの場合、
池や川などのペナルティーエリアでドロップゾーンを設けることが稀にありますが、
そこから強制的にプレーさせることはありません。
あくまで通常救済の追加の選択肢として扱っています。

つまり、後方線上からの救済やラテラル救済の処置よりも、
ドロップゾーンからプレーをしたい場合、
1罰打でドロップゾーンに球をドロップしてプレーすることができます。


何故、敢えてドロップゾーンを設けるかと言いますと、
例えばホールに沿って右側にバンカーが長く続いていて、
その右側がすべて池になっている場合があります。

このようなホールで球が右の池に入って、レッドペナルティーエリアからラテラル救済をする際、
最後に球が赤線の縁を横切るのがバンカー内になるので、
そのバンカーに球をドロップすることになります。

そしてバンカーに球をドロップすると球半分が砂に埋まってしまうという不公平感がある為、
バンカーの左側のジェネラルエリアにドロップゾーンを設けることがあります。

このようなケースでドロップゾーンがあると、
ほとんどのプレーヤーはドロップゾーンからプレーすることを選びます。
これは先月開催された山陽新聞レディースカップの18番ホールなどで適用しています。

10月14日(土)
通常の中断での出来事解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

あおもりレディスオープンの初日にあったルーリングです。

朝から激しい雨が降り、コース内のバンカーとフェアウェイの水溜まりが増してきたため、
コースコンディション不良で12時半に通常のプレーの中断としました。

通常の中断は即時中断と違い、雷の危険が伴わないため、その時点でプレーを中断するか、
プレーしているホールに限り、ホールアウトするまでプレーを続けることができます。


この中断のエアホンが鳴ったとき、4番パー4のセカンド地点にフォーサムの組がおり、
その一人のA選手は、フェアウェイにある自分の球にマークをして拾い上げたのでした。

これはプレーを中断したとみなされる行動で、一度プレーを中断すると、
再開のエアホンが鳴るまでプレーはできません(規則5.7b(2))。

ところが他の3人は、そのホールを終えたい気持ちがあり、球には触れずにそのままにしていました。
これに気づいたA選手は、それなら私も一緒にホールアウトしようと思ったのですが、
一度マークして拾い上げた球を元の位置にリプレースしてプレーを続けてよいかと質問がありました。

これに対応した競技委員は、再開のエアホンが鳴るまでプレーはできないと答えました。
そして他の3人が4番ホールのプレーを終えるまで、マーカーとしてプレーを見守ることにしました。

もしA選手が、この違反をした場合、失格となります(規則5.7b)。
それなので、競技委員にルールの確認をしたのは正解でした。

このように通常の中断となった場合、
同伴プレーヤーとどうするか相談してから行動に移すほうが賢明かと思います。

因みにこの相談時間は2分以内とされています。

10月21日(土)
パッティンググリーン上に球をドロップする解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

グリーン上で何らかの救済の処置をするとき、
球をリプレースするかプレースすることを想像するのではないでしょうか。

例えば、グリーン上で偶然に球を動かした場合は元の位置にリプレース。
またグリーン上に水溜まりがあって一時的な水の救済をするときは、
球を障害が避けられる新しい箇所にプレースします。

ところが幾つかのケースで、球をグリーン上にドロップする処置があるので、
今回はその中のひとつを紹介します。

例えば、グリーン周りが池に囲まれていて、
セカンド地点から打った球がグリーンにヒットしたものの、
転がってそのまま池に入ってしまうことがあります。

このとき、ほとんどのプレーヤーはラテラル救済を選び、
球が最後にレッドペナルティーエリアを横切った縁からホールに近づかない2クラブレングス以内にドロップします。
そしてこの2クラブレングス以内の救済エリアにグリーンが含まれていれば、
そのグリーン上にドロップすることができます。

ここで注意しなければならないのは、
グリーン上にドロップした球がカラーに転がって止まった場合、
たとえそのカラーの部分が救済エリア内だとしても、再ドロップしなければなりません。


あくまでドロップしたときに、
球が最初に地面に触れたのと同じコースエリアに球が止まらなければいけません。(規則17.1d(3))

つまりグリーンにドロップした球は、救済エリア内のグリーンに止まって、
ようやく正しくインプレーとなります。

10月28日(土)
「教えて!Nory」見失った球の判断解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん

【質問】

バンカーに雨水が溜まり大きな池になっている状況でした。
150y手前から打った球がそこに入ったように見えたので、レーキで探りましたが見つからず。

同伴プレーヤー3人とキャディーも水たまりのバンカー入ったと判断した為、
無罰でバンカー内にドロップし、プレーしてホールアウトしました。

ところが次のホールへの移動中にその球を発見。
5人が判断した結果とその後に発覚した事実はどう判断するのでしょう。
5人の判断は95%とは言えないのでしょうか。



【解説】

ご質問ありがとうございます!

ここでのポイントは仰る通り、球がバンカーの水溜まりに入ったのが
「分かっている、または事実上確実」であるかどうか
ということになります。

この「分かっている」というのは、球がバンカーの水溜まりに入ったのを誰かが実際に見たことを意味します。
そして「事実上確実」とは、実際に見えなかったものの、
バンカーの水溜まりに入ったであろう可能性が95%以上でなければいけません。

例えば、バンカー内の水しぶきが上がるのが見えた。または、球がバンカーの水溜まりになかったとしたら、
そのバンカー周りは木やブッシュがなく、芝も短く刈られているため、必ず見つかるという状況です。

またショットをしたときに球がフライヤーになる可能性の有無、ショットしたときの5人の立ち位置、
そしてバンカーはグリーン横にあるのか、奥にあるのかでも判断が分かれます。

もしバンカーがグリーン奥にあり、誰もグリーン近くにいなければ視界も限られて、
事実上確実とは言えなくなるでしょう。
それなので同意する人数が多ければよいというものではありません。

結果的に、球がバンカーの水溜まりに入ったのが
「分かっている、または事実上確実」ではないと判断された場合、
バンカー内にドロップしてプレーした球は、ストロークと距離の罰のもとにインプレーの球となります。


そして初めの球を最後にプレーした箇所より150y前であるため、
誤所からのプレーの重大な違反となります(規則14.7b(1))。

プレーヤーは150y地点のところまで戻り、
最後にプレーした箇所から正しくストロークと距離の救済をしなければいけません。

そして誤所からのプレーの2罰打とストロークと距離の1罰打で計3罰打をスコアに足さなければいけません。
もしこの処置をせずに、次のホールでティーショットをプレーしたら、その時点で失格となります。

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