鹿又芳典の「スコアアップにつながるシャフト選び」第10回~ゴルフの主人公はシャフトではなくあなた!
シャフトを選ぶ際、各番手の流れを考えるべき
シャフトを選ぶ際、どのクラブでどんな球を打ちたいか考えるのは大事ですが、その結果としてキャディバッグに入れる14本のクラブのバランスが崩れてしまうという可能性があります。
したがって、一本一本のシャフトだけにこだわるのではなく、全体的な流れも見ておく必要があります。
だからといって、難しいことは特にありません。長いクラブが軽くて、短いクラブが重くなっていれば、それでいいです。逆転現象さえ起こっていなければ、同じ重さのクラブがあっても、特に問題ありません。
重量フローは人によってさまざま
一般的な傾向として、ヘッドスピードが速い人や、力が強い人は、重量フローが急角度になります。たとえば、ドライバーが315グラム前後、ウェッジが470グラム前後で、160グラム前後の差になります。
逆にヘッドスピードが遅い人や、力があまりない人は、ドライバーが300グラム前後、ウェッジが400グラム前後で、重量フローはなだらかになります。
これもどちらがいいとか悪いとかいう話ではありませんので、逆転現象が起こらなければ問題ありません。
ただし、シャフトの重量だけでなく、ヘッドやグリップも含めたクラブ全体の重量を考慮することは忘れないでください。
主人公はゴルフクラブではなくプレーヤー
この連載の最後にお伝えしておきたいのは、ゴルフにおける主人公は誰かという話です。
ボクは立場上、「飛ぶクラブはどれ?」、「飛ぶシャフトはどれ?」と聞かれることがすごく多いのですが、これはクラブを主人公にした発想です。ゴルフの主人公はあくまでもプレーヤーです。
クラブだけでボールを飛ばすことはできませんし、シャフトだけでボールを飛ばすこともできません。仮にシャフトだけが勝手にビュンビュン走ったとしても、プレーヤーがコントロールできなければどうしようもないのです。
だから、飛ぶシャフトというのは、自分にとって振りやすいシャフトだということだけは、間違えないようにしてほしいです。「飛ぶシャフトはどれ?」ではなく、「自分にとって飛ぶシャフトはどれ?」という考え方をしてください。
教えてくれた人 鹿又芳典(かのまた・よしのり)さん
1968年3月21日生まれ、東京都出身。クラブコーディネーターとしてゴルフ雑誌など各メディアで活躍。年間試打本数は2000本以上にも及ぶ。ゴルフショップマジック(千葉県)代表。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/石上彰