QP関雅史のギア分析!第16回・入るパターと出会える線の法則
2021.12.03
ラウンドを左右する勝負どころのパット。
そのパットが入らなかったのは、まっすぐに構えられなかったからかもしれない。ショットの成否の8割はアドレスで決まるとよくいわれるが、同じことがパッティングにも当てはまる。したがってパターを選ぶ際には、何よりも構えやすいことが大事だ。
では、構えやすいパターとはどういうものなのか? 関雅史プロに訊いた。
アドレスはストロークよりも大事
「パットが入らない原因の多くはアドレスにあります。いくらいいストロークをしても、構える方向が間違っていたら絶対にカップインしません。そこで、目標に対して自分がまっすぐ構えやすいパターを見つける必要があります」と関プロ。
それでは、どんなパターがまっすぐ構えやすいのか。パターのどこを見て目標に合わせているのかは人それぞれなので、答えは自分の中にある。
「パターの縦(トゥ・ヒール方向)のラインを見て、目標に直角に合わせる人は、縦のラインが多いピンタイプが向いています。横のラインを目標に平行に合わせる人は、ヘッドの幅が大きい大型マレットやマレットで目印のラインが入っているものを選ぶといいでしょう。また、最近は、視覚効果を重視してデザインされたパターも増えているので、まっすぐ構えているつもりなのに、出だしからラインに乗らないというような人は試してみてください。実際のところ、本当にまっすぐ構えられているかどうか自分ではわからないので、これはと思うパターが見つかったら、購入する前にプロやショップの人にチェックしてもらうことをおすすめします」
パターこそフィッティングして欲しい
売っているパターから選んでそのままの状態で使う人は多いが、自分の構えに合わせてパターをフィッティングすることも大切だ。よくある失敗は試打用パターを何球か転がしただけで、よく入ると思ってそのまま購入してしまうパターン。
「そのときたまたま入ったとしても、無意識のうちにパターに合わせているだけかもしれず、それが続くとは限りません。パターに合わせるのではなく、パターを自分に合わせることが安定したストロークの条件。最低限、自分の構えにパターの長さを合わせなければ、いつも同じようにストロークをすることができません」
自分に合った長さは簡単に見つけられる。
「上体を前傾させ、両手を合わせて自然に垂らします。そのときの手の位置でグリップを握れるようにしてください。それが自分に合った長さです」
ポイントは両ひじを自然に伸ばして構えることだ。昔はよく両ひじを曲げて五角形を作り、それを崩さないようにストロークするように教えられたものだが、それは大きな誤解と関プロは断言する。
「海外から輸入したパターをそのまま使っていたから、そういうふうに構えざるをえなかっただけです。ショットのときにひじを曲げて構える人はいません。パターも同じで、ひじは伸ばして構えるのが基本。握ってみてひじが曲がってしまうようなら、短めの長さを選ぶか、ちょうどいい長さがなければシャフトをカットして使いましょう」
入るパターは構えやすい。そして、構えやすいから入る。それが結論だ。
教えてくれた人: 関雅史(せき・まさし)プロ
1974年9月28日生まれ、PGA公認A級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ1万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。
構成/吉田宏昭(ゴルフライター) 撮影/鈴木祥
撮影協力/ゴルフフィールズ
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