- 4月5日(土)
- 「教えて!Nory」解説:(JLPGA競技委員)阿蘇紀子さん、中崎典子さん
【質問】
タケさん、ダブルノーリー先生、おはようございます。
TikTokで、コースの大きな池かクリークの横に留まっている巨大なワニの頭の上にボールが乗っている動画が流れてきました。
本当にプレーヤーの打球なのかも確認できないし、そもそも近づけないと思います。
こういう場合、プレーはどのように続けるのでしょうか?
日本にワニはいませんが、国内ならキツネがボールを咥えて逃げて行く動画を見たこともあります。
仮にキツネやカラスが咥えたボールをそのまま使うのはエキノコックスなどの病気が怖いです。
プレーヤーの安全が最優先で間違いないと思いますが、お二人の見解をお聞かせくださいませ。
【解説】
ご質問者様、ご質問有難うございます。
TikTokでその動画を見つけました。
池の脇の芝地でお昼寝をしているワニの頭に球が乗っているのですが、そのワニは微動だにしません。
そのすぐ側で、もう一匹のワニが池の中で大きな口を開けていました。
まずプレーヤーの球かどうかの確認ですが、
打ったショットが池に入ったことが分かっているか事実上確実なのであれば、
1罰打で最後にペナルティーエリアを横切った地点からペナルティーエリアの救済が受けられます。
もし池に入ったことが分からないのであれば、
ワニの近辺を捜索したりワニの頭にある球が自分のであるかを確認しなければなりません。
これは距離計測器や双眼鏡などを使って確認することもできますが、
3分間の捜索時間内に分からなければ紛失となります。
仮に、ワニの頭に乗っているのが自分の球だったとします。
その場合、ワニは危害を及ぼす可能性のある動物なので、
規則16.2に基づいて罰なしに「危険な動物の状態」から救済が受けられます。
救済方法は、異常なコース状態と変わらず完全な救済のニヤレストポイントを基点として、
ホールに近づかないワンクラブレングス以内に球をドロップします。
この場合の完全な救済のニヤレストポイントは、
球がある同じコースエリアで危険が存在しないホールに近づかない最も近い地点となります。
ワニはジェネラルエリアの芝地にいるので、ジェネラルエリアで基点を定めますが、
この動画ではおそらくワニから10ヤード離れたホールに近づかない辺りが安全かと思います。
そこに基点を決めたらワンクラブレングス以内の救済エリアに
別の球をドロップしてプレーを続けることが出来ます。
キツネの場合、危険な動物ではないのでワニのように規則16.2では扱いませんが、
球を咥えて動かされたときは規則9.6の「外的影響が拾い上げた、動かした球」が適用します。
この場合、動かされた球は元の位置にリプレースしなければなりません。
リプレースなので、初めの球がすぐに取り戻せる場合は、その動かされた球でリプレースしなければいけませんが、
感染の危険があるという理由で、委員会は別の球でリプレースを認めることができます。