石井忍の「練習場でうまくなる」第6回~ティをSWで打つ?!アプローチショットに自信をつける練習法
人工マットの上でアプローチ練習をしても効果は薄い
スコアアップにつながるのはロングショットよりもショートゲームであることに気づき、練習場で熱心にアプローチ練習をしている人は、すでにそれなりのスコアでプレーできる方だと思います。
一般的なゴルフ場は、パー3とパー5が4ホールずつ、パー4が10ホールでパー72という構成になっています。このようなゴルフ場でプレーする際、ドライバーでショットするのは多くても14回です。
これに対して、アプローチやパッティングなどのショートゲームは、少なく見積もっても2倍の28回、多ければ3倍の42回くらいになるのではないでしょうか。どちらを重点的に練習すべきかは一目瞭然です。
ただ、練習場の人工マットはヘッドが滑りやすいため、ヘッドが手前から入っても上手に打てた気になってしまいます。しかしコースに出ると、ヘッドがわずかに手前から入っただけでも、ボールはイメージしたとおりには飛びません。これでは実践的な練習とは言えないでしょう。
ティーアップしたボールをSWで打つ練習が効果的
では、どのような練習を行えばアプローチが上達するのでしょうか。私がオススメするのは、ティーアップしたボールをサンドウェッジ(SW)で打つ練習です。
一般的な練習場では、ボールをゴムティーでティーアップします。この状態で、クラブヘッドがゴムティーに当たることなく、ボールだけに当たるように打つのです。上手に打つことができれば、「カツン」と小気味いい音がしてボールが飛んでいくはずです。
ティーの高さは、普段のドライバーショットと同じ高さでOKです。ティーアップした分、クラブを短く持ちます。クラブを短く持ってゴムティーを打たないようにすると、最初のうちはトップしてしまうかもしれませんが、次第に慣れていくと思います。
打点が安定するとアプローチショットに自信がつく
ボールだけを上手に打てるようになると、打点が安定して、球の高さが揃ってくることが分かるでしょう。このように打てるようになれば、実際にコースに出た時もボールだけをきれいに拾う打ち方ができるようになります。
ただし、練習場によってはゴムティーがボロボロになってしまうという理由で、ティーアップしてアイアンを打つ練習を禁止しているケースもありますので、その点は気をつけてください。
教えてくれた人 石井忍(いしい・しのぶ)プロ
1974年8月27日生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年にプロ入り。翌年からツアー参戦。2014年に千葉県千葉市にあるゴルフ練習場「ジャパンゴルフスクール」内に「エースゴルフクラブ千葉」を設立。2016年には「エースゴルフクラブ神保町」もオープンし、アマチュア向けのレッスン活動も展開している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/小板直樹 撮影協力/エースゴルフクラブ千葉
石井忍の「練習場でうまくなる」記事一覧
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