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稲津暢の「できるビジネスマンはなぜゴルフがうまいのか」第7回~常に2パットで入れるためにはどうすれば

稲津暢の「できるビジネスマンはなぜゴルフがうまいのか」第7回~常に2パットで入れるためにはどうすれば

ゴルフがうまいビジネスマンは本当の数字を知っている

ゴルフのスコアを効率的に減らしたいのであれば、パターやアプローチなどのショートゲームにお金も時間もかけたほうがいいという話をしました。
でも実際は、ショートゲームの練習が苦手という人は非常に多いです。ドライバーやアイアンなど、ボールがそれなりに遠くへ飛ぶショットの練習は、肉体的にも精神的にも爽快感があります。それに比べて、ショートゲームの練習は地味ですからね。
また、パターの練習をやらない理由として、「どうせ狙ったところに打っても入らないから」と答える人がいます。この人の言うことは、ある意味では正しいです。世界最高峰のPGAツアーの選手でも、パットはなかなか入らないのです。

世界のトッププロでも6メートル以上はほとんど入らない

デーブ・ペルツの教本によると、PGAツアーの選手でも1メートルのパットが入る確率は90パーセントです。10回に1回は外しています。そして3メートルだと60パーセント、6メートルだと20パーセントにも達していません。
トーナメント中継を見ていると、1メートルのパットはほぼ100パーセント入り、3メートルのパットもかなり高い確率で決めているイメージがあります。10メートル以上のロングパットを決めるシーンもよく見かけますが、それは優勝争いをしている選手を映しているからです。
実際に全選手の平均データを見ると、そんなに入っていません。ちゃんとした統計データがありますから、本当の数字を見て理解することは大事です。
そして、トッププロでもパットがなかなか入らない理由は、グリーンの傾斜を読むのが難しいからです。プロゴルファーは試合前に練習ラウンドで下調べを行い、試合中もキャディと2人がかりでグリーンの傾斜を読みます。
しかし、芝生も生き物です。午前と午後では長さが変わりますし、多くの人に踏まれて葉先の向きも変わってきます。したがって、狙ったところに打っても入らないことがあるのは事実です。

常に2パットで入れるためにはどうしたらいいか考えるべき

では、狙ったところに打っても入らないから、練習しなくてもいいのでしょうか。それは違うということも、数字を見れば分かります。
ファーストパットが1メートルまで近づけば、次のパットは90パーセントの確率で入ります。ファーストパットが3メートルしか近づかなかったら、次のパットは60パーセントしか入りません。3パットの危険性が高くなるわけです。
ですから、グリーンの傾斜は読めないかもしれませんが、常に2パットで入れられるためにはどうしたらいいかを考えるべきです。
プロ並みの90パーセントとは言わないまでも、1メートルの距離を高確率で入れられるように練習し、その自信を元にファーストパットを半径1メートルの範囲内にどうやって近づけるかを考えるのが、ゴルフがうまいビジネスマンの発想です。

教えてくれた人:稲津暢(いなつ・とおる)さん

1979年生まれ。國學院大學経済学部卒、テキサス州立大学大学院にて経営学修士(MBA)。MBA取得後にプロ宣言し、PGAツアーのマンデー予選を中心にアメリカのミニツアーに参戦。その後、国内大手コンサルティング会社に入社し、基幹業務システム導入やマーケティング戦略立案に従事。2008年、IF Business Consulting株式会社を設立。企業経営者に特化したゴルフレッスンとコンサルティングサービスを提供している。
構成/保井友秀(ゴルフライター)

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