鹿又芳典の「スコアアップにつながるシャフト選び」第7回~シャフトは重いほうがいい?軽いほうがいい?それは練習量で決める!
軽いシャフトと重いシャフトにも長所と短所がある
シャフトの硬さの話と同様に、軽いシャフトと重いシャフトのどちらにも長所があり、短所があります。
ただ、最近のトレンドとして、シャフトはどんどん軽量化しています。男子ツアーでもドライバーで60グラム台、アイアンで100グラム前後というのも珍しくなくなってきました。
どうしてシャフトが軽量化しているかというと、軽いシャフトにはスピードを上げやすいというメリットがあるからです。特にドライバーはヘッドが大きいので、それだけで慣性モーメントが大きくなっています。
それに対して重たいシャフトが入っていると、ヘッドスピードを上げることがすごく大変になってきます。
軽いシャフトで上手に打つには練習が必要
一方で、軽いシャフトには再現性が低くなるというデメリットがあります。
したがって、軽いシャフトで上手に打つためには練習が必要です。上手に打つというのは、会心の当たりが1回出るかどうかではなく、同じパフォーマンスをずっと発揮するという意味です。要するに、軽いシャフトはいい時と悪い時の差が出やすいということです。
逆に、重いシャフトは再現性が高くなります。重たい物を振るほうが手元の浮きが少なくなりますので、腕が同じ位置を通りやすくなるのです。だから、ミート率が悪い人には「重いシャフトのほうがいいよ」という言い方をしやすいです。
ただ、これも一概には言えないところがあります。
「重いシャフトは再現性が高くなる」というのは、それなりに練習していて、ラウンドもしている人の話です。中には練習をほとんどせず、ラウンドも月1回しか行けないという人もいます。そういう人たちにとって、重たいクラブは振りにくくなります。コントロールできなくなってしまうんですね。
だから練習量が極端に少ない人にとっては、軽いシャフトのほうが手でコントロールできるので、結果が良くなります。
ゴルファーの技術と練習環境によって判断するのが大事
重いシャフトは再現性が高くなるというメリットがある一方で、最大のデメリットは(冒頭の話に戻りますが)ヘッドスピードを上げにくいことです。
再現性を優先するか、ヘッドスピードを優先するかによって、選ぶシャフトの重さも変わってきます。
また、先ほども言及したように、練習量によって合う重さが変わる場合もあります。ゴルファーの技術と練習環境などを総合的に判断して、探すことが大事なのです。
教えてくれた人 鹿又芳典(かのまた・よしのり)さん
1968年3月21日生まれ、東京都出身。クラブコーディネーターとしてゴルフ雑誌など各メディアで活躍。年間試打本数は2000本以上にも及ぶ。ゴルフショップマジック(千葉県)代表。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/石上彰