QP関雅史のギア分析!第8回・イメージどおり飛ばせる!タイプ別アイアン選びのコツ
2021.12.03
ゴルフショップに行くと数多くのアイアンが並んでいて、いったいどれが一番自分に合うのか?と疑問に思ったゴルファーも多いだろう。
ツアープロが使うマッスルバックアイアンは見た目もシャープでかっこいい。キャビティバックやポケットキャビティはブレードに厚みがあるため、構えたときに安心感がある。
では、実際のところ100切りや90切りを目指すアマチュアが手にするべきアイアンはどのタイプなのか。関プロに指南を仰いだ。
ロフト角を見れば、アイアンの性格がわかる
ヘッド形状、構えたときの顔、素材などアイアンを選ぶときにチェックすべきポイントは多岐にわたるが、最近はロフト角が重要なファクターとなっている。5番アイアンを例にとると、昔ながらのクラシカルロフトは27度。これに対してストロングロフトのモデルは24度から25度で、中には23度や22度といったものもある。クラシカルロフトなら3番アイアンに相当する数値だ。同じ番手でありながら、どうしてこれほど違いがあるのだろう。
「ロフト設定には当然意味があります。だからアイアンを選ぶ際の参考になります」と関プロ。
技術を磨いてシングルを目指す人は、クラシカルロフトを選ぶべきだという。
「クラシカルロフトを採用しているのは、アイアンを設計する上で飛距離よりもショットの精度を重視していることの表れです。したがって操作性が高いモデルがほとんど。こうしたアイアンは、ミスはミスとしてはっきりと出ますが、それだけ自分のスイングの修正ポイントが明確になるので、使い続けていくとスイングがよくなってどんどん上達していきます」
クラブの助けを借りてプレーをエンジョイしたいならストロングロフトだ。
「ストロングロフトは、球を上げやすくするために、重心が低く、深くなるように設計されていて、複合素材など最新のテクノロジーも使われています。ひと言でいえば、易しいクラブです。こちらは芯を外してもぶれにくいので、練習はそこそこで早く結果を出したい人におすすめします」
マッスル、キャビティ、ポケキャビの一長一短
ヘッド形状で選ぶ場合のアドバイスもお願いしてみた。上達志向ならマッスルバックが関プロのおすすめだ。
「マッスルバックの長所は、打感がよくてヘッドがどういう状態でボールに当たったか手に伝わりやすいところです。当然ながらクラシカルロフトがほとんどで操作もしやすく作られています。ただし、かなり難しいクラブなので、ボールを無理に上げようとしたり、つかまえようとしたりしてスイングに悪いクセがつく心配もあります。マッスルバックを選ぶなら、決して上達を焦らないことが大切です」
キャビティバックアイアンには、マッスルバックに近いハーフキャビティから飛距離重視型のフルキャビティまで種類が多い。
「キャビティが浅いモデルは打感も操作性もほぼマッスルバックと同じで、オフセンターヒットのミスを防いでくれる要素が加わっています。マッスルバックほどは難しくないので、クセのないスイングを作りたい人におすすめします。また、キャビティが深くなるほど、ミスヒットに強く、球が上がりやすくなるので、ゴルフを楽しみたい人向けとなります」
最もミスに強いのがポケットキャビティだ。
「重心が深く、慣性モーメントが大きいため多少芯を外したくらいでは大きなミスになりません。また、フェースの反発性能が高いモデルが多く、飛距離性能は最高です。ブレードに厚みがあるので構えた感じに違和感はあるかもしれませんが、とにかくすぐに結果を出したい人にはぴったりです」
自分がどんなゴルフをしたいのか、さらにどんなゴルファーを目指すのか。間違いのないアイアンを手に入れたければ、まずそこからスタートしよう。
構成/吉田宏昭(ゴルフライター) 撮影/鈴木祥
撮影協力/ゴルフフィールズ
教えてくれた人: 関雅史(せき・まさし)プロ
1974年9月28日生まれ、PGA公認A級インストラクターとクラブフィッターの二足のわらじを履く異色プロ。これまで指導したゴルファーは延べ1万人以上、クラブフィッティングは3000人以上。東京都北区でゴルフスタジオ『ゴルフフィールズ』を主宰する傍ら、雑誌・テレビ等メディアでも活躍中。
楽天GORA店 Supported by GOLF5 でゴルフグッズをさがそう!
「QP関雅史のギア分析!」記事一覧
(1) シャフトの硬さ選び編 - (2) サンドウェッジの角度編 - (3) アイアンの易しさを見分ける編 - (4) ウェッジのバンス選び編 - (5) ウェッジはセットか単品か編 - (6) ユーティリティはヘッド形状で選ぶ編 - (7) 合ってないドライバー編 - (8) アイアン選びのコツ編 - (9) パターの機能と打ち方編 - (10) ユーティリティ選びと番手編 - (11) ドライバーの性能を見分ける編 - (12) 距離感の合うパター編 - (13) FW性能を見抜く編 - (14) FWはドライバーとの相性で選ぶ編 - (15) プロのアイアン選び編 - (16) 入るパターとの出会い方編 - (17) ユーティリティのシャフト選び編 - (18) 上達する5Wの選び方編 - (19) ウェッジのロフト選び編 - (20) 止まりやすいアイアンとは編 - (21) アイアンのヘッド素材編 - (22) 飛ぶロフト角編 - (23) プロモデルは難しい?編 - (24) ユーティリティが難しくなる理由編 - (25) 適正なバンス角はどれくらい編 - (26) やさしいクラブとは?編 - (27) 新しいクラブを使いこなす編 - (28) セットクラブを卒業編 - (29) ディープフェースで上がりやすい3W編