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QP関雅史のギア分析!第4回・ウェッジのバンス選びはアプローチ名人への近道

QP関雅史のギア分析!第4回・ウェッジのバンス選びはアプローチ名人への近道

ウェッジを選ぶ際、誰もが考えるのはロフト角。しかし、ロフト角以外にも見落としてはいけない要素がある。それはバンス角だ。同じロフト角でもバンス角によって、構えやすさ、振り抜き、出球さえも変わってくる。

バンスを制する者がグリーンまわりを征するといわれるが、あなたも自分が使いやすいバンスを見つけてアプローチ名人の称号を手に入れよう。

ハイバンスとローバンス、易しいのはどちらか

ウェッジはロフト角のほかにバンス角が選べるものも多い。そもそもバンスにはどんな役割があるのか。また、バンス角はどのように選んだらいいのか、関プロにアドバイスをお願いした。

「バンス角は、リーディングエッジとソールの頂点を結んだ直線と水平面の角度です。見た目、ソール面が出っ張っているのはバンス角の大きいハイバンスモデル、フラットなものはバンス角が小さいローバンスモデルで、ちなみにアイアンのソール面はほぼフラットで、ウェッジの中でもピッチングウェッジやアプローチウェッジは比較的ローバンスです。なぜサンドウェッジだけ大きなバンス角があるのかといえば、それはクラブの成り立ちに関係しています」

バンスを発明したのは、往年の名選手、ジーン・サラゼンだ。

バンカーが苦手だったサラゼンは、飛行機の翼にヒントを得て、ソール面に角度をつけることで、クラブを上から振り下ろすだけで、操作しなくてもフェースが勝手に上を向いてボールを上げてくれるようにした。これが現在のサンドウェッジの原型である。

「バンカーで砂に潜らせないことがバンスの一番の役割ですが、アプローチショットでも効果を発揮してくれます。インパクトで、ボールにコンタクトするよりも先にソールが地面に当たるので、ヘッドが手前に入ってもソールが滑ってボールを拾ってくれるのです」

迷ったときはハイバンスを選ぶのが鉄則

市販のサンドウェッジにはバンス角の種類が8度から16度くらいまである。どれを選べばいいのだろうか。

「一般的に12度以上がハイバンス、それ以下がローバンスに分けられますが、サンドウェッジはそもそも苦手を克服するために考えられたクラブです。したがって、自分の弱点を補ってくれるものを選ぶべきです。アプローチでダフリやチャックリが出やすい人は迷わずハイバンス。ミスそのものが減るし、ミスを気にせず思い切って打てるので結果的にピンに寄ることが多くなるはずです。また、砂を飛ばすパワーが大きいのでバンカーショットが飛ばない人にもおすすめします」

一方、フェースを開いたり、ボールだけをクリーンに拾ったり、細工がしやすいのがローバンスだ。

「アプローチに自信のある人やこれからいろいろな技術を身につけたい人に向いています。リーディングエッジが浮いていると気になる人もローバンスを選ぶ傾向がありますが、ショップの硬い床でかまえたときに座りが悪いと感じても、コースの軟かい芝の上ではソールが沈むのでそれほど気にならないものです。ミスを減らすことがサンドウェッジの大きな役割なので迷ったら大きめのバンス角を選びましょう」

アプローチやバンカーショットをオートマチックに打ちたければハイバンス、練習を積んでテクニックを磨きたければローバンス。そこさえ抑えておけばサンドウェッジ選びで後悔することはなさそうだ。

構成/吉田宏昭(ゴルフライター)
撮影/鈴木祥

教えてくれた人: 関雅史(せき・まさし)プロ

1974年9月28日生まれ、PGA公認A級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ1万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。

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