石井忍の「練習場でうまくなる」第2回~がむしゃらに打つよりスイングチェック!まずは軸を整えてから
鏡を使ってスイング軸や前傾姿勢を整える
ゴルフ練習場に足を運んだ際、体をほぐすために軽い準備運動を行った後、すぐにボールを打ち始める人がほとんどだと思います。
練習場はボールを打つための場所ですから、それが間違いというわけではありません。ただ、ボールをがむしゃらに打ち続けているだけでは、上達につながる練習とは言えないでしょう。
上達につながる練習とは、(1) 正しい体の動きや正しいクラブの動きを覚える練習(セパレート状態の練習)と、(2) コースでのプレーにつながる練習(リンク状態の練習)です。ボールをがむしゃらに打ち続ける練習は、(1) にも (2) にも当てはまっていません。
それであれば、ボールを打たなくても上達につながる練習のほうが効果的かもしれません。
ボールをがむしゃらに打つよりもスイングチェックが効果的
私がオススメするのは、練習場に設置されている鏡を使ってスイングの形をチェックする方法です。コースで安定したショットを打つためには、正しい体の動きや正しいクラブの動きを覚えるのが近道です。自分の姿を鏡に映せば、正しい体の動きや正しいクラブの動きができているか確認できます。
まず、自分の姿を正面の鏡に映して、アドレスの姿勢とトップの姿勢をチェックします。私が重視しているのは、スイング軸を整えることです。スイング軸がぶれると飛距離が出ませんし、ショットの方向性も安定しません。
アドレスの際、胸板の前にクラブをかざして、スイング軸をイメージします。クラブを握る時は左手が上、右手が下になりますので、スイング軸は少しだけ右に傾きます。そして、この軸を中心に右手をトップの位置まで動かしてみてください。正しい捻転の仕方が体感できるはずです。
上体の前傾角度とリーディングエッジの角度が一致しているか確認
次に、自分の姿を後方の鏡に映した際のチェック方法です。
アドレスで股関節から前傾し、クラブのシャフトが地面と平行になる位置でテイクバックを止めます。この時、上体の前傾角度とクラブのリーディングエッジ(クラブフェースとソールの境目の刃の部分)の角度が一致しているか確認してください。
フェースが開き過ぎていたり、フェースが閉じ過ぎていたりしたら、その時点で正しいクラブの動きが損なわれていることになります。これを修正することによって、実際のスイングにも反映できるようになります。
ボールをがむしゃらに打ち続ける練習は、ショットの行方に一喜一憂できるので楽しいかもしれませんが、それが必ずしも上達につながるとは限りません。
ボールを打った球数に応じて上達するのであれば、ゴルフ歴が長い人や練習熱心な人はみんな上達しているはずです。でも、実際にはそうなっていないということは、上達につながる練習をしっかり見極めることが大事なのです。
教えてくれた人 石井忍(いしい・しのぶ)プロ
1974年8月27日生まれ、千葉県出身。日本大学ゴルフ部を経て1998年にプロ入り。翌年からツアー参戦。2014年に千葉県千葉市にあるゴルフ練習場「ジャパンゴルフスクール」内に「エースゴルフクラブ千葉」を設立。2016年には「エースゴルフクラブ神保町」もオープンし、アマチュア向けのレッスン活動も展開している。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/小板直樹 撮影協力/エースゴルフクラブ千葉
石井忍の「練習場でうまくなる」記事一覧
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