鹿又芳典の「スコアアップにつながるシャフト選び」第3回~シャフトを決めるとき最も優先すべき事とは?
種類が多いのはスイングの多様性に対応するため
シャフトの種類がなぜこんなにたくさんあるかというと、ゴルファーのスイングが多種多様だからです。
たとえば、腕力があってインパクトが強い人もいれば、腕力はあるけどインパクトは強くなく、スピードが出る人もいます。一方で、腕力はないけれどスピードが出る人もいます。スイングの再現性とは別に、個々のスイング能力というものがあります。
また、クラブフェースの使い方も、開いて閉じる人もいれば、閉じて開く人もいます。ゴルフのスイングというのは、それくらい多様性があるんです。
シャフトを選ぶ際は優先課題を一つだけ決める
そして、スイングに多様性があるうえに、ヘッドにも多様性があります。その中でシャフトを選んでいくということですから、どうしてもたくさんの種類になってしまうのです。
これだけたくさんの種類がある中で、どうやって探したらいいのかという時に、一番の目安になるのは「自分がどうしたいのか」ということを明確にすることです。優先課題を一つだけ決めるのが正しいシャフトの選び方です。
シャフトだけで二つの課題を追いかけると、合うシャフトが見つからなくなってしまうんです。ヘッドとシャフトの兼ね合いで、二つの課題を追いかけることはありますが、シャフトだけで二つというのは無理です。「飛んで」、「曲がらない」魔法のシャフトはありません。
それと、「飛ぶ」ということに関しても、平均飛距離を伸ばすクラブにするのか、うまく打てた時にすごく飛ぶクラブにするのかは別物です。どちらか選ばないといけません。
メーカーのコンセプトを元に探すのが絶対条件
だからまず、シャフトを替えることによって何を実現したいのかを決める必要があります。
平均飛距離を伸ばしたいのか、最大飛距離を伸ばしたいのか。球をもう少し上げたいのか、もう少し低い球を打ちたいのか。球を右に行かせたくないのか、球を左に行かせたくないのか。どれか一つだけ決めてください。
そして、目的にあったシャフトを見つける際のポイントは、キックポイントやトルクといった数字ではなく、そのシャフトがどんな目的で作られているかというメーカーさんのコンセプトになります。
メーカーさんのパンフレットやホームページを見ると、「スピード感がある」とか、「打ち出しが高い」とか、そういうコンセプトが書いてあります。そのコンセプトを元にモデルを絞っていきましょう。
教えてくれた人 鹿又芳典(かのまた・よしのり)さん
1968年3月21日生まれ、東京都出身。クラブコーディネーターとしてゴルフ雑誌など各メディアで活躍。年間試打本数は2000本以上にも及ぶ。ゴルフショップマジック(千葉県)代表。
構成/保井友秀(ゴルフライター) 撮影/石上彰