稲津暢の「できるビジネスマンはなぜゴルフがうまいのか」第8回~自分の強みと弱みを考えることが大事
ゴルフがうまいビジネスマンは目標設定が明確
ゴルフのスコアを効率よく減らすためには、レッスンを受けるのが効果的であったり、自分に合ったクラブを使うのが効果的であったり、ショートゲームを練習したほうが効果的であったりします。
でも、最も大事なのは、これらのことを人から言われてやるのではなく、常に自分で考えて選択し、アクションプランを決めていくことです。
たとえば、初ラウンドを140くらいのスコアで回って、何から手をつけていいか分からないという状況でも、短期間で上達する人はゴルフに対する定義づけがとてもスムーズです。
ゴルフ=スコアメイキングという定義づけをしたら、100を切るには何をしたらいいか、90を切るには何をしたらいいか、80を切るには何をしたらいいかを自分で考えて、それをいつまでに達成するかというスケジュール管理もしっかりしていきます。
大人になってから始めるスポーツだからこそ、ゼロから始める時に大人の発想で取り組めます。ビジネスの手法、発想が生きてくるわけです。
自分の強みと弱みは何なのか考えることが大事
そして、100を切るには何をしたらいいかというのは、人によって違います。コースデビューの際に、パッティングが面白いと思ったら、そこからトライしていけばいいでしょう。ドライバーが打てなかったとしたら、そこから始めても構いません。まずは自分の強みと弱みが何なのかを考えることが、取り組みの第一歩になると思います。
そして、強みを伸ばすためにはどうしたらいいか、弱みを克服するにはどうしたらいいかを、自分で考えていくのです。そうやって、スコアを縮めるためのPDCAサイクルをどんどん回していきます。
自分の上達にとって何が最適かを自分で考える
僕自身、ゴルフを始めてからずっと、人に教わることによってスコアが良くなるという単純なマインドだったのですが、スコアがアンダーを出せるようになった時に、それ以上のスコアを出すためには自分に何が必要かを考えさせられました。
そのスコアから、さらに上のスコアを目指すとなると、教えることができるコーチも限られてきます。人に何かを教わるにしても、自分の中でスコアを縮める余地を見つけ、そのことを教わりたいから誰に習いたいということを決めないと、教わる人が見つからないのです。
このことは、実はどんなレベルのゴルファーも同じで、自分の上達にとって何が最適かを自分で考えることが、最も効率的に上達する秘訣と言えます。
教えてくれた人:稲津暢(いなつ・とおる)さん
1979年生まれ。國學院大學経済学部卒、テキサス州立大学大学院にて経営学修士(MBA)。MBA取得後にプロ宣言し、PGAツアーのマンデー予選を中心にアメリカのミニツアーに参戦。その後、国内大手コンサルティング会社に入社し、基幹業務システム導入やマーケティング戦略立案に従事。2008年、IF Business Consulting株式会社を設立。企業経営者に特化したゴルフレッスンとコンサルティングサービスを提供している。
構成/保井友秀(ゴルフライター)
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(1) 仮説検証能力を磨く編 - (2) 自分に足りないものは編 - (3) レッスンに受け身にならない編 - (4) 譲り受けたクラブを最適化編 - (5) 新製品に飛びつかない編 - (6) ドライバーよりパター選び編 - (7) 常に2パットで入れるために編 - (8) 自分の強みと弱みを考える編 - (9) かけた予算をムダにしない編 - (10) 経験したスポーツと比較編 - (11) 練習量に応じた変化はあるか編 - (12) ゴルフと英語を同時に学ぶ編