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QP関雅史のギア分析!第22回・一番飛ぶロフト角はどうやって見つける?

QP関雅史のギア分析!第22回・一番飛ぶロフト角はどうやって見つける?

Q.ドライバーのロフト角は、どのモデルも1度刻みにラインアップされていることが多いですが、自分に適正なものはどうやって選べばいいのでしょうか。また、ロフト角が万が一適正ではなかったとして、どれくらい飛距離をロスするものですか?

A.ヘッドスピードの速い人は9度前後、平均的な人は10度前後、遅い人は11度以上といわれていますが、ドライバーのモデルや打ち方によって適正ロフトは前後します。これまでのフィッティングの経験上、ロフト角のミスマッチで20ヤード以上も距離をロスする場合もあります。ドライバーを購入する際は、きちんとフィッティングを受けることをおすすめします。

ロフト選びの基準はボールの打ち出し角

いまどきの計測機器を使えば、スイング中のクラブの動きや、ボールの打ち出し条件(初速、打ち出し角、スピン量)など詳細な解析ができる。スタジオで自らクラブフィッティングを行う関雅史プロによれば、ロフト角を合わせる際にもっとも大事なのはボールの打ち出し角だという。

「フィッティングの現場で、ロフト角を決めるとき基準にしているのはボールの打ち出し角です。ヘッドスピードが43メートル/秒以上の人は10度から12度。それ以下の人なら15度前後がもっとも飛ぶというのが、これまでの経験上得られた結果です。したがって、その人に適正なロフト角は、打ち出し角がこの数値に近いものということになります。ちなみに、ヘッドスピードの速い人の最適打ち出し角が低いのは、空気抵抗の影響が大きく、打ち出し角が高すぎると吹き上がって飛距離をロスするためです。一方、遅い人の最適打ち出し角が高いのは、十分な揚力を得られないため、球がドロップして飛ばなくなるからです」

クラブが替われば最適ロフトも変わる

ロフト角は一度決めたら同じではなく、買い替えるたびにフィッティングを受ける必要がある。

「とくにドライバーの場合、表示してあるロフト角と実際のロフト角は一致しているとは限りません。中にはほぼ同じものもありますが、たいていは表示ロフトよりもリアルロフトの方が大きく、中には2度以上寝ているものもあります。また、そのヘッドの重心が前にあるか後ろにあるかによって、ボールの上がりやすさは変わります。つまり、表示ロフトが同じ9度でも、選ぶヘッドによって打ち出し角にはかなり差が出ることもあるのです。さらにいえば、スイングやヘッドスピードも1年も経てば変わります。したがって、自分にはこのロフト角が合うからと試打もせずに決めてしまうのは失敗の元。面倒がらず、ドライバーを買い替えるたびにフィッティングを受けるようにしましょう。また、アングル調節機能付きのドライバーを購入する場合も、後から自己判断で調整するのはなかなか難しいと思います。最初にきちんと計測してもらって、そのとき一番飛ぶロフト角に合わせておくのがおすすめです」

自己判断や思い込みによるロフト選びは間違いの原因。せっかく買ったドライバーを宝の持ち腐れにしないためにも、購入前のフィッティングは欠かせない。

教えてくれた人 関雅史(せき・まさし)プロ

1974年9月28日生まれ、PGA公認A級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ1万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。
構成/吉田宏昭(ゴルフライター) 撮影/斉藤秀人 撮影協力/ゴルフフィールズ

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