鹿又芳典の「スコアアップにつながるシャフト選び」第9回~高いシャフトは本当に良いシャフト?オカネで飛距離は買えるのか問題
価格が高いシャフトはいいシャフトである
今はアフターマーケット用のシャフト開発が進化していますから、種類が豊富になっていることに加え、価格帯も多様化しています。平均的な価格帯は1本4~5万円ですが、1本10万円に近い高額シャフトもたくさん開発されています。
なんでそんなに高いかというと、使っている材料が高かったり、使っている技術が高度だったりと、それなりのことをやっているからなんですね。だから、「価格が高いシャフトはいいシャフトか」と聞かれたら、「いいシャフトです。」と私は答えます。
価格が高くても自分に合わなければ意味がない
ただ、いいシャフトだからといって、自分に合うかどうかは別問題なんです。どんなにいいシャフトであっても、自分に合わなければ、ただのゴミクズです。
たとえば、ゴルフをプレーするだけであれば、1本1万円のドライバーでもプレーできるわけです。そのドライバーが飛ばないかといったら、ヘッドスピード40m/sの人が打てば、220ヤードくらいは飛びます。
車にたとえると、普通の車が時速180キロまでしか出ないところを、時速200キロ、時速250キロ出るようにチューニングするのが、シャフト選びになるわけです。
つまり、自分の持っているポテンシャルをさらに高く上げようとするのがシャフト選びであり、いくら高いパーツであろうが、自分に合わなければ何の意味もありません。
価格が高いシャフトが自分に合えば、それなりの結果が出せる
お金持ちの方から、「金はいくらでも出すから、いいシャフトをくれ」と言われることがあります。でも、価格が高いからといって、その人に合うとは限らないのは、お伝えしているとおりです。
逆に、価格はそれほど高くなくても、ゴルファーのターゲット層に対してリンクした、いいシャフトもたくさんあります。
だからシャフトに関しては、価格で優劣をつけないほうがいいと思います。
一方で、「飛距離は金で買える」と言い切っている人もいます。価格が高い高性能シャフトがその人のスイングや考え方にリンクすれば、価格が高いなりの効果が発揮され、間違いなく結果は出ます。
ただし、価格が高いからといって必ずしも結果が出るというものではないので、そのことだけは間違いないようにしてほしいですね。
教えてくれた人 鹿又芳典(かのまた・よしのり)さん
1968年3月21日生まれ、東京都出身。クラブコーディネーターとしてゴルフ雑誌など各メディアで活躍。年間試打本数は2000本以上にも及ぶ。ゴルフショップマジック(千葉県)代表。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/石上彰